誕生日
今、規模100人程度の小さな村の中心で1人の男の人生の幕が閉じる。
吹雪 若丸 齢22
若丸は顔を布袋で覆われ、地面に座り込んだまま自分の首が落とされるのを待っている。
若丸の前方には村人達がおり、常にざわついている。
後方には石像のような肉塊のような得体の知れない物体がいる。その物体は痩せ細った僧侶が座禅をしているようにも見える。
村全体にホラ貝のような不気味な音が鳴り響く。
音が鳴り止むとその場は静寂が支配した。
静寂をかき消すように不気味な声がどこからともなく聞こえる。
『今より、罪人、吹雪若丸の処刑を行う。罪人は我が村の神木を何度も切り、炭にした。』
若丸に向かって軽い武装をした黒子が一歩一歩を踏みしめながら歩いてくる。
『重罪の為、処刑は守人による斬首とする。』
村人は再びざわめきを始めた。
黒子はこの村で[守人]と呼ばれている。
守人は若丸の隣に立つと腰に携えた刀を掴み、ゆっくりと真紅の刀身を露わにした。
真紅の刀身を見た村人達はざわめきを忘れ、再び静寂がその場を支配した。
守人は息を吐き、刀を構えた。
そして
守人は若丸の首を目掛けて刀を振り下ろした。
その瞬間、吹雪若丸という男の人生の幕が閉じた。