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暗黒騎士の享楽  作者: 天鵞絨
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48.暗黒竜アクネス

怪しい人物の調査から始まり、黒い竜という強敵との戦いに勝利することが出来たツバメ

暫くは激しい戦いの余韻に浸っていたが、街の兵士にクエストの報告を済ませようと動き出した時に不思議な感覚に襲われる


(ほぉ、下位の竜とは言え我の眷属を倒すとは!小さき者よ、なかなかやるではないか!)


ツバメの頭の中に重みのある声が鳴り響く

周囲を見渡すがその存在は目の届く所には居ないようで、ツバメはひとまず大声でその存在に語り掛けてみる


「誰だお前は!眷属って、この竜の親玉か?」


(その通り!我はこの世界を創りし竜、暗黒竜アクネス!覚えておくが良い、小さき者よ!)


ツバメの声は向こうに届いているようでツバメに語り掛ける存在、暗黒竜アクネスはツバメの質問にそう返事をするのだった


「さっきから小さき者って、アクネス!俺はツバメだ、覚えておけ!」


(ふむ、ツバメと言うのか!先程の戦いは見事だったぞ!空も飛べぬ人間が竜を討伐するなど、もう数百年は見てなかった!)


ツバメがそう言うとアクネスは黒い竜との戦いを勢いよく賞賛し始めた

どうやらこの世界で竜を討伐した人間は中々居ないようで、アクネスが見た中で最後の討伐者から数百年の時が経っていたようだ


「ありがとう、ってまさかずっと見てたのか?」


(お主が持っているそのペンダントは我の鱗で出来ておってな、それに導かれて召喚されてしまった眷属を通して見させてもらった!)


どうやらアクネスは眷属を通してこちらを覗いていたらしく、覗いた先に居た人間を見てペンダントを持つ資格の無いものだと判断したようだ


(どんな人間かと覗いてみればあの様な人間共が召喚するとは、下位黒竜にすぐ消すように命令したがツバメはただ巻き込まれただけとわな!)


アクネスはツバメも仲間だと勘違いして眷属である黒い竜、下位黒竜を襲わせたようだ

そしてその後の戦いを見て違うと判断したのだが、ツバメの戦いを最後まで見たくなって止めなかったと言う


「笑い事で済むか、危うくデスポーンする所だったぞ!それになんでこのペンダントが街中にあったんだよ」


(どうやら以前の持ち主が既に死んでいたようでな、運悪くあの者共に渡ってしまったのだろう)


どうやらこのペンダントには元々持ち主が居たようだ

その人物がいつ亡くなったのかは分からないが、持ち主の居なくなったペンダントは次々と持ち主を変えて今に至るらしい


「そうだったのか、それならこれは返さないとな!短い時間だったが、少し寂しいな」


(そのペンダントは返さなくて構わんぞ?次の正当な持ち主はツバメなのだからな!大事に持っているんだぞ!)


ツバメがペンダントを手に寂しそうに返そうとする

しかしアクネスはツバメに持っておくよう伝える、どうやらツバメはいつの間にか正当な持ち主とやらになっていたようだ


「正当な持ち主?返さなくて良いなら貰っておくけど、その正当ってのは何だ?」


(前の持ち主であった人間もそうだが、このペンダントは我の眷属を倒した者に本来渡す物なのだ!このペンダントは持つ者に新たな道を示し、そしてこの暗黒竜アクネスに挑む権利の証なのだ!)


ツバメの持っているペンダントはどうやら想像以上に凄いものだったようだ

新たな道とは職業の事、このペンダントを手に入れたのはツバメが初めてだろう、ツバメは未知の職業に少しワクワクしている

そして最もツバメを興奮させているのはもう1つの方、この世界を創ったと言われる竜、暗黒竜アクネス本体に挑むことが出来ると言うのだ


「それは、このペンダントを手放せなくなってしまったな!アクネス、お前がいる場所ってのは何処なんだ?」


ツバメはペンダントを握りそうアクネスに問う、既に頭の中はこの未知の強さを味わいたいという気持ちで一杯だった


(我はこの先にある国の更に奥にある山に住んでおる、最も我に辿り着くまでにこの下位黒竜よりも強いものが沢山おるがな!ツバメよ、強くなって挑みに来るが良い!)


アクネスは自身の居場所をツバメに伝える

何百年と待ち続けた挑戦者なのだ、アクネスはツバメに楽しみにしていると伝える

するとツバメの持っていたペンダントが淡く光り、黒いだけだった宝石の中に薄らと竜の目の模様が浮かび上がって来た


「これが、このペンダントの本当の姿だったのか」


そのペンダントは姿と共にアクネスのペンダントという名前に変わっており、その効果は先程説明された事が書かれていた


(それではツバメよ、楽しみにしてるぞ!)


「近いうちに行ってやるからな、首を洗ってまってろよ!」


ツバメがそう言うと、アクネスの声は脳内から完全に消えてしまった

ツバメは少しペンダントを眺めた後、ハッとメニューを開き時間を確認する


「不味い!もうこんな時間か!」


時刻は7時を回っており、既に隼野手によって食事の準備がされている頃だろう

ツバメは急いで街に戻りログアウトをするのだった


誤字などがあれば教えてもらえると助かります!

また、感想、ブックマーク、いいねをしてくれると凄く喜びます!


m(_ _)m

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