プロローグ - こうして私は別の世界に迷い込んだ。
私は10歳の女の子。でも年齢の割には頭がいい方だと思う。
お母さんの一人娘で、家族の中で生まれた唯一の女の子。
それ以外はみんな男の子ばっかり。女の子がほとんど生まれない家系って、かなり珍しいよね。
理由はわからない…たぶん遺伝子とかかな? 聞かれても私も答えられないよ。
私の生活はシンプルで普通だけど、同時に素晴らしいもの。
両親がいつもそばにいてくれて、私は二人を何よりも愛してる。
人生で一番大切な人たちだよ。お父さんは仕事がめっちゃ順調で、もうすぐ大金持ちになれそう。
お父さんのおかげで、生活に困らないんだ。お父さんは一日中働いて家族を支えてくれる。
家族の大黒柱として、そして人としても、私が一番尊敬する人。だから大好き!
お母さんも本当にすごい人。
家の中のこと全部やってくれて、私たちのためにいつも頑張ってる。
私もできる限りお手伝いして、力になりたいって思ってる。
私もとびきりの良い娘でいようと頑張ってた。
できることはいつも率先して手伝ってたよ。
お父さんがお母さんと二人きりで過ごしたい時とか、夫婦の時間が必要な時は、よくおじさんの家に行ってた。
今日はおじさんが街に買い物に出かけたから、おじさんの家に来てた。
その間、私は公園のブランコに座って待ってた。
きれいな青空に少し雲がかかった空を見上げてた。
— おじさん、なんでこんなに遅いんだろ…お腹すいたな — とつぶやいた。
料理ができないわけじゃないけど、おじさんは缶詰ばっかり食べる人。
なんで何でも缶詰で済ませるのかわからない。
きっと料理が面倒くさいんだろうな…そう考えると、あんなに細いのも納得。
それに今日はやけに静かだった。ちょっと寂しくなっちゃった。
いつも一緒に遊んでくれる子供たちはどこ行ったの?
もう遅い時間なのかな。そろそろ暗くなりそうだけど、おじさんまだ戻らない。
あれ…私の腕時計が壊れてた。
ずっと14時43分を指したまま動かない。
携帯を手に取って、あちこち向きを変えながらちゃんと動くか確認した。
その時、突然赤い光が私の横を通り過ぎた。
— え、今の何…?
光が来た方を見たけど、もう何もなかった。
目の前で消えちゃったみたい。何が起きたのか全然わからない。
ふと上を見ると、鳥が空中で止まってた。
落ちるでもなく、羽ばたくでもなく、ただ静止してる。
びっくりして目を大きく見開いて、周りを見回した。本当に怖かった。
突然、窓ガラスが割れるような音がした。
近くに窓なんてないのに、すぐそばで鳴ったみたいに大きくて、耳がキーンとなった。
前を見ると、何かがこっちに来てた…あれは何?
赤くて、ガラスが砕け散るみたい。
逃げようと体を動かそうとした瞬間、心臓がドキドキし始めた。
でも体が動かない。完全に固まっちゃった。
次の瞬間、泣く暇も…助けを呼ぶ暇もなかった。
最後に聞いたのは、女の人の助けを求める声。
そして、私は別の世界にたどり着いた。




