勇者の剣
勇者の剣です
ある時、ある村のはずれの場所に一本の剣が刺さっていました。
それを村人たちは『勇者の剣』ぽいので、昔から『勇者の剣』と呼んでいました。
好きなように作り話・・・伝承を作りながら、その『勇者の剣』の伝承を伝えていました。
ただ、伝承で唯一共通していたことがあります。
その剣を誰も抜くことができず、未だに『勇者の剣』の所持者がいないということです。
つまり、この村から勇者が出ていないことは事実なのです。
そんな悠久の時の中、一人の村人が酔った勢いで、その剣を抜こうとしました。
すると、その剣は抜け、抜けると同時にその剣の錆がひど過ぎて、刃が砂のように消えてなくなった。
『この剣の刃はあなたのこころのなかにある』
という言葉を残して・・・
男はそれを持ったまま、少々考えて、
「ふーん、いらね」
ポイと酔った村人は刃のない鍔のみになった剣をそのまま地面に放り投げて捨てた。
生活があり、家族があり、十分に幸せな農民の男に剣などは必要なかった。
世界の命運だの、魔王を倒すなど、一円の価値も感じられなかったからだ。
男はフラフラと酔った足取りで、剣を地面に放り出したまま歩き出した。
この剣がのちに魔王の力を借りた魔法を使う女魔術師と共に戦う金髪イケメン男の元にたどり着いたとか、なんとか、・・・いろいろな噂があるそうな・・・
光の剣ですw