おとぎ話『叡血の魔導書』
『むかしむかしあるところに一人の少女がいました。
その少女はお爺さんと山で静かに暮らしていました。
お爺さんはその少女をとても可愛がり、いつも笑顔が
絶えない、そんな幸せな生活を送っていました。
ですが、あるときその生活が一変しました。
お爺さんが死んでしまったからです。
少女は毎日深い哀しみにつつまれました。
そしてさらに悪いことが少女に襲いかかりました。
お爺さんの死を知り、隣の国が攻めてきたのです。
実はお爺さんはその国の英雄的存在で他国への抑止力となっていたとか・・・
しかし、そんな難しいことはまだ幼い少女にはわかりません。
ただ、懸命にひたすら敵国の兵から逃げ続けました。
そして、逃げ続けるうちに少女の姿が変化していきました。
髪は流れるように美しい黒髪に、
目はすべてを怨むような深い緋色に、
黒い羽根が生え、犬歯がのびて、
そして手には真紅に塗られた分厚い本が抱えられていました。
少女はそのまま空の彼方へと飛びだっていきました。
少女が何処に向かったのかは誰にもわかりません。
ただ少女が飛び去った後の大地にはシオンの花が咲き乱れていたそうです。
オラシオン王国昔ばなしより 』
受験終わったら本編書きます
それまで小話を書くかもです