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14/24

14:わたくし、聞き間違いしましたの……?




 ユリシーズ様から、まさかのお言葉。


『やっと将来が楽しみになったのに。イザベルとの未来が少しだけ見えて来たのに』


 ――――えぇぇぇぇ?


『また、君の事を好きになれたのに。……訳が分からない』


 も、もう、好きになってもらえたのですか?

 どういうこと⁉ えぇ? 聞き間違い⁉




 ◆◇◆◇◆




 いつからだったろうか。

 幼い頃は愛らしかったイザベルが、ワガママでマセた子供になり、最近は悪役令嬢のような振る舞いをするようになっていた。


 出逢ったのは四歳の頃。

 王城でのお茶会だった。

 あの頃は、王子殿下の御学友を見極めるためのお茶会が数多く開かれており、私達は会場の庭園で毎回遊んでいた。

 イザベルは私の後ろを走りながらついてきたり、庭園で笑い転げたりして、とてもかわいい子だった。


 数年後、伯爵より打診があったとき、私は大喜びだった。

 ふわふわと風に揺れる蜂蜜色の髪と、青空を映し出した湖面のような透き通っている瞳。小さな口をめいっぱい広げて、キャッキャと笑うかわいい子が婚約者になった。

 私は、嬉しくて仕方がなかった。

 

 だがしかし、現れたのは見た目はさほど変わりがないのに、言動がどこまでもワガママになったイザベルだった。

 しかも、王城でよく遊んでいた私の事は全く覚えていなかった。

 イザベルは、一時期体を壊していたらしく、優しく優しく扱うようにと言われた。

 そして、高貴なご令嬢のように振る舞うことに憧れを持っているらしく、この年代ではよくあることだと言われ、辛抱するしかなかった。

 高貴と高慢を勘違いしているのだと、これはかわいい勘違いなのだと……自分に言い聞かせた。


 そうして、十年近く経つと…………物語に出てくるような『悪役令嬢』のように振る舞い出した。

 



 私と伯爵たちで何度も何度も話し合った。


 何年も我慢し続けた。

 あの子はもういない。

 この子は、あの子じゃない。

 もう、あの子には逢えない。

 もう、嫌だ。




 嫌々ながら参加したあの日の夜会で、イザベルが自身の振る舞いが酷い事に気が付いた。

 侍女のアリアがとうとう言ってしまったから、というのもある。彼女はああは見えるが、自分の首を掛けていた。

 今まで黙っていた彼女が何故行動に出たのかは分からないが、彼女なりの理由があったのだろう。


 やっと、やっと、終わりにできる。

 そう思っていたのに……。


 また、恋に落ちてしまった。




ちょいとプライペートがわちゃわちゃで…………大変遅くなりました。

次話からも、しばらく朝の更新になりますm(_ _)m

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