34.イベント報酬
「さて、報酬の確認をするか」
見事に1位を獲得したツバメ、そして上位入賞を果たしたアーネとメグは使徒の帰っていく姿を見送ると、再度喫茶店へと入ることにした
今回のイベントの報酬がメールにて送られており、三人はその確認をしている
「5位より下の順位だとこのメールで確認できるみたいね」
「私貢献度ランキング何位だろうなー」
メールには自身のランキングが細かく分かるようになっているようで、二人は使徒から聞けなかったランキング部分を想像していた
ツバメも二人の会話を聞きながら自身のメニューから運営から送られている報酬のメールを開く
▷▷▷
おめでとうございます、今回のイベントで貴方は貢献度ランキング592位最大火力ランキング3位、総合ポイントランキング1位の成績を残しました
報酬として合計1950コインの贈呈をさせて頂きます
このコインはメニューからイベントショップを選択すると使用することが出来ます
▷▷▷
運営からのメールには各ランキングの順位、そして報酬のイベントコインが送られていた、ツバメも多少ヒールなどを使用していたため低過ぎることはなかったようだ
「私は全体的に上の方だったけど10位には行かなかったわね、途中図書館に行ったからかしら」
「私貢献度はそこまでだったなー、どちらかというと助けてもらうことが多かったしね!」
二人ともランキングには納得する部分が多いようで笑って感想を話し合う、ツバメも自身のランキングを二人に伝え感想を言う
そして三人はそのままメニューに戻りイベントショップを開いて確認する
「お、色んなものが売ってあるな!これは今日中に決まらないかもしれないな!」
「見て!敷地も売ってあるよ!すごく高いけど!」
イベントショップに売ってあるのは素材、ポーション、装備、称号、敷地、その他アイテム、ベル変換となっていた
それぞれ必要となるイベントコインは違っており低くて50、多くて5000のイベントコインが求められている
「これは今じゃなくて貯めてもいいってことよね、さらに悩むわね」
「装備とかは新調したい気もするからな、じっくり見ていくか!」
三人は一つ一つに反応を示しながら確認を進める、確認だけでも苦労するのだがその様々な種類の中から選ぶのはさらに苦労する
「これとこれは選んでもいいな!あと1つぐらい選びたいがどうするかな」
ツバメは装備、そして称号を決めることが出来たのだが余ったイベントコインの使い道を考える、勿論残しておくことも1つの手なのだが折角の初イベントということもあり使い切りたいという思いがあった
悩みに悩んだツバメは残りの1つを決め終わると二人の方へと顔を向ける
「決めたぞ!俺はこの3つにしたぜ、」
ツバメが選んだものは装備から魔鉄の鎧、称号から《エレスの祝福》、その他アイテムから職業転職券となった
装備から650、300、1000のイベントコインを使用し、合計は報酬の1950丁度になっていた
「魔鉄の鎧にしたんだ!普通の鉄より大分と防御力が上がるよね!」
「ああ、それにこの鎧が職業の騎士に合ってカッコイイんだよな!」
魔鉄はその名の通り魔力の帯びた鉄なのだが、ファンタジー金属の代名詞であるミスリルに近い効果がある
その魔鉄で作られた鎧は少しの装飾がされており、腰から広がる白い布には青い刺繍が施されている
「《エレスの祝福》、闇属性の強化にしたの?闇属性なんて持ってたかしら」
「ナイトヒールがあるから《聖職者》から《闇の魔法使い》に転職しようと思ってな」
闇の神エレスからの祝福によって闇属性の効果が強化されるという称号、ツバメは二人の魔法を使う姿を見て少し羨ましいと思っていたため転職することにしたそうだ
「じゃあ職業転職券は今使うの?勿体ない気もするけどなー」
職業転職券は職業Lvを次の職業に引き継いたまま転職出来るというもの
アーネの言う通り初期職業である《聖職者》はLvが上がりやすいためおすすめはされないのだろう
「職業転職券は別で使おうと思ってな、もうすぐ騎士のLvが10になるからそこの転職でな」
「なるほどねー、でも見つかってない職業目指すって言ってたからだいぶ先になるかもね!」
ツバメは物語に登場する職業を目指そうとしているのだがなんの宛もないため時間がかかってしまうだろうと思っていた
そのためこの職業転職券でLv上げの時間を埋めようと考えていた
「それじゃそろそろ解散するか」
アーネやメグもイベントコインの使い道を決め終わると少し遊んでから解散となった、明日からは学校もあるため準備のために早めにゲームを終わらせる
ツバメはログアウトをしてリビングへと向かう
「隼兄!俺イベントで1位とったぜ!」
燕はリビングに入るとすぐさまキッチンに立っている隼にそう伝える、先日にした約束である上位入賞の褒美の催促である
隼は目を輝かせている燕を見て微笑みながら口を開く
「見てたよ燕、まだ少し時間がかかるから上で待っていてくれるかな、お祝いの準備が出来たらすぐに呼びに行くよ」
隼もDWOの中でイベントのランキング発表を見ていたらしく、燕が上位に入っているのを見るとログアウトをして夕食の仕込みに取り掛かっていた
「わかった!楽しみにしてるぜ!」
隼の言葉を聞いた燕はすぐさま来た道を戻っていく
自分のお祝いのために頑張ってくれているため、折角ならネタバレなしで楽しみたいと燕は思っていた
「明日の準備をするか!」
燕は夕食までの間に学校の準備や授業の予習、余った時間でDWOの掲示板などを見て時間を過ごした
そしてそんな事をしているうちにお待ちかねの時間がやってくる
「お待たせ燕、準備が出来たからリビングにおいで」
「ありがとう隼兄!すぐに行く!」
隼の声にすぐさま反応した燕は、少し急ぎながらリビングへと向かう
そしてリビングに入るとテーブルには様々な料理が置かれていた
「うおおお!どれも美味しそうだ!」
「腕によりをかけて作ったからね、冷めないうちに食べよう」
テーブルの上にはグラタンにパエリア、ローストビーフや生ハムサラダ、コーンスープとポテトサラダなど沢山の料理が大皿に載せれている
燕は料理に目を奪われていたが隼の言葉を聞いて席に着く
「それじゃあ燕、イベント1位おめでとう」
「ありがとう隼兄」
「「いただきます」」
隼は燕のイベントを祝い、燕はそれにお礼を伝える、そしてお互いに手を合わせて食に感謝する言葉を言う
燕は豪華な夕食を次々に食べ進め、毎回美味しいと隼に伝えている、そんな燕を見て隼は嬉しそうに微笑んでいた
誤字などがあれば教えてもらえると助かります!
また、感想、ブックマーク、いいねをしてくれると凄く喜びます!
m(_ _)m