私の為に貴方が、姉さんを心から愛して!
“私の為に貴方が、姉さんを心から愛して!”
私は付き合っていた彼に、最後にこう言った。
私の姉が彼の事を好きで、姉は末期癌でもう病院のベットで
ずっと寝たきり状態になった。
そんな姉を、“最後は愛する男性に看取ってもらえたなら、
どんなに幸せか?” そう想い私は彼と別れ、姉さんと死ぬ間際まで
彼に姉の傍に居てあげてほしいと頼んだのだ!
・・・でも彼は、私と別れるまではしなくてもいいんじゃないのか
と言ったが、姉の最後を看取る事は了承してくれた。
でも? 私は中途半間な気持ちで彼に姉を看取ってほしくないと強く想い
別れを告げる。
彼は私と別れた後、ずっと姉の傍に居てくれた。
仕事が終わると? 真っ直ぐ姉の入院する病院に向かい、ずっと姉の手を
握っててくれたらしい。
私も父や母と一緒に、姉の様子を見に病院に行く事があったが、
そんな時も彼は先に姉の居る病室に来ていた。
『ユリ? 美織ちゃんとご両親がお見舞いに来てくれたよ。』
『元気にしてた、姉さん?』
『・・・み、美織?』
『“随分と痩せたわね。”』
『お母さん、』
『今日はお前の好きな、リンゴを持ってきたぞ!』
『お父さん、ありがとう。』
『“喬佑さん、今日もユリのお見舞いに来てくれていたの?”』
『“お母さん! 喬佑は毎日、ワタシのお見舞いに来てくれてるのよ。”』
『・・・き、喬佑クン、すまない!』
『お父さん、頭を上げてください!』
『本当にありがとうね、喬佑クン。』
『僕が好きで、彼女に会いに来てるだけですから、、、。』
『ありがとう、喬佑さん。』
『・・・ううん。』
・・・彼は私との約束を守ってくれている。
必死で彼は姉を心から愛してくれていると私は知った。
姉の最後を看取る為に、毎日姉のお見舞いも欠かさない。
私は彼になんて、感謝を伝えたらいいのか?
『“お父さんお母さん、先に帰っててくれる?”』
『用事があるの?』
『・・・ううん、』
『じゃあー父さんと母さんは先に帰ってるから、遅くならないようにな!』
『うん、分かった!』
*
『喬佑さん!』
『美織、』
『少し話せない?』
『・・・あぁ!』
『姉さん、随分と瘦せてしまったわね。』
『あぁ、見てるのが辛い時があるよ!』
『“ごめんなさい”』
『なんで、美織が謝るんだ!』
『“私が喬佑にそう頼んだから。”』
『今は辛いとかあまり感じなくなったんだ、ユリも一生懸命一日でも
長く生きようと頑張ってくれているのが僕にも分かるから。』
『そうなんだ、姉さんの心の支えに喬佑がなってるんだね!』
『・・・そ、そうだといいんだけどな、』
『“姉さんの目見た? 乙女の顔をしてたわよ。”』
『えぇ!?』
『“女の子は幾つになっても恋をしている時は、強くなれるものなの。”』
『・・・そ、そうなの?』
『“姉さんにとって! 喬佑が一日でも長く生きたいと想わせてくれる
唯一の存在なんだと思うの。”』
『それならいいんだけどな。』
『“勝手な事ばっかり言ってごめんね、喬佑。”』
『いいんだよ、僕もユリには少しでも長生きしてほしいと心から想って
るんだ! 彼女の為にも生きててほしい!』
『・・・ううん、そうね。』
私から彼に別れを告げたくせに、どこかでまた私は彼とやり直せるもの
だと想っている自分が居るわ!
“もう彼とはやり直せる訳がないのに、、、。”
それでも姉さんが亡くなれば、私はまた彼と、ふとそんな事を考えてしまう。
ヒドイ妹だよね! 姉さんに一日でも長く生きててほしいと想ったのは
私だと言うのに、都合が悪くなれば彼とまたヨリを戻したいと想ってい
るなんて! “私はなんて、心の汚い人間だ!”
“本当の私は姉に長生きしてほしいと想っていないのかもしれない!”
イイ人を演じて、彼によく見られたいだけなのかも、、、?
・・・“姉さんには本当に申し訳なんだけど、やっぱり私は彼とまた、、、。”
やり直したいの!
最後まで読んでいただいてありがとうございます。




