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15/24

15:わたくし、期待しましたのよ……?




 ◇◆◇◆◇




 すすすすすすすすすすすすすすす好きにぃ、なってもらえていました!


「だが、婚約解消したいんだよな?」

「いいいいいええぇぇぇ! しませんっ!」


 深紅の瞳を鋭く光らせて、真顔でそんなことを聞かれてしまったので、大慌てて叫びましたら、ユリシーズ様がフッと口の端を上げて笑われました。

 少し、意地悪そうなお顔で。


「ん」


 ユリシーズ様がゆったりと(わたくし)の方へと近づいて来られました。

 これはもしや――――⁉


 ………………頭を撫で撫でされました。


「ぶふっ!」


 頭上から変な音が聞こえましたので、顔を上げて確認すると、ユリシーズ様が笑いを堪えたようなお顔をしていました。


「ユリシーズ様?」

「ん。イザベルは、そうやって素直に感情を出している方が可愛い」

「っ⁉」


 頭を撫でていたユリシーズ様の手が、するりと頬へ滑り落ちました。

 親指で私の下唇をツツとなぞり、そっと顔を近づけて来られます。

 今度こそ、本当に⁉


「今日は何もしないと約束したからな。来週、デートしようか?」


 耳元で、低い声で、艷やかに、そんなこと言われて腰が抜けてしまいました。

 ユリシーズ様がサッと腰を抱えてくださり、ソファに座らせて頂きました。

 再度、頭を軽く撫でてからユリシーズ様がサロンを出ていったのですが、心臓がバクバクと早鐘を打ち続けていて、お礼のひとつも言えぬままでした。




「はぁぁぁぁぁ⁉」


 部屋に戻り、事の顛末をアリアに話していましたら、驚愕の顔で叫ばれてしまいました。


「え? ユリシーズ様ってチョロイン属性? でも魔性感もある……いやでも、根元は無口クールですし。キャラブレ? あ、ヒロインにはデレる系か……」


 アリアがよくわからないことをボソボソと呟いているのですが、とりあえず無視して来週のデートのための準備や注文の話に切り替えようとしました。


「お嬢様、毎回毎回、新品のドレスで行く必要はないのですよ」

「え?」

「皆様は、ドレスに飽きた時は、飾りレースを替えたり、リボンの色を替えたりして、リメイクして何度も着用されています」


 飽きた時?

 

「え? 何度も袖を通しているの?」


 どうやら、お母様もそうしてあるようです。

 知らなかったといいますか、気付かなかったといいますか。

 言ってくだされれば良かったのに。と呟きましたら、アリアがどでかい溜め息を吐きながら「遠回しに何度も伝えましたけどね」と呟き返されました。


「えと、ごめんなさい?」

「はいはい。さぁ、デートで着るドレスを、決めましょう⁉ ()()()()()()()()()


 クローゼットに入っていた、一度限りで袖を通さなくなったドレスたち。それらをアリアに指し示されました。

 ちょっと引くくらいありますね。そして、小さい頃のも残されているのですか。


「幼い頃、お嬢様が『捨てたらダメ!』って言われたせいなんですけどね」

「…………えっと、なんか、ごめんなさい?」

「はいはい」


 アリアに苦笑いされながら、デートで着るドレスを楽しく選びました。

 今度はちゃんと皆の意見を聞きつつ、少しだけ手を加えてもらいましょう。




明日も、どうにかこうにか、更新……したい。

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