第三十話 執事のキモチ
お久しぶりです。
更新したの何日ぶりか―?
今回はこの前の続き版。
そして愁sideです。
誰が好きか感想に書いて下されば幸いですo(^▽^)o
宜しくお願いします★
『お前に…大事な話がある』
そう親父は言った。
愁side
「で、俺を呼んだ理由は?」
俺は親父が呼んでいたと聞いて沙紀を待たせている。
今俺は校長室のソファーに堂々と座り親父に問いかけた。
『大事な話がある』
親父はその言葉しか言ってない
大事な話?
俺に関係あることなのか?
ずっと黙ってる。
なんだよ?
「俺沙紀待たせてんだけど」
「愁、この学園は…」
そこで再び黙った。
この学園は?だからなんだよ!
「早く言…」
「菜川会社に…売却されそうなんだ…。分かるか…?」
「は?!売却?!」
何の話をしてんだよ!
やっぱり菜川光一が元凶か…
あいつついに俺の学校まで…
でも、ちょっとおかしい。
売却されそう?って事はまだ何かあるのかよ?
「後は…まだ何かあんのか」
「…」
「言え親父。じゃないとこの学園を守れねえだろ」
「…水野さんを…婚約者にすれば…この学園は…返してやると…言われたんだ…すまない…」
沙紀を…婚約者に…?
あいつ…菜川光一……ッッ!
誰が渡すかよ!沙紀は…沙紀は大切な…大切な人だ!!
畜生ッッ!
「沙紀…ッ!ヤバ..沙紀待たせてるから…もしかしたら…」
俺は親父を無視して校長室を飛び出した。もう何も気にしない。
沙紀は手放さない!!!
玄関に息を切らして向かうとそこには沙紀の姿は無く一人の男が立っていた。
「誰だ」
「猪垣様。わたくしは光一様の専属執事広尾と申します」
「執事だと…?」
「…沙紀様は今夜光一様と婚約者パーティーを行うことになりました。それをお伝えすべく残らせていただきました」
は…?
今夜菜川と婚約者パーティー?
沙紀が?何…言って…
冗談だろ?
「何を言ってんだよ」
「嘘ではございません。この契約書をご覧下さい。水野陽一様、つまり沙紀様のお父上と契約しました」
「け…契約だと…」
俺はそれを奪い取って覗いた。
書いてある…。
どうしてだよ…。
どうして…
「あんた…いいのか?」
「え?」
「あいつが幸せじゃない結婚してあんたはいいのか」
契約書まで書かせるって…普通はおかしいだろ?
しかも愛がない結婚?
そんなのくだらない。子供のおままごとじゃねえか。
「結婚はおままごとじゃねえ」
「しかし…これは決まった事でございます」
「だから俺はあんたの意見が聞きたいわけ。広尾サンの意見を」
広尾は黙っている。
ま、執事は主に従うってか。
ばかばかしい。
「わたくしは、ちゃんとした結婚をして頂きたい。光一様には幸せになって頂きたい…」
「それがあんたの本音?」
「………はい」
やっぱり、普通の執事じゃん。
従うだけじゃ駄目だ。
幸せに導かなきゃな。
「で、どうすんの」
「…本当は光一様に時間稼ぎをしとけと言われましたが…もう良いです。案内します猪垣様」
「マジで?広尾サン最高」
「広尾で結構です。さぁ時間がありません。早く車に」
と広尾に催促されて素早く車に俺と広尾は乗り込んだ。
うわ…久々に乗ったな。ベンツ。
やべー...緊張だ。
「猪垣様」
「あ、愁でいいっす。あと俺そういうの苦手なんでタメでお願いしますね〜」
「しかし…。愁様、あなた様だけには伝えとく事があります」
結局愁様かぃ。
ま、いいけど。
「何?」
「光一様には…生涯を誓った方がいらっしゃいます」
..........。
「ハァ?!!!!!!!!!!」
な、なんだって?!
あいつに生涯を誓った奴が?!
ならなんで…沙紀を…
わかんねえ…
「誰だよ…」
「一般人です。多分…橘学園高等学校にお通いです」
「ハァ?」
「名前は存じません」
「…聞けや」
と突っ込んでみた。
だって、生涯を誓った奴がいる事を知ってるんだったら普通は名前ぐらい…
「ただ一つだけ。
光一様はその方を今なお愛しておられます」
「なら…」
「その方の為なんです」
「え?」
「お金持ちにはお金持ちを。…そういうのが菜川家の決まりで一般人とは婚約は許されないのです」
………変なの。
豪に入っては豪に従えみたいなもんなのかね…。(全然違う)
一般人との結婚ね。
俺んちは全然OKだからね。ハハ。
「でそれが今回の婚約者パーティーに関係あるの?」
「はい。とは言い切れませんがちょっとしたサプライズ…」
「へ?サプライズ?何すんの」
「婚約者パーティーは偽装なんです。本当はその方との…」
なんの話ですか?
おぃおぃ?
サプライズ?
偽装?
その前にそれだけの話に俺たちは巻き込まれてるのか?
「けんな…」
「え?」
「ふざけんな…。それで沙紀を苦しめてんだ!お前たちは自分の事しか考えてねえよ!つーかマジ自己中…それで何自分たちだけ幸せになる?利用された沙紀とか沙紀の親父とかはどうなるワケ?」
「愁様…」
「沙紀を…沙紀だけは…泣かせたくねえんだよ」
泣かせたくねえんだよ。
沙紀は。
「…着きました」
あ―...イラつく。
ま、早く止めなきゃな。
てかサプライズならいいんじゃねえ?いや…どうなんだろ。
ま、とにかく…
「行くか」
そう俺は呟いた。
今回のパーティー場所...。
菜川家。
やっぱり...デカい。
六本木ヒルズ並だな。
「こちらです」
「ああ」
中に入るとパーティー会場は五階だと教えてくれた。
エレベーターに乗り込み五階のボタンを押した。
「そういえばさ…その子は来てんの?ここに」
「来ていらっしゃいます」
「あそ」
来てるんだ。
絶対泣くな。絶対。
はぁ...沙紀はどんな顔してるんだろうなぁ...。
「どうぞ」
軽くエスコートされて部屋に入った。あ、やべ…俺今制服…
ま、いっか。
「沙紀は…ぃた…」
沙紀は何も表情なく菜川の隣に座っていた。どうした…?
なんで…あんな顔してんだ…?
「わたくしは…探してきます」
「ああ」
姶良はそう言うと小走りでその場を後にした。
俺は小さなため息をついた。
「はぁ...」
ちょっとフライング(笑)
どうしてそんな顔をするの?
また会えるよ?
彼女は僕に笑いかけた。
真っ暗な空の下、二人きりで肩を並べたあの日。
急に告げられた別れの言葉。
会えるよ…。
きっと…
★★
ハイ。初めての光一sideです。
って言っても沙紀sideですが…。あ、話的にですよ?
では―♪




