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レベル17

 新しい朝が来た。

 希望の朝だ。

 いや、本当、これが夢落ちじゃなくてよかった。

 朝からクインに抱っこされた状態で目覚めて、わたしの中の幸せゲージは一瞬で振り切れましたよ。

 酒屋のシロも真っ青になるくらい、わたしベッドの中でもぞもぞして、クイン成分を補充している。

 単に吸引しているだけど。

 これじゃ、ミニーのこと強く言えないな。

「ん。おはよう」

「おはやう」

 わたし今日も絶好調。さっそく「おはよう」ゲットだぜ。

 そういえばこの身体になってから、記憶力も確実によくなってる気がする。

 基本的な精神の反応パターンとかは変わってないような気がするけれど、それでもやっぱり少女の身体になっている以上は、そのハードのスペックに準拠している部分もあるんだろうな。

 いままでのわたし、たぶんOSをXPのままだましだまし使い続けていたようなもんなんだろう。おっさんになるにつれて、だんだん新しいことが脳みそに入らなくなってくるんだよ。

 主に心理的な問題かもしれませんけどね。

 ともかく、新しいことを覚えたい。

 特にわたし、魔王うんぬんは置いておいても、言葉を覚えるにつれてレベルアップしていく仕様なので、できるだけ早く言葉を覚えたいのです。

 これはRPG世代のレベルアップ大好き症候群のひとつだといえますし、他方で単純にクインともっとうまく話せたらいいなという願いでもあるんだ。

 切実でしょ。

 クインといっしょに起きると、すでにアニーとミニーは待っていた。

『あらおはよう』

『おはよう。アニー。さすが冒険者。早いわね』

『まあね。いつもの調子で目が覚めちゃったわ』

『ナイ。おはようです。髪の毛ぴんぴんしててかわいいです』

 ミニーがわたしに朝の挨拶をしてきた。

 今日のミニーも和装だ。

 ポリシーかなにかなんだろうな。

「おはよ。ミニー」

『んー。やっぱりかわいいです』

『そうそう。クイン、朝食は勝手に用意したわよ。冷蔵庫の中適当に使ったから』

『悪いわね』

『少しは買い物しなさいよ。まあ、ナイがいるなら大丈夫だと思うけど』

『そうね。今日、買い足しにいこうかしら』

『私も次の旅の準備でもしようかしら』

『いつごろまでここにいられるの?』

『そうね。次の月はじめ。夏が本格的に到来したら、王都に出発しようかしら』

『わりと早いのね』

『クインはどうするの?』

『私は……』

 なぜだかクインがわたしを見た。

 なんでしょうか。

『この子のことも、国王陛下にご報告しなければならないかしら』

『父親に会いに来る娘を無碍にする人はいないわよ』

『それはそうかもしれないけれど。ナイがどう思われるかが少し心配』

『心配してもしょうがないじゃない』

『余計な火種にならないかしら。陛下は高齢で、一人娘はドロップアウト。いま、あそこって跡取りどうなってるのかしらね……』

『王族なんだから少しは気にしなさいよ。ひとまずは公爵家が跡取りになるとかいう話もあるみたいよ。ナイがいけば、少し混乱は生ずるかもしれないけれど、人間であるという事実が逆にいい結果につながるかもしれない。まさか王も人間を王族認定はしないでしょ』

