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妖の庭  作者: 神橋くない
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悟りに勇気はいらない

気を失っていた。

気がつくと夜になっていた。

昔の記憶を思い返していると、所々ポカンと穴が空いたように思い出せないところがある。思い出そうにも頭痛がそれを遮る。

今は明日のことを考えよう。


若丸は空を見上げる。そこには雲ひとつない星空が広がっていた。

「若丸として見る最後の空だ。」

若丸は星空を目に焼き付け、静かな夜を過ごした。


ー翌日ー


若丸は用意されていた服を着てカミサマの元へ行く。

「意外と見えるんだな、これ。」

守人の格好も悪くない。視界良好、伸縮性抜群。

「守人というのは戦うことが前提だ。」

氷のように冷たい目線がカオリから発している。

それもそうだ。

『おはよう。目覚めは良かったかな?』

「あぁ、俺の命日なのに妙に落ち着いているよ。」

『それは良かった。この後の流れを詳しく確認しよう。』



そして時は処刑目前。

俺は直前になると緊張するタイプだろう。

深呼吸をする。

村人たちはすでに集まっており、吹雪若丸という男は頭に布袋を覆われ、地面に座り込んでいる。まるで自分の首が落とされる瞬間を待っているかのようだ。

村全体にカミサマからの合図が鳴り響く。

この合図で吹雪若丸という男の側まで俺が歩くことになっている。

最後に深く息を吸い、ゆっくり吐く。

そして、一歩。一歩。導線についた火が爆弾に近づくかのように吹雪若丸という男の生涯に終わりが近づくのを噛み締める。

俺は若丸(おれ)の横に立った。

生まれ変わる覚悟はできている。

目の前にある命の炎を勢いよく消すことは俺の過去を否定しているも当然だ。過去の自分がなければ今の自分はない。あらゆる分岐点を経て今の自分がいる。

ひとつ分岐点を変更したら今の自分がないかもしれない。

俺は若丸(おれ)を祝福したい。

親が子にケーキを買って、「おめでとう」と言うのと等しく。プレゼントを買ってあげるのと等しく。俺は若丸(おれ)におめでとうと言って、未来(ランマル)という人生を与えたい。

俺は妖刀の柄を握り、ゆっくり鞘から引き抜いていく。

真紅の刀身が姿を現す。


誕生日おめでとう。若丸(ランマル)


俺は蝋燭の炎を優しく吹き消すように息を吐き、刀を振り下ろした。



その瞬間、吹雪若丸という男の人生の幕が閉じた。

そして、ランマルという守人の人生の幕が開けた。

〈次回予告と作者の感想〉

誕生日おめでとう!

蝋燭の火は優しく消す。これが若丸、いやランマルの美学でもあります。

なんかめっちゃ綺麗に終わってしまって、とても達成感がすごいんですが、一応脳内でほぼ完結してたり、伏線残したりしてるのでやる気があったら続けます。

頑張れ!私のやる気!

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