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21/24

21:わたくし、みせびらかしたいのですけど……?




「うわ、エッロ! ユリシーズ様、えっろぉぉぉ!」


 アリアに外出用のデイドレスを着替えさせてもらっていたら、首筋の所有印(キスマーク)がバレてしまいました。

 そそっと右手を体の後ろに隠したのですが、そちらもあっけないほど簡単にバレてしまいました。


「人ってこうも変わるんですねぇ」


 アリアが感心半分、呆れ半分で、ササッと髪のセットを始めました。

 帰宅後はいつも髪のセットはせず、出掛けたときのままのアップなのに、今日は全部下ろして櫛で梳っています。

 そんなに髪型が崩れていたかしら? と不思議に思っていると、後ろでどデカい溜息を吐かれてしまいました。


「そのままだと、旦那様にバレてわちゃわちゃなるでしょうが!」

「なるかしら? 上手くいってるって喜ぶんじゃない?」

「なります! 喜びません!」

「えー?」


 アリアに力説されました。


 お父様は、大前提として(わたくし)のことが大好きなので、所有印(キスマーク)など見ると、卒倒してしまう可能性が高く、その上ユリシーズ様に詰め寄って『責任を取って今すぐ結婚しろ』と言ってしまう可能性が大! なのだそうです。


「えぇぇ? ほんとぉ?」

「えぇ、大マジです」

「それなら、見せないとじゃない⁉」

「やめなさい!」

 

 ズバンと後頭部を叩かれてしまいました。酷くないかしら⁉


「そんなことをすると、本当に嫌われてしまいますよ?」 

「ふぐぅ……」


 だって、ユリシーズ様のものっていう所有印(キスマーク)を付けていただけたのよ? 

 嬉しいじゃない?  

 見せびらかしたいじゃない?


「はいはい、私には見せびらかしていいですから、旦那様にはやめてあげてください」

「はぁい」




 夕食の席で、お父様にはデートはものすごく上手くいったこと、ユリシーズ様とは相思相愛でラブラブです! と張り切って宣言しました。

 お父様はホッとした様子で、肩と胸を撫で下ろしていらっしゃいました。


 夕食を終えて部屋に戻ろうとした際、お母様とすれ違いましたら、ニヤリと笑われました。


「あらぁ?」

「ほへ?」

「あらあらあら、あぁらあらあら、仲良きことは良いことね」

「「……」」


 そそくさと部屋に戻り、アリアの胸ぐらを掴み、ガクガクと揺すり、詰め寄りました。


「ちょ、バレバレだったのだけど⁉」

「あはは、ですねー」

「何なのよ、もぅっ!」

「いやぁ、たぶん旦那様にはバレませんので大丈夫ですよー」


 …………本当かしら?




 悪化の一途(結膜炎)

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