『どっちにしろ、ナイに危害を加えるやつは、斬るです』

 ミニーが"がんばるぞい"の格好してた。

 猫耳がピクピクしててかわいらしい。

 小学生らしい前向きな姿勢といえるだろう。

 なにを決意しているのかはわたしにはわからないが。

『そうね。ナイが無害な人間だと認めてもらったほうがいいわよね』

『それもあるし。どうやってこの国にきたのかを調べる契機になる』

『そのためには、ナイには説明してもらわなくちゃダメね』

『そう。早く言葉を覚えてもらわなくちゃいけない』

『そうね。早く言葉を覚えてもらわないと……』

 そんなわけで頭撫でられました。

 なんだか寝癖を押さえつけるのも兼ねているような感じ。

 絶妙なタッチであいかわらず眠くなってくる心地よさだ。

『さ、朝ごはん食べましょ』



 朝食が済んだあとは、『いってらっしゃい』を覚えて『いってきます』を覚えた。

 わたし、どんどん成長している。

 どんどん強くなっているのを感じる。

 今日はミニーといっしょだけど、クインは家で待っているみたい。

 ちょっとだけ寂しいけど、わたしがんばります。

『おはよう。ミニーちゃん。ナイちゃん』

 ん。

 後ろから声をかけられた。

 しかし、振り向いても誰もいない。

 あ、影になっている。

 というわけで、上を向くと、声の主がいた。

 コメットだ。

 深緑の鳥羽を持つちょっと太めの女の子。

 すごく面倒見がよさそうなそんな子だ。

 しかし――、それにしても。

 なんというか、不可抗力なんですが、白いパンツが丸見えになっていますよ。お嬢さん。

『コメットおはようです。飛んでるとパンツ見えてるですよ』

『やだ。ミニーちゃん。見ないでよ』

「おはよコメットおはよ」

「あんっ。今日もかわいいよ。ナイちゃん」

 同級生にも頭を撫でられる。

 そんなに身長差はないのになぜだろう。

 べつに悪い気はしないが、よくわかりません。

 女の子どうしってそんなものなんでしょうか。

 だとすれば、わたしも友達の頭をもっと撫でまわしたりしなくてはならないのでは……。

 ダメだ。

 犯罪臭がしてダメ。

 もちろん客観的に見れば、小学五年生の女児どうしが撫であってるだけの、ほほえまシーンなのはまちがいない。しかし、わたしの心が、おっさんだった時の記憶が、NOといっている。

