表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
7/9

第7章:超合金Zという神話

 ロケットパンチは序章にすぎなかった


 マジンガーZといえば、まず誰もが思い浮かべるのは…


「ロケットパ〜ンチ!!」


 この技は、単なる武器ではなく、巨大ロボットの常識をぶち破った衝撃そのものだった。


 それまで、ロボットの“手”とは、鉄の拳であり、握って殴るためのものだった。だがマジンガーZは、その“手”を、飛ばしたのだ。


「飛ばすんかい!!」

「しかも、肘から先、なくなっとるやん…!」


 と、ツッコミを入れたくなるのが普通である。


 だが、我々はそうはしなかった。それはあまりにも、カッコよかったからだ。


 ロケットパンチ射出後、肘から先が空っぽになった状態のマジンガーZ。それでもなお堂々としているその姿に、リアリズムの新境地すら感じたのである。


「撃てばなくなる」

「なくなったら補充する」


 このシンプルで現実的なサイクルに、妙な説得力があった。


 だが、マジンガーZの本当の凄さは、そこではなかった。私が最も心を撃ち抜かれたのは、素材である。



 マジンガーZの“材質”という革命


 そう、マジンガーZは…


 超合金Zでできている。


 …何それ? と思った。

 だが、何かすごいことだけは、確実に伝わってきた。


 これまでのロボットは、動力の説明(原子力、光子力など)はあっても、何でできているかまでは触れられていなかった。アトムが何で作られていたか、正確には覚えていない。鉄人28号も、たぶん“金属”としか言われていなかった気がする。


 だが、マジンガーZは違った。


 超合金Zという名前が、明確に設定されていた。


 この「材質への言及」は、少年たちの想像力を強烈に刺激した。超合金Zってなんだ? 鉄より強いのか? チタン合金よりすごいのか?想像も絶する金属なのに、想像を絶しない形で記憶に残る名前…それが、超合金Zだった。



 おもちゃ屋に現れた“現実のマジンガーZ”


 そして、伝説は続く。


 まさかの…その超合金ZでできたマジンガーZが、日本のおもちゃ屋に登場するのである。


「マジか…」

「超合金Z、売ってるやん…」


 当時のロボットのおもちゃといえば、だいたいがソフトビニール。軽くて、曲がって、たまに自立もしない。プラスチックでもちょっと上等な部類。


 そこに現れた、ずっしりと重いマジンガーZ。冷たくて、硬くて、鈍く光るその存在感は、まさに異次元だった。


 もちろん、厳密には本物の超合金Zではない。たぶん亜鉛合金か何かだ。

 でも、そんなことはどうでもよかった。


 あれは超合金Zでできていた。


 少なくとも、少年だった私は、そう信じていた。


 親や大人に「これ、本当に超合金Zなん?」と聞くのは、野暮というか、禁句だった。言葉にしてはいけない魔法のような前提…それが、超合金Z神話である。


 あのおもちゃに触れた瞬間、私は、フィクションと現実が接続したのを感じた。


 それまでのロボットは画面の中だけのものだった。だが、この超合金ZマジンガーZは、手のひらの中にいた。


 これは、我々の“ロボット観”が、視聴するものから、所有するものへと進化した瞬間だった…。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