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魔法の適性

名前が似ている人がいたのでメインヒロインの名前をラメアに変更しました。申し訳ありません。

「よし、後片付けもしたし、ギルドとやらに行こうと思うのだが」


朝食を終えて食器などを洗って一息ついた所だし次のステップに進みたい。


「そうですね。では行きますか」


俺たちはラメアさんの家を出て、ギルドに向かって移動を始めたのだが、この街は本当に俺のいた所とは違うな。なんと言うかよくあるファンタジーに出てきそうな街だ。本当に異世界なのだと実感できる。

ギルドはそこまで遠くはなく、体感時間だが、20分程度でついた。


「私は取り敢えず、フウヤさんがこの世界で暮らすのに必要そうな物を買い集めてますね」

「い、いやそれは悪いですよ。俺はこの世界のお金は持っていませんし」

「大丈夫です!こう見えて少し訳あってけど、かなりお金は持っているんですよ。それにこれから一緒に暮らす仲じゃないですか」


言い方に少し問題になりそうな物があった気がしたが、ここはお言葉に甘えさせて貰うか。お金が貯まったら返して行けば大丈夫だろう。


「それじゃあ頼むよ」

「はい!じゃあ私は行きますね」



そのギルドとやらに入ると、なんというか役所みたいな感じになっており、受付で順番待ちをする様だ。


「只今少し混み合っている為、受付で番号札を配布しています」


ここの従業員らしき人がそう言って番号札を配布している。

そこで番号23番の札を受け取って改めて周りを確認すると、順番待ちしている人の半分以上が武器を持っている。

なんなんだろうか?暇なので本棚の本を1冊取ってみた。


うん、ここに来る前に薄々感づいてたけど、異世界だからか日本語なんて使われている訳もなく、見た事のない言語で書かれておりその文字を読む事は出来ない。

会話は普通に成立しているのに文字や文法が違うのか?法則性とか見つけられるかもしれないし兎に角読んでみるか。後で教えて貰うにしろ基礎があって損ではないだろう。


そうして文字に集中してみると、何故だか断片的ではあるが書いてある内容が分かった気がする。いや、意味が頭に直接入ってきたと言うべきか。一体どうゆうこと何だ?

やはり文字その物を理解した訳では無いのだが……。

ま、文法が、わかるかもしれないし、もう暫く読んでいるか。


あれから物は試しと本を読み進めていたのだが、内容を読み取る度に段々と体から力が抜ける様な感覚があるな。

そんな倒れたりする程では無いが余り長く続けているのも危険だな。ここらで止めておくか。因みに内容はおとぎ話の様な物だったが中々楽しめた。


「番号23番の方、5番カウンターにどうぞ」


お、俺の順番が回ってきたようだ。言われた通り5番カウンターに腰を下ろす。


「こんにちは、ご用件は何でしょう?」


担当らしき女性従業員が質問をしてくる。


「身分証を作りに来たんだが」

「身分証ですか。では彼方の部屋で待機していてください。代わりの者が改めて担当いたしますので」


そう言われ、指示された部屋で待機していると、部屋の中に1人の男性が入って来た。


「貴方が身分証作成をしたいという方ですね。パッと見た感じだと異世界からいらっしゃった方ですかな?」

「ああ、そうだが、そんな言い方をするって事は他にもこの世界に違う世界の奴が来ているのか?」


「おお、やはり思った通りでした。質問に答えると、はい、そうですよ。この世界に時々、異世界の方がやって来るのです。まぁ、本人が来たくて来たって人は聞いた事がありませんが。そんな方々が比較的安心して暮らせる様に当ギルドでは、冒険者としてではありますが身分を証明できる物を発行してるのですよ」