 やっぱり、こういうのは心の問題だと思うのですよ。

 でも、誠実にお友達にはなりたいと思っております。

 この世界でも前の世界でもそうだけど、友達はやっぱりいいものだよ。

 いくらわたしがコミュ障でも友達くらいは何人かいたし、みんな早々に結婚したり、違う土地に就職したりして疎遠になっちゃったけど、何人かはまだ連絡もとっていた。

 ちなみに未婚者は未婚者と友達になる傾向……。

 あると思います。

 非モテコミュニティだったのかな。

 ううう。

 でも、いまのわたしは違う。

 どこに出してもおかしくない小学五年生女児として、女子コミュニティに参加するのだ。

 ふんすっ。

『あ、なんかやる気になってるです』

『ほんとだ。なんでだろう』

『そんなナイもかわいいです』

『本当にかわいいよね。ちょっと反則的』

『小動物っぽいところがかわいいのかもしれないです』

『確かに。なんかこう、めちゃくちゃにしたくなるよね』

『それにいい匂いするです。心とろけちゃうです』

『それそれ。なんだかすごく食べちゃいたい感じになるよね』

 ふたりにギュウギュウされてるんですが、それは。

 よくわからないですけれど、これが女子コミュニティ。

 ふたりに潰されてわたしカラミティ。

 ふひひ。



 学校につきました。

 まだ授業は始まってないみたいだけど、ちらほら生徒達の姿が見える。

『ナイさん』

「ん?」

 話しかけてきたのは、シャーロット先生だ。

 あいかわらず、塗りつぶされた黒目がプリティな先生である。

 きっと人間基準でいうと、すごいかわいい系先生なんだろうな。

「どうしたの? シャーロット先生」

『昨日は申し訳ありませんでしたわ。授業のあと、みなさんがナイさんのもとに殺到するのを止められませんでしたの』

「?」

 この世界にもお辞儀という文化があるのかは曖昧だけど、先生がしているのはまさにその動作だ。

 なんだろう。

 謝られるようなことしたかな。

 まさか、『貴殿に決闘を申しこむ』とかの意味じゃないだろうし。

「シャーロットせんせ。ごめんなさい。どうしたの?」

『たくさんいらっしゃったでしょう』

 ふむ。

 シャーロット先生の指一本が私に向けられて。

 その指に他五本が殺到していると。

 ああ、昨日のことかなぁ。

 それは先生の責任じゃないですし。子どもは基本的に野獣と変わらないんですよ。

「シャーロット先生、ナイ、わかった」

『そうですの』

「シャーロット先生、かわいい」

 つまりシャーロット先生ポジティブなので、悪くないよって言いたいわけだ。

 わたし冴えてますな。

『ふぇぇぇ。ナイさんに褒められちゃいました』

 シャーロット先生がなんだか身もだえしてますが、た、たぶん大丈夫ですよね。

 それにしても『かわいい』とはいったい……、うごごごご。

 結果。

 頭撫でられました。

 全部の腕でやられたらどうなってしまうんだろう。

 ちょっとマゾな想像をしてしまうわたしである。

 現実のシャーロット先生は三本の腕をつかって、みんなの頭をそれぞれなでていた。

 それはそれで便利である。

 それから、先生はポケットから何かを取り出した。

 少し厚手の包み紙。両端がひねられている。手のひらに収まる程度の大きさだ。

『お詫びの品ですの。クラスのみんなには内緒ですわよ』

『いいな。飴ちゃん』とコメットがなにか言っている。

『賄賂ですの』

 おお、コメットとミニーにも同じものが渡された。

 コメットはすぐに包み紙を開いて、それを口の中に入れた。

 蜂蜜色をしたノド飴みたいな物体だ。ていうかたぶん飴そのものかな。

「ありがとっ」

 即座にわたしは感謝の意を述べる。

 いまはとっておこうかな。

 こういうアイテムはあとあと役にたつものなんだ。

 今日はワンピと違って、ポケットつきですよ。

 どんな服装かというと、一言でいえば、お嬢様小学校のセーラー服だ。

 上はセーラーカラーの襟付きの服。前止めのボタンが幼さを演出していてかわいらしい。

 下は容赦なくスカートですが、昨日のワンピースよりはかなり防御力が高い気がするので、こっちのほうがマシです。

 こうしてみると、どこのご令嬢だろうって服装だ。

 中身がおっさんじゃなければ完璧だろう。

 やべ。わたし、ぜんぜん完璧じゃなかった!



 今日の授業はみんなで外にでるみたい。

 といっても、校舎の外ってわけじゃなくて、中庭というか校庭みたいなところに行くだけだけどね。

 あいもかわらず、隣のエルフちゃんは機嫌が悪く、わたしとは一言もしゃべってくれなかった。

 その代わり、クラスのみんなとの関係はたぶん良好だ。

 最初の日みたいに、突撃することもないけれど、女の子たちはわたしが手のひらを振るだけで、きゃっと黄色い声をあげてくれる。

 たぶん、転校生が珍しい&人間が珍しいんだろうな。

 友達というよりは珍動物を見るような感じかもしれないけれど、もしも、わたしの小学校時代に、ロシアの美少女が転校してきたら、きっと同じような情景が展開されていただろう。

 そんなわけで外。

 今日もいい天気。

「お日様かわいい」

『ん。ナイもかわいいですよ』

 すかさず重ねてくるスタイル嫌いじゃないよ。

 それにしても今日は何をするのかな。

 体育かな。 

 体育だったら、体操服とかに着替えないのかなとも思ったんだけど、そうではないらしい。

 昆虫採集でもするのだろうか。

『はい。皆さん集まったですわね』

 シャーロット先生がみんなを見渡している。

 複眼だから、見過ごすということもないだろうな。

『今日は剣技の練習をしますのよ。自分の身は自分で守れるようにならないといけませんわ。特にわたくし達は、どちらかといえば、神言より身体能力が高い傾向にありますの。したがって、神言を学ぶより剣を学んだほうが自衛がうまくいくことも多いんですのよ』

『先生。ナイちゃんは人間だから神言がうまいんですか?』

 生徒さんのひとりが手をあげて質問しましたよ。

『そうですわね。一般的に私達魔族に比べて人間のほうが神言がうまいと言われていますの。だから、ナイさんのほうがうまい可能性はありますわね』

『ナイちゃんの神言見たいです』

『そうですわね。ただ、神言は万物を象る言葉により、想像界を通じて現実界を侵す神の御技。最初の言葉が発動キーになっていますから、いくら神言がうまくても、言葉が話せないと何もできませんの』

『ナイちゃん、言葉を覚えたら最強かわいいと思います』

『今もかわいいですの』

『先生ひいきはよくないと思います。でもかわいいのは同意』

『そ、そうですわね。皆さん、わたくしのかわいい生徒たちですの』


 なんかよくわかりませんが、授業が始まりました。

 みんなの動きをよく見ると、最初は円筒の筒からなにやら取っている。

 ゴミ箱みたいな円形状の鉄の筒。

 そこに木剣や木の槍やらが何本もささっていて、みんな思い思いの一本をとっている。

 ふむ。

 これは、剣道的な時間ですかな。

 もしかすると、日本伝統の剣道チートでみんなを圧倒するという展開なのでは。

 ここにいる子はまだまだ小学生といってもいい年頃の子。

 日本で十数年学んできたわたしにとって、まさに児戯に等しい。


 ……そう考えていた頃もありました!


 なんだよ。

 みんな強すぎるよ。

 さすがにミニーはヤバイと思って、普通の女の子っぽいコメットに「いっしょいっしょ」とアピールして組んでもらったのだが、コメットは余裕のよっちゃんって感じでわたしの剣をいなしている。

