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10/24

10:わたくし、イライラしていますの……?




 幼い頃の爽やかそうな笑顔のユリシーズ様に、心臓がドンドコドーンです。心臓が破裂してしまいます。


「……どうやら元気なようだな」


 またもや軽く微笑まれたあと、踵を返し颯爽と去っていきました。

 

「あぁ、どうしましょ? どうしましょ⁉ あぁぁぁ!」

「お嬢様、人生の危機です!」

「え……ちょ、何かあったの⁉」

 

 笑顔ビームの余韻に浸ろうとしていましたら、アリアが(わたくし)の両肩を掴んでガクガクと揺さぶって来ました。

 人生の危機というくらいなので相当な危機なのでしょうか。


「お嬢様! ユリシーズ様に『ツンデレ』のお株が奪われてしまっています!」

「…………はい?」


 まさかの『ツンデレ』で人生の危機。

 ユリシーズ様がツンデレだろうがヤンデレだろうが、(わたくし)は一切気にしません!


「いや、そういうことではないのですよ」

「はぁ?」

「『ツンデレ』(かけ)『ツンデレ』は、何の生産性もないんですよ⁉ キャラ殺しの設定なんですっ!」


 キャラ殺しの設定……まぁ、そう言われると確かに?

 って! ちっがーう!


 危うくアリアに感化されるところでした。

 (わたくし)たちは生身の人間なのです。

 それぞれにしっかりとしたルーツがあって、きちんと自分の意思を持っているのです。


「えぇ? イザベル様が真面目なことを言った……」


 何故に驚愕な顔をするのですか。

 何故に(わたくし)の額に手をあてて熱の確認などするのですか。


 アリアの手を掴んで、ポイッと投げ捨てました。


「もうっ! あんまり酷いとクビにしますわよ!」

「はいはーい」


 全く。

 アリアはいっつも返事が軽いんだから。




 ユリシーズ様の態度が少しだけ軟化した日から半月、全くもってユリシーズ様にお会いする機会に恵まれませんでした。


「どうしましょう⁉」


 なにかにつけて出すようになったお手紙は、返事が二行程度に増えはしましたが、内容としては『手紙を受け取った。そうか、良かったな』だけですが。

 それでも、あのときの『そうか』という三文字よりはかなり前進です。

 ……前進していると思いたいです。


「再来週は王城での夜会がありますから、ユリシーズ様も出席されるのでは?」


 王城での夜会は全員参加が基本です。

 ユリシーズ様たちのような騎士団所属の貴族は、交代交代に参加したり、立場などによっては警備の任務は休まれます。


「今回は交互で参加されるはずよ」


 だって、 (わたくし)のエスコートしなくて良くなるんですもの。

 警備の任務と交互での参加の場合は、エスコートする暇がないので、王城での待ち合わせになります。

 私はお父様とお母様と一緒に、王城に向かうことになるでしょう。


「あんらぁ? お嬢様、なんだかネガティブになってますねぇ?」

「っ…………だって」


 あの素敵な笑顔を見せてくださった日以来、お逢いできていないから、ユリシーズ様の中に芽生えた『何か』は、きっと消えてしまっているはずです。

 また諸悪の根源を見るような目で睨まれてしまうのですわ……。


「えー? えっと、お気を確かに?」

「何よ! そんな雑な慰めなんていらないわよ!」

「あらぁ、また見事にツンしちゃって」

「煩いわよ!」

「はいはい、すんませんすんません」


 もうっ! ほんとうに、アリアの適当な謝罪にはイライラしてしまいますわっ!




19時更新成功っっ!


明日もきっと19時に更新します!


【追記・改】

諸事情により、更新が出来なくなりました。

更新は明日、朝10時と夕方の19時に更新します!

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[気になる点] 誠に申し訳ない また感想ではないm(_ _)m 追記の誤字報告は出来ないので此方で 更新が亢進になっています q(*・ω・*)pファイト!
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