そうゆう事なのか。俺以外にもこの世界に来てしまった人はいるって事は、もしかしたら同じ日本人にも会えるかも知れないな。


「さて、申し遅れましたが私は冒険者部門兼異世界人部門担当のイルザ=エルクスと申します。気軽にイルザと呼んで下さい」


なんていうか、見た感じ40代前半、体型は少し細めで、顔つきはかなり良く、なんと言うかダンディーな感じだ。


「俺はくーー」

「いえ、自己紹介していただくより、これで見た方がが早いです。この水晶に手を乗せて下さい」

「この水晶は?」

「これは触れた人物を解析、つまり名前や年齢、犯罪歴などのその人についての情報を知る事が出来る物なのです」


それは便利だな。犯罪歴とかも分かるなら出来る事も多そうだ。


「どんな仕組みなんだ?」

「詳しく話すと大変なので、魔法のアイテムって事で取り敢えず納得していただけませんか?」

「わ、分かった」


多分ここに食いついても教えてはくれないのだろう。ま、興味本位で聞いただけだから良いんだけどな。


「余談ですがこれ、とても高い品なんですよ。ささ、手を乗せて下さい」


そう言われ差し出された水晶に手を乗せる。すると水晶の中から何か出てきた。


「えっと、名前はクレバシ フウヤさん、職業は探偵?をやっていたと。犯罪歴は……ないようですね」


そこから俺の個人情報をペラペラと喋っていく。なんか納得いかない所もあるが気にしたら負けだ。


「問題は無さそうですね」

「じゃあ証明書を発行して貰えるか?」

「はい、ですがその前に知っておくと良い事があるんですが、聞きますか?」

「何だ?」

「水晶解析の結果、どうやらクレバシ殿は魔法の適正があるようなのです」

「魔法の適性?」


エルクスさんの話によるとこの世界の人々は内装量こそ人によって其々だが、魔力を体に宿していているらしい。しかし、それを魔法として具現化して使うには適性が必要との事。どんなに魔力が大きかろうと、適性の無いものは魔力を魔法として形に出来ない。そして、その適性は基本的に生まれた時に決まるらしく、後特性の者もいない事は無いが、ほぼいないに等しいのだという。その適性が俺にあるのだとか。


で、魔法の属性はいくつかあるが、その使える属性も適性により決まるらしい。


「因みに適性者はさらに自分の伝えたい事を言葉に魔力を乗せて相手に直接伝える、また、相手の言葉の意思を読み取る事が無意識的に出来るのです。つまり相手の使っている言語を知らなくとも会話が可能なのです。まぁ、これは適正を持って無くとも魔力が身体に馴染んでいる種族、具体的にエルフなども出来ますが」


と言うことは、元々知らない言葉で喋っていて、今までラメアさんとかと会話が成立していたのは、俺が適性者だったって事なのか?


「ですから、時々異世界の方がこの世界に来た時は基本的にに、魔法の適正を持つものやエルフなどの種族、又は同じ異世界の方に会う事が出来なければそのまま死んでしまう事もあるのです」


なんと言うか、適性に色々救われているな。


「で、俺はどんな属性の適性を持っているんだ?」

「どうやら、魔力操作と分析の魔法適性があるようですね」

「魔力変化に解析?」

「魔力変化は体内の魔力そのものを操り、魔法を発動したり、魔力を物質化する事が出来る適性です。分析は、自身や相手、物の情報、状態を知る事ができ、より力を強めれば、魔法も分析出来るのですよ。また、副次的な要素で、情報の整理や書物などの書き物に書いてある事も大体理解出来る様ですよ。因みに魔力操作も分析も少々特殊で、適正を持つ者もとても少ないのですよ」


分析か。割と便利なんだろうか?使えて損は無いだろうし、魔法の使い方とかも教えては貰えのだろうか?