 わたし、両手剣状態。

 剣道のように正中線にかまえ、

「めえええええええりゃああああああああ」

 と、気合の声をあげるも

『なんだかすごく一生懸命な感じ。うふ。きゃわ』

 片手ですよ。

 片手で止められてます。

 コツコツっと剣刃に剣を当てられて、完全に接待プレイと化している。

 なんですかこれ。

 この世界の小学生ってみんなスペック高いんですか。

 コメットは鳥人間なので、たぶん本当は空を飛びながらのヒット&アウェイ戦法が得意そうなのに、空を飛んですらいない。それどころか鼻歌うたいながら剣をあわせてる。

 まだまだ早くできますよ的な。

 いちおう、ミニーみたいに見えないってレベルじゃないけれど。

 なんだろうこの身体能力の差。

 これが神様が言っていた魔族の力ってやつなのか。

 わたしのほうはというと、剣を何度か振るっただけで、もう息があがっている。

 最初のほうこそ、女の子の身体に当てたらいけないかなと思って、ゆるやかに振ってたけれど、いまはもう全力ですよ。ええ。

『せんせー。ナイちゃんがなんだか死にそうな感じなんですけど』

 余所見してる。

 さすがにひどいよ。

 むぅん。

 不意打ちというより、余所見をしているという行為に対する非難として、わたしは一番当てやすそうなところ、すなわち小手を狙う。

 が、ダメ。

 余所見したまま、剣でいなされ、くるくるまわされ、わたしの剣はあえなく宇宙遊泳とあいなりました。

 あああああああ。

『しょんぼりしてるナイちゃんかわいい』

 体力不足を痛感するわたしでした。

「ありがと。コメット……」

 そのまま、端っこで体育座り。

 正直疲れました。

 自分なりにがんばったんですけどね。

 そうやって端に座ってみんなのことを観察していると、みんなわたしなんかよりずっとはやーい!

 体力もわたしがたぶん最弱。

 わたしが勝てる要素なんて初めからなかったみたいです。



 そして――、

 校庭の端では、ミニーとエルフちゃんが対峙していた。

 なんだかすごい気迫がここまで伝わってくる。

『ナイのこと悪く言うのやめてもらえるですかね?』

『私が人間に何をしようと私の勝手でしょう』

『いい加減。おまえのこと大嫌いになってきたですよ』

『ふん。そもそも私はあなたのことが嫌いです』

『いい度胸です。ボクの強さ見せてやるですよ。ハンデあげるです。お前から来るです。ボクからは打ちこみませんから遠慮なく来るといいです』

『そういう余裕を見せつけようとする態度が気に入らないですね』

 なんだろう。

 二人とも仲が悪いな。

 言葉の意味はわからないでも、ピリピリした雰囲気が伝わってくる。

 わずか一日で仲が悪くなるなんて、いったい何があったのだろうか。

 って――。

 もしかするとわたしが原因かな。

 なぜかはわからないけれど、エルフちゃんはわたしに対して敵意を抱いているようだし。

 想像するに『人間はエルフちゃんにひどいことしたよね』ってことなのかもしれない。

 いや、わからないけれど。

 この国にそもそも人間いないしな……。

 それにしても、ふたりとも本当に小学生かよって思うほど堂にいっている。

 エルフちゃんは腰を少しひねった体勢で槍をかまえている。その腰がきゅっと引き締まった感じと、生足をみせつけてくるところが、ある意味かわいさの暴力。

 ミニーはいつもどおり木刀を構えている。

 こっちはゆったりとした姿勢で、地面につきそうなくらい木刀をおろしている。

 当然、姿勢としては戦闘的ではないけれど、たぶん、自分の速さに自信があるんだろうな。

 戦闘は唐突に始まった。

 始まりはエルフちゃんの一撃からだった。

 まさに裂帛の気合。

 弾丸のような勢いで、エルフちゃんが突きを繰り出す。

 しかし、ミニーのほうが当然の権利のように速い。

 車のワイパーのように、ろくな力もこめず、わずかに剣刃を動かすだけで軌道をずらした。

 しかし、それもブラフだったようだ。

 エルフちゃんはそのままの勢いで、くるりと反転し、ミニーの剣のないがら空きの身体を狙った。

 身体をばねのように使って、加速する穂先。

 己自身をコマのように回転させた一撃が、ミニーの無防備な頭を狙う。

 しかし、わたしは見た。

 見てしまった。

 ミニーは、せせら笑っている。

『遅すぎるです』

 ミニーは槍の穂先に剣の"頭"と呼ばれる部分を当てていた。

 わかりますか。

 ミニーが当てているのは刀の持ち手の部分。その天頂だ。

 信じられない技量といってよかった。

 エルフちゃんの顔がわかりやすいように歪んだ。

 自分の劣勢を知ってか、あるいはミニーの超絶といってもいい強さを知ってか。

 それはわからない。

 しかし、こういうふうに冷静に観戦できるのも、二十メートルくらい離れて見てるからであって、この距離でギリギリ軌道がわかるかなといった強さだ。

 はっきり言って、前世の剣道やフェンシングのプロ選手よりもたぶん強いよ。

 筋肉とか体つきは少女って感じなのにね。

 たぶん、筋肉の質が違うか、魔法かなにかの超パワーが身体中をめぐってるんじゃないかな。

 よくわかんにゃいけど。

 ミニーの素敵すぎる邪悪な笑顔。

『ほらほら、どうしたですか? そんな実力では人間を倒せないですよ』

『……調子にのらないでください』

 槍と剣の応酬が続く。

 しかし、もうなんだか消化試合って感じなのかな。

 ミニーの顔には笑みさえ浮かんでいる。

 なんだか楽しそうな感じだ。

 この試合を決闘ではなく、楽しいゲームかなにかのように感じているのかもしれない。

 それくらい実力が開いている。

 実際、エルフちゃんのほうには既に疲れが見え始め、肩で息をしはじめた。

 なんだか親近感が湧く。

 体力ない組として、仲良くなりたい。

 エル友ゲットしたいんです。本当に!

