21:わたくし、みせびらかしたいのですけど……?
「うわ、エッロ! ユリシーズ様、えっろぉぉぉ!」
アリアに外出用のデイドレスを着替えさせてもらっていたら、首筋の所有印がバレてしまいました。
そそっと右手を体の後ろに隠したのですが、そちらもあっけないほど簡単にバレてしまいました。
「人ってこうも変わるんですねぇ」
アリアが感心半分、呆れ半分で、ササッと髪のセットを始めました。
帰宅後はいつも髪のセットはせず、出掛けたときのままのアップなのに、今日は全部下ろして櫛で梳っています。
そんなに髪型が崩れていたかしら? と不思議に思っていると、後ろでどデカい溜息を吐かれてしまいました。
「そのままだと、旦那様にバレてわちゃわちゃなるでしょうが!」
「なるかしら? 上手くいってるって喜ぶんじゃない?」
「なります! 喜びません!」
「えー?」
アリアに力説されました。
お父様は、大前提として私のことが大好きなので、所有印など見ると、卒倒してしまう可能性が高く、その上ユリシーズ様に詰め寄って『責任を取って今すぐ結婚しろ』と言ってしまう可能性が大! なのだそうです。
「えぇぇ? ほんとぉ?」
「えぇ、大マジです」
「それなら、見せないとじゃない⁉」
「やめなさい!」
ズバンと後頭部を叩かれてしまいました。酷くないかしら⁉
「そんなことをすると、本当に嫌われてしまいますよ?」
「ふぐぅ……」
だって、ユリシーズ様のものっていう所有印を付けていただけたのよ?
嬉しいじゃない?
見せびらかしたいじゃない?
「はいはい、私には見せびらかしていいですから、旦那様にはやめてあげてください」
「はぁい」
夕食の席で、お父様にはデートはものすごく上手くいったこと、ユリシーズ様とは相思相愛でラブラブです! と張り切って宣言しました。
お父様はホッとした様子で、肩と胸を撫で下ろしていらっしゃいました。
夕食を終えて部屋に戻ろうとした際、お母様とすれ違いましたら、ニヤリと笑われました。
「あらぁ?」
「ほへ?」
「あらあらあら、あぁらあらあら、仲良きことは良いことね」
「「……」」
そそくさと部屋に戻り、アリアの胸ぐらを掴み、ガクガクと揺すり、詰め寄りました。
「ちょ、バレバレだったのだけど⁉」
「あはは、ですねー」
「何なのよ、もぅっ!」
「いやぁ、たぶん旦那様にはバレませんので大丈夫ですよー」
…………本当かしら?
悪化の一途(結膜炎)