「魔法の使い方って教えて貰うのとは出来ないか?」

「別に良いですよ。じゃあ、分かりやすい解析の方から行きますね」

「ああ、よろしく頼む」

「まず、身体の中の力を意識意識してみて下さい」


言われた通り、意識を強く意識して見るとなんか、身体の中に暖かい力の様な物を感じ取れた。


「感じ取れましたか?」

「何と無くではあるがな」

「ではそれを心の手で練り、形作るのですが、今は自分自信の状態を表すイメージを持ってやってみて下さい」


心の手と言うのはよくわからなかったが、どうにか形を作る事は何と無く出来る気がする。試しにやって見ると頭の中に、最終的な完成像が浮かんで来た。


「うわ!なんだこれ!?」


出来上がった魔法を使用した瞬間に、視界にパソコンで言うディスプレーの様な物が現れる。そこには俺に関する情報が載っていた。


「どうやら成功したようですね。簡単な魔法は魔力の消費は大きいですが、無意識でも使用可能ですよ。」

「ああ、しかしいきなり出てきたから驚いた」


因みに消える様に意識して見たら消えていった。


「今の魔法は、先程の水晶に刻まれていた物と同じ物ですよ」

「水晶には魔法を封じて置けるのか?」

「はい、水晶だけではなく宝石なども似た事ができ、こう言った物を作れる人物は重宝されるのです」


ふむ、機会があればやってみたいな。


「さて、次は魔力変化の方を使ってもらいますか。今度は、魔力で障壁を作るイメージでやってみて下さい」


さっきみたいに障壁をイメージしてみる。すると魔法の完成像の他に、魔法名と出現場所の指定が出来る様だ。


「上手く行っているのなら魔法名などが頭の中に浮かんでくるはずです。それを口にだしてみて下さい。出現場所はイメージすればOKです」


じゃあ出現場所は胸の前でいいか。


「『マジックサプレート』」


すると胸の前で半径30センチ程の半透明な障壁が現れた。

障壁と言ってもそこまで厚さは無いみたいだ。


「おー魔法の使い方を知って間も無いのにこの飲み込みと魔法完成までの速さ、しかもこの障壁、中々の強度を持っているって事は魔力を練るのが上手いのでしょう。これは将来が楽しみな人だ」


出てきた障壁を叩きながらそんな事を言っている。試しに俺も障壁を叩いてみる。

う、硬い。少し手がヒリヒリする。でもこれ、どうやって消すんだ?などと考えると、スッと障壁は消えていった。どうやら俺が消えろと思う事で消す事が出来るっぽい。


「この様に基本的に魔法は、魔法名を声に出すことで初めて発動できるんですよ。それよりフウヤさん、良かったら魔術師の道を歩んでみませんか?貴方には才能がある。ちゃんと鍛えればかなり上位の魔術師に慣れるかも知れませんよ!」


魔術師か、確かになってみたいとは思う所はある。だがやっぱり。


「俺は他にやりたい仕事があるんだ。まずはその仕事がこの世界でも出来るか試してみたい。魔術師になるかどうかは、それをやってみてから考えたい」

「そうですか、分かりました。しかし魔術師になりたくなったら私の所に来て下さい。こう見えて私、魔術師の世界では結構名が通ってるんですよ」


ん?じゃあなんでギルドで仕事してるんだ?あんまり気にしても仕方ないか。



その後はこの世界の金銭や多少の歴史、魔物の事を教えて貰った。そしてギルドの受付があった部屋で発行が出来るまで待機しいろとの話だったので、待ち時間の間本を読んで待っていた。

魔法や魔力を理解して改めて読むとさっき文字が読めたのは、無意識に魔法を使っているのが分かる。

とは言え魔法を理解せずに使うと理解して使うより、かなり多くの魔力を消費してしまうと言っていたが、あの体から力が抜ける感覚は魔力を一気に使い過ぎた所為なんだろうな。実際今、読んでいても、そんな感覚は襲ってこなかった。


「フウヤさん、お待たせしました」


イルザが何やら分厚い本を持って、俺に呼びかけている。なんだその本は?


「はい、冒険者カードが完成しました。どうぞ」


そのカードには俺の名前や年齢、そしていつ撮ったのか知らないが俺の顔写真などが載っている。そもそもこの世界にも写真があったのか。


「その分厚い本はなんなんだ?」

「これは魔術書ですよ。魔法について色々載っている本です。これをフウヤさんにお渡ししようと思いましてね」


その分厚い本は二冊あり、それを俺に手渡してきた。う、結構重い。


「書いてあるのは魔法の概念で、その為魔術書の内容は属性によって違うんですよ。皆、それをベースに魔法を覚えていくのです」


ペラペラと軽く見てみると、魔力をどんな風に導きどんな形にしていくのかなどが書いてあった。これも覚えなくちゃいけないのか。


「魔法は想像力に大きく影響されます。発想を変える事で、元が同じ魔法でも効果そのものが変わる事もありますし、魔法で出来る事も貴方次第なのです。フウヤさんなら直ぐに自分なりの魔法を作ることでしょう」


会って間も無い人にこんな褒められるのも不思議な感じだ。


「じゃあこれは有難く頂く。今日は色々と助かったな、ありがとう」

「いえいえ、私が魔法を教えたのは貴方に興味を持っただけですよ」


そんなこんなで此処での用事が済み、ラメアと合流する為ギルド後にした。

なお、魔術書を街で見かけてその値段の高さに驚いたのはまた別の話である。


久々に更新出来ました。これからは頑張って更新していくのでよろしくお願いします。

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