『まあ、確かに……。その年にしては強いほうだと思うですよ。でも、それだけです。単にちょっと槍使いがうまい程度。ボクの足元にも及ばないです。いい加減、自分の傲慢さに気づいたらどうですか? ナイのことをただ人間だというだけで貶めているお前では、一生ボクには勝てないですよ』

『そう……ですか』

 エルフちゃんの怒気がここまで伝わってくるようだ。

 まるで、凶悪な獣のように、ミニーを睨みつけている。

 そして、一瞬の視線交差。

 わたし、やっぱり睨まれてるのかなぁ。

 その切れ長の眼がわたしを捉えていた。

 そう思ったのも一瞬、エルフちゃんは爆発的な勢いで地面を蹴った。

 反射的にこっちに飛び掛ってくるかと思ったくらいの、必殺の一撃は、しかし、ミニーにはまったく届かなかった。うちおろしの一撃で槍は打ち落とされ、その一瞬の空隙を、ミニーはみのがなさい。

 無情の一撃。

 終わったぁ。エルフちゃんを襲う痛みに、わたしは思わず目を逸らしてしまう。

 しかし――そうはならない。

 なにが起こったのか、ミニーは一瞬で一メートルくらい後退していた。

 そしてわたしはようやく把握する。

 エルフちゃんの手のひらには大きな火のカタマリ。

 火というより炎。

 エルフちゃんは『着火』を唱えていた。

 いや、着火ではないのかもしれない。その規模からすれば、たぶん『炎』に相当する言葉だろう。

 これって、反則なんじゃないですかね?

 神言って、いまの授業使っていいの?

 周りが少しざわついていることから、たぶん、まちがいない。

『勝てないと知って、神言に頼りますか。おまえはどこまでも卑怯者ですね』

『うるさい。私は……誇り高きエルフの戦士だ。だれにも負けない』

『おまえの誇りは地に落ちたですよ。気づかないですか?』

『うるさいと言っている!』

『声を荒げればそれで済むと思ってるですか? はっきり言っておまえが嫌っている人間のほうがまだ見所のあるやつが多かったですよ。エルフって最低の種族ですね』

『貴様っ。エルフを愚弄するなあ!』

 なんだか知らないけど、むちゃくちゃだよ。

 たぶんミニーが挑発しているのか、エルフちゃんめちゃくちゃ怒ってますやん。

 シャーロット先生は、止めてくれないの?

 すぐに起き上がって周りを見てみると、シャーロット先生は四本の腕を使って、なにやらバリアのようなものを張っていた。周りの生徒はいつのまにか退避してるし、どうしたらいいか混乱していると残ってる腕でわたしも呼ばれた。

 とりあえずそちらに向かって駆け出す。

『炎よ。連弾となりて敵を穿て! ファイアバレット!』

 おかしいな。

 背後が妙に光ってるんですけど。

 ちらっと後ろを振り向いたら、バスケットボール大の火の玉がいくつも飛来していた。

 もちろん、数十くらいはミニーに向かっている。

 でも、これ完全に戦争ですから。

 祖国。祖国ぅ。

 すんでのところで、先生のもとにたどり着き、わたしは難を逃れた。

 半透明のバリアは、選択的透過性を持つようで、わたしはすんなり領域に入れたのでした。

 モスグリーン色したヴェールのような……なにこれ?

