第9章:マジンガーの進化と少年からの卒業
―Zからグレート、そして遠い宇宙へ―
日本がロボット大国である理由
マジンガーZの成功は、単なるアニメのヒットにとどまらなかった。もし、今日の日本がロボット産業において世界的な存在感を持っているとするならば、その源流の一つは間違いなくマジンガーZにある。
産業技術でもなく、国家戦略でもなく、「好き」が始まりだった。マジンガーZは、我々の世代の心に“ロボット”を根付かせた第一号であり、しかもそれが「操作できる」「乗り込める」ロボットだったことが決定的だった。
ロボットは“仲間”でも“家族”でもない。自分が操る存在として、マジンガーZは私たちの心に刻まれた。
アトムとKの“違う系譜”
ここで少しだけ補足しておきたい。
よく「ロボットの始祖」として語られるのが鉄腕アトムだが、彼はどちらかというと、アンドロイドである。
同様に、ロボット刑事Kも“ロボット”と銘打ってはいるが、その振る舞いや立ち位置は、やはり“人間型ヒューマノイド”。もっと言えば、サイボーグ009のラインに近い存在だ。
このあたりの議論も実に面白いのだが、今回は脇道へは逸れず、あくまで「巨大ロボットに乗り込む文化」の系譜に焦点を絞って話を進めたい。
グレートマジンガー、良くできた続編
マジンガーZの成功を受けて制作されたのが、グレートマジンガー。一般的に、シリーズものの続編は“二番煎じ”になりやすく、勢いが落ちがちだ。しかし、グレートマジンガーはその期待を見事に裏切った。
パイルダーオン → ファイヤーオン
ロケットパンチ → ドリルプレッシャーパンチ
格闘メイン → 剣による戦闘
こうした“インフレ演出”はあったものの、すべてが「次のステージへ行こうとしている姿勢」として受け取られた。
とくに剣を抜いて戦うスタイルは、よりヒーロー性や騎士性を感じさせ、少年たちの心をくすぐった。
確かに、マジンガーZの影を越えたか?と問われると、答えは微妙かもしれない。しかし、続編としては非常に優秀で、誠実な進化を見せたと言える。
グレンダイザー、そして違和感
しかし、その次に登場したのが…UFOロボ グレンダイザーである。この作品は、マジンガーZともグレートマジンガーとも一線を画していた。なにしろ、ロボットがUFOと合体するという設定だった。
当時の私たちにとって、UFOはちょっと胡散臭い存在だった。UFOブームもあったが、それに安易に便乗している感が否めなかった。
結果、「なんか違うな……」という微妙な違和感を抱いたまま、私はグレンダイザーを見ていた。
「UFOかぁ……」
「なんか、こう……地に足ついてないよな……」
マジンガーZは“重さ”があった。地面をドシンドシンと歩く感じ、パイルダーが降りる時の質量感、その“重さ”が、ロボットとしてのリアリティだった。
だが、グレンダイザーは空を飛んで合体する。どこかふわふわしていて、「自分が乗ってる感」が希薄だった。
海外で輝いていたグレンダイザー
最近知って驚いたのだが、このグレンダイザー、当時の日本ではあまり評価されなかったにも関わらず、海外では大人気だったらしい。
とくにフランスでは“ゴールドラック”という名前で放送され、国民的ヒーロー級の存在になっていたという。
「えっ、あいつ、海外で頑張ってたんか……」
ちょっと誤解してたな、と、今は素直に嬉しくなる。少年時代には理解できなかった魅力が、国境を越えて評価されていたというのは、なんともロマンのある話である。
卒業の気配
この頃、私自身も年齢的に変化が訪れていた。ちょうど小学校の高学年から中学生へと差しかかる時期だった。
ロボットアニメはまだあったはずだが、私の関心は少しずつ他の世界へと広がっていった。
「そろそろロボットは卒業かな……」
という、“熱”の終わりのような感覚。
ただし、それは完全な別れではなかった。このあと、もう一度だけ、ロボットアニメは私を強く揺さぶる。その作品の名は…機動戦士ガンダム。
さあ!いよいよ、次章はガンダム!!
つづく~!!




