第五話 恋の予感
ここまでの感想待ってます!
「くわぁ〜」
大きな欠伸をして布団から出ると朝日が差し込んできた。
いやぁ眩しいねえ〜。
って和んでる場合じゃないから私ったら!
現在7時5分。
沙紀にしては寝坊ぎみ。
顔を洗って食パンを口に挟んで家を飛び出た。
「へいふくっ!」
制服を着忘れた。
部屋に戻り制服に着替えた沙紀はもう一度忘れ物がないか確認した。
「はいはふ!」
おばあちゃんへの挨拶を忘れた
そんな急がなくても間に合うと思いますが…。
「ひってきはーす」
沙紀は元気よく飛び出ていった
目の前に愁がいた。
「ふうはーん!はって〜!」
「はって?」
「もぐもぐ…待ってです…」
「なる程」
愁は納得して歩いて行ってしまった。
うう…置いてかれた…。
そんなに変な顔…?
嫌われてるんですね…。
ぐすん…
「早く来いよ」
「へ?」
「置いてくぞ」
愁さんは待っていてくれているの…?
そんな優しい愁に沙紀は笑った
「てか…朝ご飯ぐらいゆっくり食えよ」
「もぐもぐ…はふう…いや今日寝坊しちゃって」
「あっそ」
食パンを飲み込むと詰まりそうになった。
ゴホゴホッ…………!
食パン一枚で死にそう…ゝゝ
「何やってんの」
「うう…」
「はぁ…」
愁さんは呆れ顔で私を持ち上げた。
急な事にびっくりして食パンを飲み込んだ。
あ…流れました。
愁さんは身長がデカいので少し恥ずかしい…。
足をバタつかせると愁さんは
「バタつくな!」とキレていた。
はい…ずみまぜん…。
「くしょん!」
「あ…風邪引いたんじゃねえのか」
「かもです…」
ダダダダダダダダダダ
「アスカ!おはよ!」
後ろからハイテンションで走ってくる人がいた。
眼鏡少年である。
「鏡さんおはようございます」
「アス…」
「はい!殺すよ?」
「ひぃ!」
「おはよ―沙紀ちゃん」
「おはようございます。夏樹くん」
ちっこくて可愛い男の子の夏樹くん。
この少年は裏表が激しい気がするんですが…。
この三人は仲良しなんですよ。
「愁さん重いですよ―」
「軽い」
「下ろして〜」
愁さんは教室まで私を運んだ。
教室にいる生徒(男子)は私を見て騒ぎ出した。
な…ななな何でしょう?
「わぁ!沙紀ちんだ!」
沙紀ちん…………?
「おっはよ―今日も可愛いねさっち―」
さっち―…………?
皆さんご自由にニックネーム決めてますね…。
私沙紀です。
愁さんは私を席に座らせて溜め息をついた。
「疲れてるんですか?」
「いや…大丈夫」
「そうですか…くしょんっ」
「だ―…熱は?」
「大丈夫だと思います―多分」
実は熱っぽいです。
昨日の夜ずっと外にいて空を眺めていたので…多分それで悪化したんだと思います…。
頭がぽぉっと………。
沙紀は一瞬目眩がした。
「おい…本当に大丈夫なのか」
「は―――?」
キーンコーン―――
鐘が鳴り響いた。
教室の中に担任の内田先生が入ってきた。
内田先生は私の顔を見て喜んでいた。
この学校には女子は私だけなんです……。
「はぁい!みんなおはよう!」
「おはようございます」
「今日から運動会シーズンですよ〜!」
「まじ―?」
「じゃあ授業ねえの?」
「ありませえん」
内田先生はVサインをしていた
授業ないんですか…。
勉強したかったです…。
運動苦手なんですよ…。
「じゃあ体操着に着替えて校庭行くわよ!」
「はーい!」
私どこで着替えれば…?
混乱している沙紀を見た愁は沙紀のおでこに手を当てた。
有り得ない程暑いおでこに愁は驚いた。
「おま…」
「へえ…?どおかしました?」
「ちょっ来い!」
愁は沙紀を抱えた。
急にお姫様だっこされた沙紀は挙動不審になっていた。
鏡と夏樹もついていった。
保健室にて―――
ピピピッ
体温計の音がなった。
脇から取り出して保健の先生に渡した。
「ん〜39.6度かぁ…ちょっと高いかな?」
「あう―」
「自己紹介するの忘れてたわねえ…私工藤朱里。保健の先生よ〜」
保健の先生の工藤さん。
とても美しい〜。
頭くらくらしてきました…。
もうムリ…。
バタンッ
私はベッドの上に倒れ込んだ。
あう―キモチワルイ…。
といいますか…入学して次の日に倒れるってどうなんでしょうね…私。
バカだなぁ…
「沙紀…寝ろ」
「うん…寝た方がいいよっ沙紀ちゃん」
「アス…」
「てめえは黙れ」
夏樹に睨まれた鏡は泣きそうになっていた。
私はベッドの上で眠りについた
あったかいです…。
何か聞こえる…。
「………くん…どうなの?」
「……ません」
誰と誰が話してるのかな……?
何の話をしているのかな……?
「あら…起きた?」
「せんせえ?」
「まだ熱下がらないみたいね…大丈夫?気持ち悪くない?」
「大丈夫です…」
スーッ―――――
隣から寝息が聞こえた。
隣にもベッドはある。誰が寝てるんだろう…?
隣を向くと何か格好いい人が寝てる…。
誰もが羨むような綺麗な黒髪にすらっとした長身…。
ってえ!!!
「愁さん?!」
「ん…」
「あらあ…バレちゃったわね」
「なにがですか?!」
「ふふふ。猪垣くんねあなたが心配だったのよ」
工藤さんは私の唇に人差し指を当てた。
色気が有りすぎて熱が上がってきた…。
といいますが…愁さんを"格好いい"と思った?!
あう―混乱してきたぁ…どうしよう!
ドキドキしてまふ…↑
「あら顔赤いわね」
「へ?いや…ね…熱が」
「熱…あらやだ!!」
「?」
「みんな来てるわよ?」
外を見るとさっきから居たのか窓に男子(全員)がへばりついていた。
怖いよぉぉぉ?!
隣の愁さんは寝返りをうってこちらを向いた。
にょにょにょにょっ!
美し―――?!
にゃにゃにゃにゃっ!
女ぁ―――?!
「し…愁さん?」
「うーん…」
「起きてました?」
「起きてるように見えるのか」
寝起きなのかイラついているようだ。
でも綺麗な顔立ちは変わらないんっす―
寝起き素晴らしいです。
「熱は?下がったか?」
「上がってます↑」
「↑って何だよ…お前昨日風呂から出てちゃんと髪の毛拭かないから」
「ずびまぜん…」
はぁ…と愁さんは溜め息を深くついた。
本当にずびまぜん…。
熱出したの久しぶりなんで分かんなかったんです…。
「迷惑かけてすいま…」
「別にかかってない」
「え?」
「ただ心配だっただけだ俺は」
愁さんは私の頭をそっと撫でた
何て優しいんだろう。
顔がぽぉっと赤くなる。
これはまさか…
"恋"……………?
いやそんな訳は無い!
無い!
無いと思います…。
でも――――
顔が赤いの治まらないんですよ
―――熱のせいですか?
それとも…………