 完全にバリアかシールドといった感じ。

 もちろん、炎のいくつかが飛来しても完全に防いでいる。

『先生、とめなくていいのー』

 コメットちゃんがなにやらのん気な声で言ってる。

 わたしにも一瞬で理解できたよ。

 止めなくていいのか聞いているのだろう。

 不思議なことに校舎に当たっても炎は掻き消えているので、なんらかの魔法が建物にはかかっているようだけど、このままだと炎上とかしそうで怖い。

 周りは既に火だらけで地獄のような様相をなしている。

『あんなの止められるわけありませんの……。エルフの神言は人間についで最強クラスですのよ。わたしではまったく歯がたちませんの』

『ええー。ミニーちゃんが危なくないですか』

『いや、あの子……おそらく近衛騎士に匹敵する実力の持ち主ですわ。たぶん大丈夫ですの』

『確かに炎弾全部よけてるけど……』


 ミニーとエルフちゃんの戦いは続いている。

 こんな状況になっても、ミニーは余裕の表情を崩していない。

『ようやくまともな戦いになったです。それでもボクのほうがだいぶん強いですが』

『ファイアバレット!』

 指先から、炎の三連射。

 もう完全に魔法だ。

 わたし、こんな状況でもワクワク感を覚えちゃってます。

 ミニーのことは心配だけど、どこか彼女には絶対の自信があって、だからわたしも安心しているんだろうな。

『さあ、第二ラウンドです!』

 ミニーの足元が爆散する。白い濛々とした煙があたりに巻き起こり、穿たれた地面から嫌になるほど大量の土のつぶてが飛散する。

 ミニーは片腕で目を守っていた。

 いくら速くても、あんなに広範囲の攻撃をされたらさすがに守りようがない。

 ミニーの視界が奪われたのは、わずか数秒程度だが、しかし、その隙をエルフちゃんは逃さない。

 的確な炎の射撃。

 しかし、ミニーはそれでも避ける。

 まるで、炎の出所がわかっているみたいだ。

『熱ですね。たぶん、ミニーちゃんは熱で感知してるんだと思いますよ』

 うん。コメットが何か言っているけど、わかんないや……。

 ともかく、ミニーには致命の一撃を当てることはできない。

 今度はミニーの番だ。

 いつのまに接敵したミニーが横なぎに木刀を振るう。

 エルフちゃんはギリギリこれを槍で受ける。いままでのように、槍で積極的に攻撃するというよりは、槍はもっぱら防御に使って、攻撃は神言を使うというふうに使い分けているみたいだ。

 さすがに防御に徹すると、ミニーも攻撃に時間がかかるようで、その隙にエルフちゃんは炎の弾をいくつも空中に浮かせている。

 やっぱり炎というのはかなり防御スクリーンとしても有効みたい。

 あれだけ広範囲にぶちまけられると、いくらミニーが素早く動いても、避けるためには大きく後退するほかない。つまり、あの炎を前面に展開する限り、槍とあわせて防御効果がかなり高いものになっているようだ。

