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「……ろ!綾小路桜!起きろ!」
鼓膜が破れそうな大きな怒声で私は目覚めた。
「おりょ?一体どうしたって言うんで…痛ッ!?」
目が覚めるといきなりチョークがとんできて、私の額に直撃した。
「お前、授業中に居眠りするとは、先生の授業はそんなにつまらんか?」
「ヤダナァ、先生私は先生の授業がつまらないと言っているわけではないですよ?」
私が額を擦りながら言った。
「ほう。だったらなんと言いたいのだ?ちなみに、ふざけた回答をしたらチョークを投げつける」
先生が殺意を込めて、しかし笑顔で言う。
「私は……勉強する事自体が嫌いなんですよ♪」
「【貫】」
先生が野球選手さながらのスピードでチョークを投げつける。
「危なッ!?【歪】」
私がそう言うと、前の空間が歪みチョークの軌道を変える。軌道が変わったチョークは天井を貫通した。ここの教室が最上階で良かった。
「危ない危ない、あんなの私に当たったら確実に死んでますよ!?」
「お前は、一回死んだ方がいいかもしれない。そうすれば、そのイカれた考えも少しは矯正されるだろう。うん」
「うわー、最低だー。そんなんだから、30後半になっても彼女ができないんですよ!」
「(ブチィ)お前、言ってくれたな!?俺が気にしてることを言ってくれたな!?【増】」
よく見ると、先生は手に無数のチョークを持っている。それだけならまぁ普通だろう。だけど、先生の手が千手観音の様に無数にあるのだ。恐らく、【増】の効力で手を増やしたのだろう。
「ちょっとちょっと!話せば分かッ「【貫】」ッて待って待って!?【歪】」
私の前の空間を歪ませチョークの軌道を変える。
「うーん、これじゃあ、埒があかないね~【歪】」
私の前の空間を歪ませ、そのなかに入る。こうして移動もできるから結構便利です
「綾小路!まだ授業は終わってないぞ!」
先生が叫んでいるけど知らない知らなーい♪