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第九話 告白-コクハク-

今回は愁サイドで書いてます。

お楽しみ下さい♪

………俺何があったのか良く分かんねえんだ。

でも一つだけ分かる事。

それはアイツが泣いていた事。

俺の腕を振り払って走っていった。

後から克が走っていったのをただ見るだけで。


何も出来なかった。

泣いてるアイツを抱きしめることも。

好きだって言う事も。

コイツのせいだ。


一時間前―――


「確か五時だよな…」


時計を見ると四時だ。

あと一時間ある。

何しよう…?


ゾワッ…


何か鳥肌がたった。

嫌な予感がして振り向くとその通りだ。


「あら〜誰かと思ったら愁じゃなぁい」

「お前…それ…」

「情報♪」

「ついてくんなよ″」


後ろには美少女がいた。

違うだろ…作者。

美男子だ!!!!!

この女装している奴は俺の…従兄弟だ。

あ―――――――!

ね―――――――!

き―――――――!

!!!!!


「さぁ行きましょう!」

「腕を掴むな!」

「キレないキレない」


語尾にハートを付けたコイツに俺は溜め息をつくだけだ。

コイツは路乃静ミチノシズカ

オトコだ!!!!

美少女に見えるけど男。

ついてる(笑)


「今日俺忙しいんだけど」

「私暇よ〜」

「同い年だからって俺の学校くんなよ?」

「行くに決まってるじゃない!可愛い子いるんでしょ?」

「ああ…沙紀?」

「沙紀ちゃん!可愛い〜!」


結局コイツも来ることになった

………………はぁ…


ピンポーン


鐘を鳴らした。

部屋から走ってくる音が聞こえた。

沙紀だな………?

どんな顔すんだろうな。


「愁さ…………」

「こんにちはぁ〜♪」

「………」


静ってめえ………!

何か様子が変だぞ…沙紀…どうしたんだ?

てか腕離せよ!


「この子がさーちゃん??」

「わ…わ…わ…」

「初めまして〜♪私静っていいま〜す」


沙紀は静の顔をみるなり俺を見つめた。

何か…悲しそうな目をしていた

次の瞬間沙紀は俺の横を通り抜けていった。

俺は沙紀の腕を掴んだ。


「さ……」


でも沙紀はそれを振り払って走っていった。

それについていこうとした時後ろにいる克に言われた。


「愁さんさーちゃん泣かせないで下さい」


男に睨まれたのは初めてだった

克は走っていった。

俺は止める事も出来なくて立ちすくんでいた。


「一体…なんだよ…」

「あらぁ〜お邪魔だったかしら私」

「…………」

「追いかけなさいよ♪」

「アイツ…」


俺は沙紀の涙を見て体が動かなかった。

俺は…何をしたんだ?

誰か教えてくれよ…。


「弱虫だねぇ全く」

「…夏樹」

「行ってきなさいよ」

「…静」


俺は玄関から走った。

近くの公園だと思った。

三分ぐらい走ったら公園に沙紀がいた。

………克もいた。


「利子付きやだ?」

「何で…優しくするんですか」


沙紀は克に聞いた。

俺は動きたくても動けなかった


「うわぁぁぁん!!」


遂に沙紀は大声で泣き出した。

アイツの胸を借りて。

わんわん泣いていた沙紀を克は抱きしめて頭を撫でていた。


「よしよし………」


そんな沙紀を見る克の目は優しかった。

俺は沙紀を幸せに出来ないと思った。

泣かせてごめんな。


で現在に至る。


俺は夏樹ん家の夏樹の部屋で泣いてた。

つ―か泣くの久しぶり。

てか初めてじゃねえ?

枕に頭突っ込んで声を押し殺して。


コンコンッ


誰だよ…こんな時に。


「僕だよ」

「な…つき?」

「正解。入っていい?」

「ああ…」


近くにあったティッシュで鼻をかんだ。

あ―じんじんする。

俺の顔を見た夏樹は爆笑していた。

失礼な奴。


笑いたきゃ勝手に笑え。


「あははっ!は―…お腹痛いよ―!そうそう沙紀ちゃん帰ってきたよ」

「…」

「克くんとね」

「あそ」


そいつの名前を出すな。

怒り爆発しそうだ。


「静くんが男だって言えばいいのに」

「…え?」

「気付かなかったの?!」

「…うっせ」


また爆笑し始めた。

アイツ俺が嫌いで逃げた訳じゃ無いんだ。

何か…疲れた。

もう…いいんだよ…。


「弱虫」

「なんだよ」

「沙紀ちゃん好きなら好きって言えよ」


あ…ヤバいかも。

鏡モード入ったな(汗)

これ恐いんだよ…。


「ただのくそガキが。好きな女泣かせて」

「……」

「情けねえと思わねえのか愁」


愁って呼ばれた…!!