 ミニーの額からは一筋の汗。

 こちらでは感じないが、たぶん相当熱いんだろう。

 ああ……、いまなら、プリキュアを応援する幼児の気持ちがわかる。

 わたしは両手を組んで、女神様に祈った。

『炎の弾よ。敵を穿て!』

『ワンパターンすぎるです!』

『そこですっ』

 再び地面に炎の弾がぶち当たり、あたり一面を煙が覆う。

 ミニーの影が動いた。

 たぶん、もはや視界なんて関係なく打倒するつもりなんだろう。

 見えないのは同じ。

 だったら、勘が鋭いミニーが有利か。

 と、煙が晴れた。

 そこには、エルフちゃんの首筋に剣刃をあてた状態のミニーが立っている。

 ミニーの勝ち――。

 そう思ったのだが、しかし、その姿のまま、ミニーは固まっていた。

 なんだかおかしい。

 腕が石のようなもので覆われている。

 初めてミニーの顔が痛みに歪んだ。

 あんな重いものをつけていたら、さすがに神速の動きはできない。

 おそらく、あの煙にまかれた一瞬で、別の神言を唱えたのだろうと思う。

 ずっと炎の術をつかって、それしかできないと思わせておいて、ここぞというときにデバフをかけるとか、エルフちゃん、とっても孔明してるな。

 まあ、ミニーがそうだとは言わないけれど、基本的に侍ガールって脳筋だしな……。

 でも、やばいかもしれない。

 ミニーがもがいているけれど、さすがに隙が出すぎているよ。

 それにそんなにあきらめなかったら、エルフちゃんも追撃するほかなくなる。

 既にエルフちゃんの手のひらには大きな火のカタマリが轟々と燃えている。

 あたればただでは済まないように思える。

『こんなもの、すぐに解除できるですよ!』

『何秒でできるんですか?』

 エルフちゃん、マジ冷ややかな瞳。

 そして、聞く人が聞いたらマジご褒美ボイス。

『やってみるですよ。そうしないと納得しないですよね。互いに』

『確かに、その点は同意です』

 ほとんど刹那の瞬間、エルフちゃんは炎を容赦なく投げつける。

 ミニーはわずかの逡巡もなく、そこにつっこんだ。

 危ない。

「ミニー!」

 わたしの叫びすら上書きするほどに、ミニーは吼えた。

「痛くないにゃー!」

 石に覆われた腕で炎をガードし、利き腕と反対に持ち替えた刀で袈裟懸けに切りつける。

 意表をついたミニーの攻撃に、エルフちゃんはまったくガードができず、数メートルほど吹っ飛んで、ごろごろと地面を転がった。

 すごすぎる……。

 うわ少女強い状態なんですが。

『ぐぐ……まだ』

 エルフちゃん、あんな強打を受けても立ち上がろうとしている。

 こちらはこちらで、精神力が半端ない。

『いい加減しつこいです』

『私は誇り高き……エルフの長の娘。人間に下げる頭はない……』

『そんなこと誰も言ってないです。ナイが一言でもおまえに謝罪を求めたですか? ナイはお前と友達になりたいだけですよ! そんなこともわからないですか!』

『わかりません。なぜなら人間とは……滅びを望む種族であるから』

『だったら、ナイを見ろです。人間ではなくナイを』

『そんなこと私にはできない。あいつらは……、人間は既に物言わぬむくろに成り果てていた母様に何度も槍を突き立てていたのだ。戦士としての誇りを陵辱し、あまつさえ笑いながら、何度も、何度も……』

『そんなの関係ないです。おまえがどう考えようと、それを人間というグループで囲うのはまちがってるです。ただ悪人がいて、善人がいる。それだけです。それだけの単純な哀しい事実があるだけですよ。おまえはただ見ているだけだった自分のことが許せないだけではないのですか?』

『そうだ。許せない。何もかも許せない。人間も私もこの世界も嫌いだ。それの何が悪い。私は……、私達は平和に暮らしていただけだ。この世界に人間という種族がいなければ、私は何も知らない無邪気な子どもでいられただろう』

『だから、それはおまえの事情であって、ナイの事情じゃないです!』

『人間は――滅びるべき種族です』

『話が通じないにゃぁ。こいつは!』

『汝が敵を石と成し、拘束の楔となれ。ペトリファイズ!』

『くっ。話してる途中ですよ』

『私とは話が通じないんでしょう。クソ猫』

『油断したボクが悪いですか。このっ。性悪エルフ!』

 ま、まずいですよ。

 なにやら話してる途中に、いきなり神言を唱えたのか、ミニーは避ける暇もなく、両手両足に石がまとわりついている。もう完全に鉄腕アトムみたいな状態だ。

 エルフちゃんは容赦なく神言を唱え、魔法陣のようなところからいくつもの炎弾を生じさせる。

 ミニーの心は折れないけれど、さすがに誰か止めて。

 いや……。

 違う。

 わたしだ。

 わたしが止めなきゃ。

 たぶん、わたしが原因なんだから。

 エルフちゃんの名前も知らないけれど、友達になりたいって思ってるんだから。

 未来の友達と現友達が喧嘩しているところなんて見たくないよ。

 傷つくところなんてもっと見たくない。

 わたしは駆け出す。

 たいしたことない速度だけど、言葉が届く距離にさえ到達できればいい。

『人間……邪魔をする気ですか』

『ナイ。きちゃダメです』

 いくつもの炎の弾丸が間近に迫った。

 あつっ。熱いって。

 これ、絶対まともにくらったら丸焼けになっちゃう。

 でも、わたしはすごい魔法が使える幼女なんだ! 神様が言ってるんだから間違いない!

「消火!」

 ひときわ大きな声でわたしは唱えた。

 どこをとか、そんなことを指定することはできない。そもそも言葉を知らないし。

 がむしゃらに、目の前の炎が消失するイメージを持って唱えただけだ。

 すると、いくつも飛来していた炎の弾は、瞬間的に掻き消えた。

『なっ。なぜ、私の神言が消えて』

 エルフちゃんが身体をびくりと震わせる。

 わたしのほうは緊張が解けて、へなへなと地面に膝をついてます。

『戦いのときに、そんなことを考える暇なんてないですよ』

『う。嘘だ。人間が私の神言をたった一言でかき消すなんて……』

『事実から目を背けるのもマイナスポイントです』

 ガシャリという大きな音をたてて、ミニーにまとわりついていた石が地面に落ちる。

 魔法は解除された。

 そして、悠然と歩を進めるミニー。

 対するエルフちゃんは少しおびえてるな。

 ミニーは感情の消えた表情で、剣を振り上げる。

 って、やべえ。

 待ったぁ!

