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ワタシの名前はバビロン。泣く子も黙る魔界の神、それがワタシ! 魔神バビロンなのよ!!
「ねえね~。おねえちゃまがお布団干すから出してって~」
「カレンちゃん!! ノックぐらいしてくれないかしらねぇ!?」
「ワタシの名前はばびろ~ん」
「そこだけ切り抜いて真似するのやめてくれないかしらねぇ!?」
「バビロンちゃ~ん? お布団まだかしら~?」
「今持っていくからぁ!!」
泣く子も黙る……はずなのよね。この魔界でワタシが一番偉いはずなのよね。なのに、妹のカレンちゃんにはどう考えても舐められているし、ティスティスお姉ちゃまには手のかかる妹だと思われているし……。んも~う!
「それで、どう?」
「どうって、何がかしら? カレンちゃん、あまりにも何を聞いているのか、わからなさすぎるわ!!」
「愛し子~。可愛い? 好き? 強い?」
「今度は一気にいっぱい聞くじゃな~い! リンネのことね!!」
そう! でも最近ワタシにも変化があったのよ! 愛し子、リンネ!! この世界に降り立って1秒未満、目の前に現れた天使の顔面に右の拳が刺さってたわ!! あんなに過激な子は初めてだったから、どれぐらいイカれているのかな~って観察していたら、天使が心底嫌いで考えるよりも先に手が出るタイプの子だったの!!
うんうん! ワタシにそっくりね!! ワタシも考える前に手が出ることが多いものね♡
「もちろん可愛いわ! 大好きよ!! 強いかと言われると、能力的にはまだまだと言わざるを得ないけれど~……でも! 考え方! その在り方が強いのよね!」
「在り方~?」
「あら、愛し子ちゃんのお話ね~? お姉ちゃまにも聞かせて~?」
「そうね、まずは……対人戦ね!」
まずリンネは対人戦が強いわ。普段は内気で怖ず怖ずとしている様子の弱そうな女の子に見えるけど、『こいつは私にとって害になる存在だ』と認定した途端、豹変!! 絶対にこいつをぶっ殺すぞ~っていう気合いに満ち溢れた姿に変わるわ!!
「――それと、最初の従者にどん太って名前をつけたのよ! どん臭くて太っちょだからどん太なんですって! あの誇り高き種族ワーグに、どん太だなんて!!」
「ほこり……?」
「たかき……?」
「そうよ! ワタシみたいにちゃんと、モッチリーヌっていう立派な名前をつけて上げるべきだと思うのよ!!」
「りっぱな……?」
「なまえ……?」
なによ~! モッチリーヌは誇り高き立派な名前でしょうが~!!
それと、リンネの在り方として強いところは、一度懐に入れた相手を見捨てないことね。相手に拒絶されない限り、リンネから見捨てるってことは絶対にないんじゃないかしら! もしそれをするなら、相当に相手が酷いことをした時だけだと思うわ。リンネはね、意外と懐が深いの!!
「――リンネはね、懐の深さに似た大きな胸も凄いところね!」
「ねえねはぺったんぐごごごごごごごあがががががが」
「悪い口!! 悪い口はおしおき!!」
「あびびびびびびごべんなざぁああい」
「あら、大きくても大変なのよ~?」
「小さいのも大変なのよ!! まあ、でも! ワタシはこのほうが美しいって自覚があるから、いいの!」
「…………」
「カレンちゃん、流石に学習したのね~。偉いわ~」
ワタシの胸の話はいいのよ、しなくて!!
それより、リンネね!! 誇り高き魔狼族のどん太、それにステラヴェルチェの災厄の魔女オーレリアを従者に加えたわ。オーレリアは一歩間違えば一国を、いえ……大陸を砂の海に沈めるぐらいのことはするドス黒い決意を持った子よ。リンネに制御出来そうにないと思ったら、その時はワタシが……。で、でも、愛し子が愛した子を取り上げるなんて、そんなことをしたらワタシ嫌われちゃうわよね!? どうしたら良いのかしら~!?
「――何事も経験を積ませるべきだと思うわ~」
「過保護にしたら温室育ちになるだけ。ねえねの課題は、見守るというのを覚えること」
「あら、カレンちゃんが珍しく厳しいわ~」
「うっ……。そ、そんなにワタシが過保護にしたことなんて……」
「今、魔神殿に居る子達、みーんなねえねが拾ってきた子。見捨てられずに全部守りたいからって、みーんな保護してる。十分過保護」
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛……」
リンネ……。ワタシ、リンネのことを出来る限り見守るように努力するわ……。今度こそ、なるべく干渉しないで静かに見守るのよ!! ワタシも頑張るから、あんたも頑張るのよっ!!
「でも、見守るだけじゃ、リンネが魔神殿の子達に追いつくのに何年かかるか……。ワタシ、心配よ……」
「じゃあ、賭ける?」
「あら、カレンちゃん。今日は本当に珍しいわね~」
「賭けるって?」
「私は、リンネがねえねの保護した子達に追いつくのは1年以上かかると思う」
「あらあら、じゃあお姉ちゃまは2年以上に賭けようかしら~」
「そんなに早く追いつくと思っているの!?」
い、いくら異界人だからって、そんなに早く追いつくとは思えないけれど……!! で、でも、ワタシが信じてあげなくてどうするのって話よね……。じゃ、じゃあ! わかったわ!!
「じゃあ、半年以内!! 半年以内に、魔神殿の子達に追いつくわ!!」
「これで半年後からお姉ちゃまの作ったプリンは私のもの」
「あらあら!! それじゃあお姉ちゃまばっかり損しちゃうわ~。じゃあ~半年以内に追いつけなかったら、バビロンちゃんもプリン作りを手伝って頂戴ね~?」
「い、良いわよ!! その代わり追いついたら、2人がワタシのために美味しいものをい~っぱい作るのよ!?」
「条件、リンネが求めるまで手を出さないこと。はい約束。勝利確定。半年後が楽しみ」
「楽しみね~♡」
「その条件と約束、忘れないことね!!」
今に見てなさい!! リンネはすぐにワタシ達に追いついて、すっごく強くなるんだからっ!! 今回は絶対、そうだって確信があるもの。リンネ、頼んだわよ!! ワタシ、1年半以上もプリンを作り続けたらプリンの神に変わっちゃうかもしれないから、絶対に強くなるのよ!!
「ばびばびぷりん~ばびぷりん~」
「変な名前で呼ばないで頂戴!!」
「あらあら~♡」
カレンちゃんにこれ以上煽られるわけにはいかない……。リンネ、わかってるわよね!? ワタシの愛し子なんだもの、わかってるわよね!? お願いわかって、そして強くなって~! おねがぁ~い!!
ワタシ、お料理すっっっっっご~~く下手なの、カレンちゃんにバレちゃうからぁ~!!
ついでにこれは新作。【冒険者アシェルは特異点】、どうぞよろしくお願いします。
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