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暗黒騎士の享楽  作者: 天鵞絨
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5.ラビット

冒険ギルドで受けたクエストの為、門を出て外にいる三人はラビットの居る草原まで雑談をしながら歩いていた


「勇者に賢者!?名前からして大分と恐れ多い職業なんだが?」


「まぁ勇者も賢者も結局私たちだけだったよね?」


お互いの選んだ職業を話していた時の事だった

アーネは《戦士》をメグは《水の魔法使い》を選んたのだが、その理由がどうやらβ時代の職業に関係したらしい


「そんなに二人とも楽しんでいたとは、許すまじき!」


「私たち、ツバメにも話してたと思うのだけど…」


もちろんツバメは二人のDWO雑談を指をくわえて見ていたが、嫉妬故、耳には入って来ていなかったのだ


「そんなことよりβの引き継ぎみたいなのってなかったのか?せっかくやばめな職業になれたのに」


β版の抽選者にはゲームとVRヘッドが贈られるのだが、せっかく手に入れた職業が使えなくなるのは少し悲しい気もするのだが


「一応あるよ!1つ称号を引き継げるんだけど、私はアロンの寵愛って称号!《光の勇者》になるのに必要なんだよねー」


「私はソロモンの知恵っていう詠唱省略とMP補正の称号ね、《賢者》になれるよう頑張るわ」


続々出て来る衝撃の事実にツバメは耳を疑ったのだが、考えても仕方ないと諦めるしかなかった

しかし、称号の話しでふと思い出すものがある


「そういえば、不屈の心って称号が増えてたんだけどなにこれ?」


こちらに来た時に手に入れた称号、ツバメ自身は後から気づいたのだが


「不屈の心?って一定の回数敵に挑戦して負け続けたら手に入る称号じゃなかったっけ?」


「時間の経過で攻撃力が上がるのよね?ここら辺だとすぐ戦闘が終わるからあまり役にはたたないと思うけど…」


二人の意見でははあまりいい印象を抱かせない称号なのだが、確かにツバメにとってあの人の波は魔物と言っても過言では無いのだろう

そうこう言っているうちに三人は目的の場所に到着した


「ツバメちゃん!初の戦闘への意気込みをどうぞ!」


「まぁ普段通り?に殺るだけだな!」


「殺るって、せめて倒すって言いなさいよ」


アーネとツバメがふざけ、メグが言葉を挟む

その和気あいあいとした雰囲気は続き、緊張は一切していない様子だった


「どう?普通の剣は馴染みそうなの?」


「そうだなぁ、まーなんとかなるだろ!」


軽く剣を振りながら、自信満々にツバメは答える

ある程度のことをそつなくこなしてきたツバメにとって、剣を使った戦闘はそこまで問題だとは思っていない

どちらかと言えばゲームのシステムがどの程度関与してくるかが不安だと思っているそうだ


「クエストは一人三匹の討伐だけど、いっぺんに来ないかなー?」


「お?早速お出ましだな」


少し離れた位置、二匹の角の生えたウザギの魔物、ラビットが草原の草をせっせと食べていた

こちらに気づく様子もなく、ツバメはゆっくりと近づき奇襲をと考えていた、しかし


「アクア・ボール」


「スラッシュ」


遠くから魔法で倒すメグ、瞬時に近づき剣を振るうアーネ、その2人によって二匹のラビットは光の粒へと変わり、素材がその場に落ちる

初戦闘と意気込んでいたツバメは、肩を震わせながら二人へと声を掛ける


「おい、俺の分は?」


「つ、ついβ時代のくせで」


「魔即斬しちゃった☆」


おそらくβ版で最前線を走ってたであろうこの二人、考える前に行動に移るのは流石としか言いようがないだろう

ラビットは、Lvが低かったのかどちらも一撃で倒れたので、ツバメが参加する暇もなく終わってしまった


「次は俺の番だからな!邪魔するなよ!」


そう二人に言いつけ、剣を片手に次の獲物を探し始める

先程のアーネの動きを思い出しているのか、剣を握る手が少し動いているようにもみえる


「気をつけるわよ、ほらあっちに居るみたいよ?」


メグが指をさす方向には先程と同様、呑気に草を食べているラビットが居た

数は三匹、それを見たツバメは目を輝かせていた


「一人で大丈夫?二匹ぐらい引き受けようか!」


「問題ない、むしろいっぺんに済ませれて好都合だ!」


アーネの提案には目もくれず、目の前の敵に顔を向ける

強さが分からなかったため、先程のツバメは慎重にと考えていたのだが今度は逆、勢いで三匹まとめて相手しようと考えている


「まずはお前だ!スラッシュ!」


アーネと同じように急接近からの攻撃スキル、速さは少し劣るものの、ラビットがすぐさま反応することは出来ず首元を剣で切り落とされ、光の粒となる

残った二匹が遅れて敵の存在に気づき、自身の角先をツバメに向け飛びかかる

ツバメは片足を軸に半身になって避け、そのまま一匹の角を掴むと


「ほらよ!っと」


掴んだラビットを勢いそのまま、飛びかかっていたもう片方のラビットと衝突させる

二匹のHPが微かに減り、身動きがとれないまま重力に従い地面へと向かおうとのだが、ツバメは既に剣を構えた状態だった


「纏めて貫くぜ!スピア!」


構えた剣を前へと押し出し、同時に二匹のラビットを空中で貫く

ラビットはそのまま光の粒となり消えてしまい、足元に素材を落としていく

ラビットの素材を拾い、ツバメは二人の方へ振り返る


「いい感じだな!問題なく動けそうだ!」


ゲーム内でどこまで動かせるのか、スキルや剣の使用感も含め大満足といった表情で二人のもとへ戻る

初めての戦闘、それも多対一を難なくこなして見せたツバメに対し、驚きと納得の眼差しを向ける


「大丈夫だと思ってはいたけど、これは流石としか言いようがないわね」


「凄かったよツバメちゃん!スキルもちゃんと使えてたし、スムーズに動けてたね!!」


二人に褒められ、どこかこそばゆいものを感じながらツバメはクエストを確認することにした


クエスト[ラビットの討伐] 3/3

クエスト[薬草の採取] 0/3


誤字などがあれば教えてもらえると助かります!

また、感想、ブックマーク、いいねをしてくれると凄く喜びます!


m(_ _)m

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