 ほとんど腰がひけていたわたしは、もはや体裁もなにもなく、単純にミニーの腰にまとわりつくしかなかった。

『えうっ。どうしたですか。ナイ。こいつは一度痛い目を見たほうがいいですよ。人間が世界を滅ぼすとかいいながら、この惨状を見るです。こいつのほうが世界滅ぼしそうです』

「ミニー。だ、ダメ」

『ダメですか? ボク、今ものすごく正義の味方してる気分なのです。まあそんなの今のナイがすがってくる状況に比べたらだいぶんどうでもいいことなのですが』

「ダメ?」

『う、そんなつぶらな瞳で攻撃してくるのずるいです。ナイが精神攻撃してくるです』

「ミニー好き。ダメ?」

『うう。ナイが完全に悪女になってるです。でも……わかったですよ』

 おお。

 ようやく刀を下ろしてくれたよ。

 わたしもいっぱしのおねだり技術を手に入れたようですな。

 いろいろとはかどります。

 エルフちゃんは相変わらず、ギラギラさせた瞳でこちらを見ていた。

 ミニーは刀を納めながら、にらみ返した。

『なんですか。もう戦いは終わりですよ』

『ふん。そんなのわかっています。負けてはいないですからね。この人間が邪魔しなければ私が勝っていました』

『こいつはやっぱり大嫌いです』

「ナイは好き……」

『はぁ? ナイ。それは少しよくない趣味です。こいつの性悪なところちゃんと見てたですか?」

 肩をがくがくゆするのやめてくだしあ。あがが。

 まあね。

 わたしもわからんでもないですよ。

 これだけ凄絶に戦ったあとに、河川敷で殴りあったライバル同士みたいに仲良くなるなんて現実的にありえないし、ミニーは少なく見積もっても、エルフちゃんのことを危険人物として捉えているだろう。

 そんなエルフちゃんのことを好きっていっちゃうわたしは、自重が足りないかもしれないな。

 でも、それでも――ね。

 それでもエル友ゲットしたいんです。

 容姿がかわいいっていうのもそうだけど。

 それもあるんだけど。

 なんというか、瞳の奥にある寂しさみたいなものが、わたしに似ていた気がするから。

 だから、わたしはエルフちゃんに近づいた。

 エルフちゃんはもはや立ち上がる気力もないのか、右手で胸のあたりをかばっている姿勢だ。

 本当にこの子ってくっころ属性高いよな。

 いや、いまはそんなことよりも……。

 わたしは膝を地面につけて、ゆっくりとした口調で聞いた。

「名前。教えて……」

『はっ。負けた私に対する哀れみですか。』

「名前教えて? ダメ?」

「……」

 にらまれている。

 小動物が必死になって自分を守ろうとしているみたいだ。

 さっきまでの戦いを見ていたら、私のほうが百倍は弱いし、そんなことを思うほうがおこがましいけれど。今の目の前にいるエルフの少女は、ぼろぼろに弱っているように思えた。

『キアです……』

 ぼそりとつぶやかれた言葉は、はっきりとわたしの耳に届いた。

「キア?」

『そうです。キア・クォンセット・ニューズといいます。いいですか。エルフは誇り高い種族ですから、名乗りを請われたら答えるのが礼儀とされているのです。だから名乗った。ただそれだけです。わかりますか人間』

「友達。キア。友達。ナイ友達」

『勘違いしないでください。私はあなたと友達になる気はありません』

「んー」

 NOってことかな。

 やっぱり嫌われているのは確実みたいだ。

 さすがにこの状態の子と友達になるのは無理だと思う。

 エル友ゲットはまだ遠いみたいだ。

 まあしかたない。無理やり友達になるっていうのは、意味わからんしな。

 こういうのはお互いの気持ちが大切なんですよ。

 そうだ。とりあえずお近づきの印に。

 さっき先生にもらった飴だまをキアに握らせる。

 渡すときにわずかに身じろいだ気がしたが、もはや抵抗する気力も体力も残っていたのか、それとも単純にそれがなんなのかわかって拍子抜けした形になったのか、わたしの手からキアの手のひらの中に納まってくれた。

 キアはきょとんとした表情をしていた。

 がんばってくれ飴だまくん。

 少しでもキアの印象をよくするんだ。

 ええ、まごうことなき賄賂ですよ。

 いまは友達になれなくても、いつかはきっとなれますよね。

 もうわたしは彼女の名前を知っているんだから。

 キアと友達になりたいと、わたしは神様の言葉で願ったのだから。



  覚えた言葉

『ナイ』『クイン』『名前』『はい』『いや』『倒れる』『アニー』『どうしたの』『料理』『着火』『消火』『水』『おいしい』『好き』『ここ』『葉っぱ』『空』『お月様』『卵』『お日様』『あおむし』『おなか』『ぺこぺこ』『りんご』『梨』『すもも』『いちご』『さなぎ』『ちょうちょ』『タルサ』『ミニー』『ごめんなさい』『友達』『ありがとう』『わかる』『いっしょ』『オベロン』『またね』『おかえりなさい』『ただいま』『外』『眠たい』『ダメ』『教える』『ランドルフ』『お風呂』『海』『おはよう』『いってらっしゃい』『いってきます』『キア』


ようやくここにきて役に立つとか遅すぎませんかねー

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