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【公式キャンペーン・3巻非売特典】因果応報

 不思議なことに、昔自分が起こした行動ってのは、どういう形であっても自分に返ってくる。

 コルダを一人ぼっちにさせたから、俺は何年も、何十年もあの入江の洞窟で一人ぼっちのまま死後を過ごすことになったんだろう。コルダを泣かせるようなことをしたから、女の子にすっぱり斬られて死ぬことになったんだろう。仲間を誰一人守れなかったから、俺は全てを失うことになったんだろう。


 だから俺は、この子と一緒に居るわけにはいかない。俺の因果がこの子を巻き込んで、最悪の結末に巻き込むことになるだろうから。蘇らせてくれたのは嬉しいが、俺は……ここでお別れだ。


「あれ? どこに行くのおにーちゃん。そっちじゃないよ」


 なのに、あの子は俺を追いかけてきた。止まらなければ良かったんだ。俺が立ち止まったから、巻き込むことになるんだ。俺を斬ってくれた狐ちゃんと一緒に、どこかで幸せに暮らしているべきなんだ。

 それなのに、どうしてだろうか。この子の声から離れたら、もう二度と……取り返しのつかないことになる気がする。甘え……だろうか。まだ俺は、期待しているのだろうか。


 過去の栄光の日々は、永久に失われたというのに。


「もしかして、方向音痴?」


 ああ、人生の方向音痴だよ。一度も良い道に辿り着いたことがない。


「しょうがないなぁ~。私についてきて!」


 ついていっちゃいけない。こんなことをしていちゃいけない……。俺は、巻き込むべきじゃないんだ……。ルテオラに、皆のところに帰るんだ……。だけど、ちょっとだけ……。ちょっとだけなら……。


「おにーちゃん! どん太を押し込むの手伝って!!」


 君は、どうして俺なんかを気にかけてくれるんだ? 扱いは少々雑な時があるが、それもまた心地良い。不思議な子だ。離れようにも次の動向が気になる……。気になって、離れられない。


「おにーちゃん……。リアちゃんの故郷にいくんだけど……」


 君についてきて本当に良かったと、心の底から思うこともあった。俺が生きていた時代はずっと前のことだというのに、当時キッチリ殺したはずの吸血姫……。鮮血の令嬢グランディス、奴がのうのうと生きていた。領民の血を1人残らず吸い尽くし、最高の永遠なる美しさを追い求めた醜い化け物。あいつが、生きていた。


 これは、因果なんだ。俺が殺し損ねたから、またあいつが暴れようとしているんだ。これは、俺の責任なんだ。


「あいつ……。強かった……。今度あった時は絶対に勝とうね! 絶対にやっつけようね!!」


 リンネについていく理由が明確に出来た。いや、俺は……心のどこかで、この子についていく理由を欲しがってたんだ。出来たんじゃない。出来てくれたんだ。

 思えば、今まで受け身の人生だった。流されるがままに生きて、自分から起こした行動といえばルテオラでのクーデター。ルテオラの民を暴君から解放することは出来たが、仲間を全員失った。いずれ朽ちる肉体を引き摺りながら、仲間の故郷に遺品を還す旅をした。それぐらいだ。

 リンネの提案を受けるのは、また受け身だ。だが、残るのは自分の意志だ。俺は…………残ろうと思う。リンネと一緒に旅をすれば、俺がすべきことが見つかる。俺の人生に、答えが見つかる気がする。

 

 だから、コルダ。俺はまた……勇気を貰おうと思う。今度はこの、リンネという主君から。明日を生きる勇気と、成すべきことに向き合う勇気を。どうか見守っていてくれ。いつの日か君に『俺の人生は最高だ』と、胸を張って伝えにいくその時まで。


 俺は英雄フリオニールだと、この子に胸を張って伝えられる……その日まで。


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― 新着の感想 ―
おにーちゃん、、、 なんていうか生き様がかっこいい!そして喋らないけどコミカルなにーさんはめっちゃ好き!(`・ω・´)b
お兄ちゃんぁぁぁぉぁぁあん!!(ノД`)(シクシク)
おにーちゃんのエピソードだぁぁぁぁぁあああああああヽ('ヮ'*)ノΞヽ(*'ヮ')ノ 三巻四巻で胸に思いを秘めて五巻で決意して 六巻でお話してくれるようになったと考えると胸が熱くなる(*´ω`*)
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