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義理の妹と恋がしたい!  作者: 華紅薇
2/4

体育祭

義理の妹、奈由と出会いその3日後、学校登校日だった。

「今日から学校か」

和人がそう呟くと後ろから、

「オッス!綾乃。春休み中元気だったかー?」

友人の原田竜馬が話しかけてきた。

「あれ?綾乃、前にいる娘誰?小学生の妹か?・・・でも、妹いなかったよな?」

そう、和人の前にいるのは義妹である奈由だった。今日から和人たちが通う西陵高校に転入することになっていた。

「一応、俺の妹だ。義理だけどな。あと、俺たちと同い年だ。」

「まじか!綾乃、お前の妹としてはもったいないな!」

笑いながら竜馬は言うと、

「クソ兄貴、早く行こ」

「はいはい。・・・竜馬、先に行ってるぞ」

竜馬は手を振りながら、

「おうー。行ってこいー」


そのあと、教室に入りホームルームが始まった。

「今日は転入生を紹介しまーす。さぁ入ってー」

担任の松井が言うと、扉が開き奈由が入ってきた。

「まさか、同じクラスになるとは」

独り言が聞こえたのか、すぐに竜馬に話しかけられた。

「綾乃!同じクラスになるとは思わなかったな!」

「そうだな」

前で、奈由が自己紹介すると、

「金髪碧眼じゃん!可愛いー!」

「だよねー!ハーフなのかな?」

「絶対ハーフだよ!!」

と、女子の声が聞こえて、

「美少女きたー!」

「めっちゃ可愛いな!付き合いてー!」

「いやいや、お前じゃ無理だろ!」

と、男子の声も聞こえクラス中が騒がしくなった。

「すごい人気だな。奈由ちゃん」

後ろから竜馬が話しかけて、

「そうだな。まぁ、美人だしな」

すると、横から女子の声がした。

「いやー、あの美少女和人くんの妹だなんてー」

そう言ったのは、和人の幼馴染である橋本瀬奈だった。

「瀬奈、いたのか」

「ちょっと酷くないー?和人くん」

「べつに酷くねぇだろ」

そして、先生が奈由の席を指名した。

「それじゃあ、奈由さん。綾乃くんの席の隣に座ってね」

「わかりました」

「・・・なんで、俺の横なんだよ」

和人は少しだけそう思った。


「さて、もう少しで体育祭があります。練習頑張ってください!」

担任が言った。

「体育祭かー」

「なんだー?綾乃。そんなに嫌かー?」

「当たり前だ、竜馬。運動は好きじゃねぇ」

-まぁ、頑張るか。

和人は、そう思いながらため息をついた。


次の日、ホームルームで出場する種目が書かれた紙が配られた。

「俺は、借り物競争と二人三脚か」

「綾乃、その種目は大事だから頑張れよ!」

「はいはい。二人三脚って、誰とペアなんだ?」

「綾乃、隣の人を見てみな」

「は?・・・まさか、奈由か?」

「・・・うん」

「綾乃、嫌だったか?」

「別にいいよ・・・奈由、放課後練習するぞ」

「・・・わかった」


和人と奈由は放課後、中庭に来た。

「さて、練習するか」

「・・・うん」

和人は奈由の左足と自分の右足をひもで結んだ。

「よし、やるか」

「ねぇ、クソ兄貴。・・・身長差激しくない?」

「まぁそうだな。でも、大丈夫だろ。俺らならできる」

「・・・うん」

「よし。せーので行くぞ。せーの」

そう言った途端、奈由がいきなりこけた。

「奈由!?大丈夫か!?」

「うー・・・もう嫌だー!」

「嫌って言うなよ。ほら、練習するぞ」

和人は奈由に手を伸ばした。そして、体育祭前日まで練習した。


体育祭当日。

生徒は体操服に着替え、運動場に集まっていた。

「とうとうこの日が来たか。奈由、練習の成果見せるぞ」

「クソ兄貴、それくらい当たり前だから」

そして、体育祭が始まり1種目目が徒競走、2種目目が綱引きを行っていった。

そして3種目目、二人三脚が始まった。

「綾乃、奈由ちゃん。2人とも頑張れよ!」

「頑張ってね!和人、奈由っち!」

竜馬と瀬奈は2人を応援して見送った。


2人はスタート位置についた。

「奈由、行くぞ」

「わかった」

「位置について、よーいドン!」

合図により、たくさんのペアがスタートした。しかし、ほとんどのペアがスタートの位置でコケていた。

「よし、いい調子だ。奈由」

「うん!」

そのまま独走して、ゴールした。

「練習してて良かったな」

「だよね」

2人は苦笑いしながら、クラスメイトのいる所に戻った。

「お疲れ様。綾乃、奈由ちゃん!」

「竜馬、運が良かっただけだ」

「そっか。次も綾乃の番だぞー」

「わかった。行ってくる」

次の種目は借り物競争だ。和人はスタート位置についた。

「それては、位置についてよーいドン!」

和人は一直線に紙が置いてある場所に行った。そして、紙をめくると、


大事な人


と、書かれていた。

「大事な人って・・・」

そのとき、ふと頭の中で奈由の顔が見えた。

「仕方ないな」

そして、和人は奈由のところに行った。

「奈由!一緒に来い!」

「え!?」

奈由の手を取り、走った。ゴールまであと半分ってところで、ペースが落ちた。

「奈由!?」

「だめ・・・もう走れない・・」

「仕方ねぇ」

和人は奈由を抱き抱え、お姫様抱っこをした。

「え!?ちょっ!?」

「じっとしてろよ」

和人はゴールまで一直線に走り、ゴールした。

「お兄ちゃんのばか・・・」

「ん?なにか言ったか?」

「うっさいばか!!早くおろせ!」

和人はゆっくりと奈由をおろした。奈由は瀬奈のところに行き、

「奈由っち、良かったね!」

「・・・うん!」


こうして、体育祭は幕を閉じた。

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