スキル
「そういえば、ナトリー様。スキルってどういうものなんですか?」
そもそも、スキルについて何も知らなかったと思いナトリー様に聞いてみる。
「あぁ、そうだな。説明をしていなかったな。スキルとは、『神の加護』だ。神からの加護が強ければ強いほどより強力なスキルをもらうことができる。そして、スキルにはレベルもあってこれも加護がどれくらい強いかによって貰えるスキルのレベルも変わる。もちろん、レベルアップも可能だ。」
「スキル……神の加護……分かりました。説明ありがとうございます。」
神の加護。いかにも異世界な言葉に頷きながらナトリー様の話を聞く。
「理解が早くて助かる。これからスキルをいくつか発動してもらう。発動するスキルを選べ。」
「はい」
ナトリー様に言われたとおりに俺は、ステータスを見た時に書いてあった中から三つのスキルを選んだ。【視力強化】【跳躍力上昇】そしてこの二つを使用するために体を強化したいので【身体強化】を選んだ。
「身体系のスキルか、分かりやすいスキルを選んだな。それじゃあ、さっそく行くぞ。私と同じ言葉を唱えろ。」
ナトリー様が唱えた言葉を俺も復唱する。
『スキル発動!』
すると、俺の中で何かが光輝くような感覚が現れた。しばらくするとその光は消え体が温かくなった。
「体が温かい……」
「! それは上手くスキルが発動できている証だ。そして、選んだスキルも体に馴染んでいるな。この感覚を忘れないうちに体を鍛える。まずは腕立てから!」
「はい」
こうして俺は日が暮れるまでスキルの発動と筋トレをした。
ーーー
「つ、疲れたー。」
一日中筋トレをした俺はかなり体が疲れていた。
「良くやったな。この後はゆっくり休め。本当なら魔法についても教えたかったが…」
「えぇー!?今からですか!?」
さすがに今からは無理だと思っているとナトリー様はこう言った。
「さすがに今から始めるほど私も鬼ではない。」
「良かったー。」
ナトリー様の言葉に安心したら、体の力が一気に抜けてしまった。この後はご飯を食べてすぐ寝よう。
「今日は色々と教えてくれてありがとうござます。」
お礼を言う俺に、
「くれぐれも今日の内容を忘れないように。」
と、ナトリー様は言う。
「はい、では俺は先に失礼します。」
「あぁ、帰り道気をつけろよ。」
「はい!」
ナトリー様に見送られながら、疲れた体を必死に動かして食堂へと急いだ。