とある酒場にて。
こんな拙い文章でもお気に入りが2件・・・!
ありがとうございます!
「にしても、お前もこっぴどくフラれたもんだなぁ!」
客が賑わうとある酒場で、一人の男が唾を飛ばしながら正面に座る、自信の旧友に言った。しかしその顔は明らかに笑いを堪えているようだった。
「その話はよしてくれよ・・・。思い出しただけでも泣きそうなんだ。」
苦虫を噛み潰したような顔で正面の細身の男は言葉を返す。それを聞いた男は今度こそ笑い出した。
「はははっ。まぁそう落ち込むなよ。なんならこの酒場で新しいのを見つけりゃあいいじゃねぇか。ほら、そこにいるマントを羽織っている女とかな。」
彼が指を差す先には一人でカウンターに座り、酒を飲んでいる、紺色のマントを羽織った金髪の女性がいた。
「おいおい、よしくれよ。俺達はまだ任務中なんだぞ!」
「まァいいじゃねぇか!時間だってあるんだし。声くらいかけてみようぜ。」
ゴチャゴチャ言い続ける細身の男を無理やり立ち上がらせ、腕を掴んで女の元へ引っ張っていく。そして、声をかけた。
「なァ、そこの御嬢さ」
「はい!情報屋のルースでございます!何か御用でしょうか?」
男の言葉を遮って彼女は勢いよく振り向いた。
「「あっ!!」」
彼女の顔を見た男等は、見事に声を合わせて固まった。
営業スマイルを張り付けた彼女の顔はまさに、男達が「任務」で捕まえなければならない「神出鬼没な凄腕の情報屋」、張本人だったからだ。
ふぉぉぉ。思ったより短くなってしまった・・・!
勘のいい皆様なら「情報屋のルース」が誰かお気づきでしょう(笑)