51.ブラック・スケルトン
翌日、今日は1日休みのためツバメは早くからDWOにログインして冥国へと向かっていた
興奮したメアリーはあの後早速と掲示板に写真を載せるとの事でゲームからログアウトし、その場で解散となってしまった
勿論フレンド登録済みである
「しかし、この貰った兜は使う機会があるのか?防御力が上がるから便利なんだがなぁ」
ツバメは写真撮影の際に借りていた魔鉄でできた兜を返そうとしたのだが、是非にと渡されてしまいツバメの持ち物が1つ増えてしまったのだ
普段被り物はしないツバメだが折角の貰い物なのだ、機会があれば使って見るのも悪くないだろうと思っていた
そんなことを考えていたツバメだが、目の前の変わったスケルトンを前に意識を切り替える
「お前がここのフィールドボスなんだよな 、さっきまで居たスケルトンは白かったのに真っ黒じゃないかよ」
そのスケルトンの名前はブラック・スケルトンと言い、他のスケルトンよりも少し大きくて骨の1本1本が太く、そして最も特徴的なのはその骨の黒さだろう
禍々しさと不気味さが一気に増したブラック・スケルトンを前にツバメは剣を構える
「ちょっと急いでるから早めに終わらせるぞ!クイック!」
ツバメはスキルを使って瞬時にブラック・スケルトンの元へと移動する
そしてしたから横腹を斬り込むように剣を振るう
「硬い!肉が無いから骨の硬さが直接手に響くな!」
ツバメの剣はブラック・スケルトンの骨に弾かれてしまい、ほかのスケルトンとは骨の硬さが違うと実感させられる
そしてブラック・スケルトンはそんなツバメの隙を逃さず右手に持った剣を横に大きく振るいツバメに攻撃をする
「食ら、うかあ!パリィ!」
ツバメはブラック・スケルトンの攻撃を逆に弾き返す
そしてやり返すようにツバメはスキルを発動して、隙だらけのブラック・スケルトンの身体に連撃を食らわせる
その攻撃によってダメージは入るが、ブラック・スケルトンは気にした様子も無く体勢を建て直してツバメの上から下に振り下ろし、再度攻撃する
「っ邪魔するな!まだまだ止まるかよ!」
ツバメは少し横にズレることで致命傷を避け、ブラック・スケルトンからのダメージを軽減させる
そして連撃の最大である10の攻撃を食らわせ、更にスキルを放ってダメージを稼ぐ
「さっき減ったHP、お前のHPから返させて貰うぜ!グランドクロス!」
ツバメはブラック・スケルトンの身体に火力の高いスキルを放つ
流石のブラック・スケルトンもその攻撃を受けると身体をよろめかせ、ツバメは《暗黒騎士》の効果で減ったHPを回復させる
「やっぱりすごいなこの効果は、多少の傷は気にしなくていいから無茶し放題だ!」
ツバメはブラック・スケルトンへ身体を寄せて、超近距離での斬り合いをする
致命的な攻撃は躱し、常に攻撃の手を休め無いようにする
時折スキルを放つ事でブラック・スケルトンのHPは勢いよく減ってしまい、ブラック・スケルトンは最初のような余裕は感じられなくなっていた
ブラック・スケルトンは1度距離を取ろうと後ろに下がろうとする、そんなブラック・スケルトンに対してツバメは新たに覚えたスキルを使う
「逃がさねーよ、ブラックホール」
ツバメが剣を振るうとその空間に黒い歪みが発生し、離れたブラック・スケルトンは引き付けられてしまった
そのブラックホールに触れたブラック・スケルトンは身体を動かそうとするが一切動く気配は無く、そんなブラック・スケルトンの前に立っているツバメは剣を構えてスキルを放とうとしていた
「どんなに硬いお前でもこのスキルは痛いと思うぜ!ソウルインパクト!」
ツバメ剣を振るいブラック・スケルトンの胴体に打ち込む、すると身体に触れた瞬間に剣の勢いは止まってしまう
見た目に変化は無く攻撃は失敗したようにも見えてしまうが、一瞬だけブラック・スケルトンの姿が二重に見えたのだ
この攻撃は魂に直接衝撃を与えるという防御力無視の攻撃なのである、そのため敵の身体に傷は付か無いので変化が見られなかったのである
「悪いがそこ、通してもらうぞ」
ツバメの言葉に合わせてか、ブラック・スケルトンは光の粒となって消えてしまう
ツバメは素材を拾うとその先へと歩みを進める、そしてツバメは街から冥国へと向かう途中にある大きな川の前に辿り着く
「兵士が言うにはこの川を渡らないと行けないんだよなぁ、しかし何処にも橋が見当たらない、人がいる様子もないしお手上げ状態だな」
目の前の川、赤く染ったこれを川と呼ぶのは少し抵抗があるがかなり深そうで、少し霧がかかり向こう岸が見えないがおそらく幅も広いため泳いで渡ることはできないだろう
ツバメは周りを見渡すが橋らしきものは無く、兵士は川につけば分かると言っていたがそれが何なのかは未だに検討がつかない
「どうしたもんかなぁ、急に橋が出てくるとか川の水が無くなるとかか?まぁそんな事起らないだろうけど」
ツバメがそう悩んでいるときりの奥からゆっくりとこちらに近ずいてくる何かが見えてくる
少し警戒したツバメだがそれから殺気がなく、おそらく生物でもないことが分かったため警戒を解いて目を凝らして見てみる
するとそこから現れたのは1つのボートだった
「ぼ、ボート?何だよあれ、何で人が乗って無いのに動いてるんだよ」
そのボートには人の姿は無く、オールも無ければ帆も何も無い
ただひとりでにこちらへと進み、ツバメの目の前の場所で横向きになって停止する
その摩訶不思議な体験にツバメは動揺を隠せなかった
「これに乗れってことか?いやいやいや何で俺が来たってわかったんだよ、まさか幽霊が乗ってるとかじゃないだろうな」
ツバメはそんなことを呟きながら片足を恐る恐るボートに乗せる
重みでボートが少し沈むが問題なくツバメを乗せることができ、ツバメが腰を下ろした瞬間にボートは再度動き始めた
「本当に誰も居ないし、モーターとかが着いた様子もない、なんで動いてるんだよこれ!川か!川に意思があるのか!」
ツバメはそのボートが向こう岸に着くまでの間ずっと頭を抱えて悩み、結局のところそのボートの正体を掴むことは出来なかった
後にわかった話なのだがどうやら冥国付近のこの地域では七不思議と言われるものがあるらしくその内のひとつがこの動くボートだと言い、その正体は古くから存在する不死者でも分かっていないようだった
「本当に川を渡りきってしまった、罠とかじゃ無かったんだな」
川の反対に着いたツバメはボートから降りてそう呟く
周りには待ち伏せている人などは居ないようで、このボートは本当にツバメを渡しただけだったようだ
そしてボートはツバメが降りたのを確認するとそのまま霧の中へと帰って行ってしまった
「あ、ありがとな!って言っても分からないだろうけど」
ツバメは聞こえたかどうか、伝わるかどうかも分からなかったが助けてくれた事には変わり無かったため感謝を伝える
ボートはなんの反応も示さなかったが、その後に吹いた風が少しボートからの返事に感じたのは気のせいなのだろう
誤字などがあれば教えてもらえると助かります!
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