第十話 満月に誓って
何かラブラブです…。
今回は沙紀サイドです。
♪♪♪
私嬉しかった。
愁さんが私を好きだって言ってくれて。
初めてこんなに幸せになったんです。
愁さんの体は暖かくて優しくて
ぎゅうっってされた時私この人が好き……って気が付いた。
これが"好き"っていう事に気が付いたんです。
実は克くんにも告白されてしまいました。
皆さん気になっていると思いますのでお話させて頂きます。
一時間前―――
「うわぁぁぁんっ!!」
大泣き中の私。
こんなに泣いたのは初めてだったから…。
克くんはずっと私を抱き締めてくれて。
何で私こんなに泣いてるんでしょうか…?
何分か泣いていると疲れてきて泣き止んだ。
「大丈夫?さーちゃん?」
「はい…すいません」
「ね〜さーちゃんは愁さんの事好きなの?」
「?!」
「バレバレ♪」
ニヤッと笑った克くんは何だか不気味です。
バレバレでしたか…。
ならどうして?
私を抱き締めたんでしょう…?
克くんは
「笑える」と爆笑し始めた。
そんなに笑わなくても……。
「あはは〜♪」
「……可笑しく無いですよ!!」
「愁さん嫌い?」
「いいえっ!あ…」
「正直だね。」
笑ってたのに妙に真剣な顔になった。
私…空気に呑まれそう。
何言われるんだろう?
ゴクリと唾を飲み込んだ私は変な汗が流れていた。
緊張するんですが…?
そんなに見つめないで下さいよ
「僕さーちゃんが好きなんだ」
「…………はぃ?」
「だから好きだっ!」
「…………あのう…」
「ん?返事は?」
「さっき私に愁さんの事好きか聞きませんでした?」
純粋な質問である。
バレバレ♪って言ってましたよね?!
おかしいですよ?!
涙完全にひっこまりましたよ!!
あ―――!
びっくりしました!
冗談…ですよね…?克くん冗談ですよね…?
「へ―んじは?」
「……」
「OKなの?」
「……ません」
「え?」
「すみませんっ!!!!」
顔を真っ赤にして私は克くんに言いました。
断ってるのに何故赤くなったんでしょう…?
でも…ごめんなさい。
私まだ愁さんが気になって気になってしょうがないんです。
忘れようとしても忘れられないんです…っ!
………好きなのか分からないんですっ!
分からないんです…。
「あ―あ振られちゃった…」
「ごめんなさい…」
その割には顔笑ってますけど克くん?
何だかよく分からないんですけど〜〜?
「じゃあ帰ろっか?」
「はぁ…」
「行くよ?」
克くんは私に言った。
私はブランコから立ち上がって家に戻ることにしました。
克くんと二人で。
で、今に至ります。
「寒くないか?沙紀」
「大丈夫〜」
「…克と何かあったのか…?」
「え?!無いですよ!」
「……お前は嘘を付けない人だからな…」
バレバレですか…また。
告白されてしまいましたなんて言えませんっ!
嘘を付けない人なんです…私。
ごめんなさい〜
「告白されたんだろ」
「なんで?!あ…あ―」
「やっぱりな。そうだったのかよ…あいつ…」
「でもっ…私…愁さんが…好きだから…」
「……////」
愁さんは紛れもなく照れていたと思います。
ふふふ。
私にとって最高の誕生日会です
ありがとうございます。
神様…!
「あのさ…」
愁さんが私に言ってきました。
な…何を言われるんでしょうか
「これ…プレゼント…」
「え?」
そっと差し出してきたのは花束だった。
色とりどりの花がピンクのリボンに包まれていた。
それを私に渡した。
………照れてる。
照れてますね愁さん。
/////////
私も照れてきました。
「ありがとうございます」
「………////」
「どこのお花屋さんですか?」
「flowerarrange」
「知ってます!!嬉しいですっ」
その花はすごく綺麗でした…。
今夜は泣いたり笑ったり色々疲れました。
でも…幸せでした。
ありがとうございます。
月が綺麗でした………。




