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商会で働く冒険者

「葉玉と地下葉の炒め物、それに白米、卵のスープですね。こちらがレシートです。」

「ありがとうございます。」

食堂へ着いた俺は会計を済ませた後、お礼を言ってトレーを持つと席へと向かった。


「あ、リョータ君じゃん。」

「ハビィネスさん、お久しぶりです。」

席を探していると、ハビィネスも席を探している所だった。

「一緒に食べる?」

「はい。」

 ハビィネスと座ったソファ席は初めて来たときは人がいっぱいいたのだが、今日は少し早い時間なのか思っていたよりも空いていた。ふかふかのソファに腰を下ろすと、二人で手を合わせた。そして、昨日ハビィネスと食事をして分かったことがある。それは、いただきますの前に神への感謝の言葉を述べる事だ。


「「今日も私達に食べ物を恵んでくださったことを感謝して、いただきます。」」

ハビィネスの真似をして感謝の言葉を言う。

「そういえば。」

と、俺はずっと気になっていたことをハビィネスに聞いた。


「ハビィネスさんの服についているその紋章はどのようなものなんですか?」

ハビィネスの服には紋章が付いていて、昨日から気になっていた。


「これはね、エラール商会のマークなの。」

「エラール商会……?」

「エラール商会はね、この国一番の商会よ!」


自信に満ちた顔で、胸を張るハビィネス。


「あの、もしハビィネスさんが大丈夫なら、近くのエラール商会まで案内してくれませんか?」


 昨日会ったばっかの人に頼むことではないかもしれないが、ナトリー様に運動場から帰る時、お金をもらったので、それを使って日用品を早めに買いに行きたかったのだ。


「私でよければ喜んで。あと、敬語じゃなくていいからね。」

「はい……じゃなくて、うん!」

こうして明日、商会まで案内してもらうことになった。

「ってことは、ハビィネスさんのお仕事はエラール商会と関係あるの?」

「うん、そうだよ。関係あるっていうかエラール商会で働いているんだよね。」

「えー!すごい!」

俺が褒めると、頬を少し赤く染めてえへへと笑う彼女の顔は、とても可愛くて思わず見とれてしまった。

「えへへ、褒められるのってやっぱり嬉しいな。」

(すごく可愛い///)

一人、可愛さにダメージを受けているとハビィネスがあることを教えてくれた。


「あとね、私冒険者もしているんだ。」

「え!? 冒険者!?」


 ネッ友に聞かされた異世界知識の中には冒険者の話もあったことを思い出す。冒険者って確か、魔物などを狩ったり、薬草を採ったり、護衛をしたりする、異世界の何でも屋的な存在だったはず。あ、でも自分が気に入った依頼を受けるから何でも屋ではないのか。と、一人で納得していると、ハビィネスは何かを取り出した。


「これ、ランク証(ランクしょう)よ。」


ハビィネスが見せてくれたのは、手のひらに収まるサイズのバッジのようなものだった。紐がついているので、恐らく首から下げて持ち歩く物だろうと予想できた。ランクや名前、ステータスなどが載るギルドでもらうギルドカード的なやつとは別物なのかな?と考え、何が書いてあるのか見ると、そこに書いてあったのは限られた人しか上がることの出来ないランクが書いてあった。


「準Sランク!?」

準とついているということは、試験を受ければSランクに上がれるSランク候補ということだろう。

「す、すごい。」

ハビィネスはポケットにランク証をしまった。


「ご飯も食べ終わったところだし、食器返しにいきましょうか。」

「うん。そうだね。」

こうして、寮生活二日目の食事は驚き、約束をし、ハビィネスの仕事についてもしれた充実した時間となった。

地下葉は、地下の洞窟などに生える植物です。(食べられます。)

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