表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
授業はダンジョンの中で  作者: 片栗粉
3/7

実力テストは人工迷宮の中で!?




俺たちはヴェルズ先生に連れられて、(ゲート)を越え、迷宮へ続く道(ダンジョンロード)と呼ばれる道を歩いていた。この道はある程度進んでいくと、分かれ道になる。

この地帯には無数のダンジョンがあり、一つ一つのダンジョンそれぞれ構造は異なるし、出現するモンスターも異なる。一体今日はどのダンジョンに行くのだろうか?


俺たちは分かれ道の右側を行き、少し進んだところで、


「よし、ついたぞ。ここがお前たちが入るダンジョンだ」


俺たちは一斉に目の前のダンジョンを見た。

そのダンジョンは、まるで()()()に作られたかのような作りで、入り口には扉がつけられていた。


クラスメイトの誰かが聞いた。


「先生、このダンジョンは一体…?」


すると、ヴェルズ先生はドヤ顔で、


「どうだ? 驚いただろ? もう気付いているだろうが、ここはダンジョンじゃない。

()()()()()()()()造られたダンジョンだ」


「なっ!?」


「人間の手によって作られただとっ!?」


クラスメイトは驚きのあまり声を荒げていた。


「このダンジョンは少し特殊な構造になっていてな、入った1人1人違う階層からスタートするようになっている」


なんと、それはすごい構造だぞ、だが、それだとある問題が…


俺は先生に質問した、


「先生、それだと、出現するモンスターの強ささやランクに上下が出ます。上の層でのスタートとなった生徒は危ないのではないのでしょうか?」


ダンジョンは、普通上の階層に行くにつれて難易度は上がってくる。俺とタクトを除くほとんどの生徒はダンジョンがはじめての筈だ。中級冒険者がパーティーを組んでなんとか攻略できるレベルと言われている上の層にダンジョン経験のないものが入ると、それこそ死にかねない。


「ほう、詳しいな、その点に関しては安心しろ。このダンジョンは、どの階層も同じモンスターが出現するようになっている」


「…なるほど、ありがとうございます」


まだまだ気になる点はあるが、取り敢えずは大丈夫だ。


「よし、他に質問はないな、よし!それではこれより、一斉にダンジョンに入ってもらう!」


さて、行きますかと、久々だな、ダンジョン。ざっと()()()()だな。まぁ、今回はゆっくり、気楽に行きますかっと。


クラスメイトが、続々とダンジョンに入っていった。

俺も入ろうとすると、隣にタクトが現れた。


「アルトっ!頑張ろうねっ!」


「あぁ、」


前から思っていたが、こいつ、相当速いな。

さっきまで後ろの方にいたはずなのに、一瞬で、ここまで…只者ではなさそうだな。


「行くか」


「うんっ!」


俺とタクトは、ダンジョンの中に入った。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



(さてと、どうすればいいんだ?)


俺はどの階層かもわからない場所に出た。


「まぁ、一層構造だし、進んでいけばいいか。」


俺は、とりあえず奥を目指して歩き始めた。

少し歩いて、曲がり角を曲がると、少し広い空間ができてそこには、ランクEのモンスター、ゴブリンが三体ほどいた。


ゴブリンは俺が視界に入ると、


「ゴルァァァ…」と、威嚇してきた。


そして、俺が一歩踏み出すと、


「ゴガッッ!」と、手に持っていた棍棒を振りかぶって俺に襲いかかってきた。


「っと、あぶな。」


俺はゴブリンの棍棒を危なげなくかわす。剣で受けることもできたが、生憎安物の剣、ゴブリン程度の攻撃といえど、何回も受けたら流石に壊れてしまうだろう。


俺はゴブリン三体による攻撃を避け続け、隙が出来たところで、


「フッ!」


鞘から抜刀し、ゴブリンの首を切った。ゴブリンの体は脆いので、軽く切っただけで倒せる。


俺は残りの二体も時間はかかりつつも同じ形で倒すことが出来た。


そして、再び奥を目指して歩き続けた。


このダンジョンに出現するモンスターは、ほとんどゴブリンのようで、その後俺は、15体ほどのゴブリンを倒した。


普通の冒険者だったら、ゴブリン数十体ぐらい、30分ほどで軽く倒せるだろう。


しかし、俺はこのゴブリン討伐に一時間以上かかった。いや、()()()一時間かけた。


そんなこんなで俺は、この階層のおそらく最奥地であろう空間に辿りついた。


さて、もう出れるだろうか。そう思っていた矢先、奥の角から小型の牛のモンスターが現れた、


【ミノタウロスJr.】、その名の通り、ミノタウロスの子供と言われるモンスターだ。

普通のミノタウロスはランクAに分類されるモンスターだが、その子供はランクDに分類される。


「ヴァァァァァ」


【ミノタウロスJr.】が唸りを上げる。


この戦闘は避けられそうにないな…


俺は【ミノタウロスJr.】と対峙する。


俺が動こうとするとミノタウロスが、


「ヴァァァァア!」と、雄叫びを上げてきた。


そして、俺を目掛けて突進してきた。


「ッ!」


俺はかろうじて奴の突進を避けた。


しかし、間髪入れず拳が飛んできた。


「ヴォッ!」


俺は素早く抜刀し、奴の拳を受けた。


すると、剣がピキッ!と、音を立てた。見ると、ヒビが入っていた。


(くそッ!やはり脆いッ!)


俺は奴と距離を取り、考えた。


(くそ、ゴブリンに時間をかけるんじゃなかった。おそらく、他の奴らはもう戻っているだろう。 これ以上遅いと、逆に怪しまれるだろうか、仕方ない、あれを使うか…)


俺は奴に向かって手をかざすと、


「時よ来たれり その身焦がして 地に帰らん… やっぱ詠唱面倒だな…」


「ヴァァァァッ!」


俺が何かをしようとしているのに気付いた奴は再び俺をめがけて突進してきた。


俺はそれをよけて、


「はぁ…悪いな、爆ぜろッ!」


俺がそう言うと、奴は一瞬にして、火の渦に飲み込まれ、


「ヴァァァォォォ!?」と、もがき、叫んだ。


そして、たちまち消滅した。


俺が何をしたかというと、魔法を使った。

魔法は、上級魔法(ハイ・マジック)というものと、初級魔法(ビギナー・マジック)というものがある。今俺がつかったのは、火属性の爆炎系上級魔法(ハイ・マジック)だ。

基本的に上級魔法(ハイ・マジック)は、詠唱を必要とするが、使いこなせば、詠唱省略(スペルカット)することが出来る。ちなみに、上級魔法(ハイ・マジック)は、一発撃つだけで、かなりの魔力を消費する。魔力を使いはたしてしまうと、たちまち意識を失ってしまう。通常、一発撃っただけでは、魔力切れにはならないが、とある理由で毎日半分の魔力しか使えない俺は、一発撃っただけで、魔力切れを引き起こす。


つまり、何が言いたいのかというと、


俺は立ってるのもままならなくなり、やがて、地面に倒れた。そして、俺の意識はだんだんと、薄れていった…

本日3話を投稿しました。


分かりにくい部分もあると思いますが、ご了承ください。


ぜひ、評価の方、よろしくお願いします

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