てか…怖いんすけど。

情けないと思うが…。


「思いを言わなかったら何も始まらねえんだ!!」


はいっっっっ!!

すいませんっ!!

君が一番怖いです!!

………はぁあ…。

どうやって言えば…?


「そのままだ」

「そのままって?」

「言いたい事全部に決まってんだろくそガキ」

「なぁ…夏樹」

「あ?」

「戻ってくれたら言いにいくよ俺…」


もう嫌です。

そんな怖い空気。

戻れ戻れ戻れ戻れ!!!


「じゃあ愁くん頑張ってね!!」

「ああ…」


戻ったよ…鬼畜キャラから…。

てか一気に疲れた。

言う気力残ってるか……はいっ残ってます!!


俺は夏樹の部屋から飛び出ていった。

沙紀発見。

克と一緒にいる。


「沙紀」

「え?……………」

「来い」

「あの…………」

「だめですよ愁さん。今さーちゃんは僕と…」

「俺と沙紀の問題だ」


我ながら言いセリフ。

俺は沙紀の腕を引っ張りベランダに連れて行った。

までは良いんだけど…。

またアイツが…


「あらあ…お二人さんどうかしたの〜♪」

「げ…」

「あの…私帰ります」


俺の腕を払って戻ろうとした沙紀に俺は言った。


「待て沙紀。」

「え?」

「お前に話がある」

「でも…」

「聞いてくれ」


沙紀は混乱していたが頷いた。

コイツもいることだし。

口を開いた。


「あのな…まず誤解を解くとしよう。コイツは男だ。OK?」

「………男?」

「あら〜バレちゃった」

「男ぉぉぉ?!」

「ごめんね〜」


男だとバラすと静は帰っていった。

微妙な空気が流れる。

なんだこれは。

……………………。

沈黙の時が流れた。


「じゃあ…好きな人じゃないんですね」

「当たり前だろ」

「良かったです…」

「え?」

「私言えますね」

「何が?」


何が言えるんだ?

"嫌いです"って言われるっすか…?

それはちょっと…。

でもなぁ…あ―――!!

泣きてえ超泣きてえ!


耳塞ぎてえ!!


「私愁さんが……」

「待った!」

「え―っと…」

「俺が先に言う」

「ズルいですよ?」

「だっ…」

「分かりました。どうぞ?」


ムカつく…この笑顔。分かりきってる顔だ。

言ってやろうじゃん!

深呼吸して俺は口を開いた。


「俺は…お前が…す…」


はずいはずい………〆

告白なんか初めてなんだよ俺さ

あ――――!


「す…きだ」

「はい」

「沙紀が好きだ!」

「はい////」


意外と普通に返事したよこの人

はい…しか言ってないんだけど

一応告白したんだよな。

気持ち伝えたんだよな。

不安になってきた。


「で…そっちは?」

「あ、はい。好きです」

「早っ?!」

「ずっと言おうと思ってたんですよ」


沙紀は照れ気味に言っていた。

いやそれにしてははっきり言い過ぎだろ?

まぁ…両想いだな。

あぁ…嬉しい。


「じゃあ…付き合って下さい」

「俺が言うセリフ…」

「ふふふ」

「付き合ってくれ」

「良いですよ」


可愛い…可愛い過ぎる。

この純な顔。

抱きしめていいのか?

抱きしめてえが…。

いいのか?


「………良いですよ?」

「心読んだ?!」

「テレパシーですよ」

「なるほど」


俺は沙紀の腰に手を伸ばした。

そして抱きしめた。

沙紀は嬉しそうに俺の胸に顔をうずめた。

可愛い過ぎるぞっっ!


ぎゅうっっ………


「愁さん苦し〜」

「あ、ごめ」


上目線で俺を見上げた沙紀の瞳には俺が映っていた。

キラキラしていて…

可愛い。

すっごく可愛い。

あ―――幸せ。

こんなに幸せなのは初めてだ。

誰も見てないよな……?

あ…見てねえ。

見られたくねえ。




「克くん〜良いの?」

「うーん…本当は嫌だけどさーちゃんのあの笑顔作れるのは愁さんだけだからね」

「優しいね〜」

「ふふ。ありがとう。」

「嬉しそうに笑ってる愁くん」

「本当だね。これは僕からの誕生日プレゼントにしとこうね」


克は笑った。


本当は諦めてないよ。

でも悲しませたくないから僕はひく。

でも…いつか。いつかまた泣いていたら返さないから。僕はさーちゃんが好きだから。


幸せになってね――♪



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