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暗黒騎士の享楽  作者: 天鵞絨
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3.待ち合わせ

テトとの会話が終わり扉の奥へと進んだツバメは、目に入ってきた辺りの光景に驚いた


「すっげー、人しか見えねぇ」


おそらくは広場なのだろう、しかしそれしか分からないほどの人だかりなのだった

個数制限があるとはいえ多くの人が我先にとログインしたのだろう、ツバメもまたその1人なのだからその気持ちがよく分かるのだった


「しっかし待ち合わせ場所まで行けるのか?これ」


友人二人と噴水前で待ち合わせをしていたツバメだが右も左も身動きが取れない、そもそもどちらに向かえばいいのかすら今の状態では分からないのだろう


「確かメニュー欄に地図があるんだっけ?」


そう言ってツバメはメニューを思い浮かべる、すると少し透けているメニューという文字が目の前に浮かび上がってくる

そのメニューの文字を指先で触れ、一覧の中から地図の文字を探す


「おっ、あったあった!これで噴水の場所まで行けるな!」


地図を確認すると今いる場所は噴水前広場、そして噴水が後ろの方にある事が分かる

そして何故か自分を示すマーカーが噴水から凄い勢いで遠ざかっていくのが確認できたのだった


「なんだこれ!どうなってるんだ?」


周りの人達が一斉に同じ方向へと、冒険ギルドへ進んでいるため、囲まれていたツバメも同じ方向へと流されてしまっているのだ

負けじと人をかき分け噴水へと進もうとするのだが、1歩進めば2歩も3歩も下がってしまう状況、どうすることも出来ないであろう


「くっそぉ!負けてたまるかぁ!」


諦めないその姿はまるで魔王に挑む勇者そのもの、しかしLv1の勇者がラスボスに叶うはずもなく、ツバメはそのまま人の波に飲み込まれてしまうのだった


「わぁー!あーれー!」


その後も何度も挑戦するのだが、時間が経ち、人が減るまでの間決して噴水前までたどり着くことは無かった


称号《不屈の心》を獲得しました



「あ!つばめちゃーん!!」


何とか噴水前まで来ることの出来たツバメは見知った顔の二人を発見する、小動物のような友人と落ち着いた雰囲気の友人

その片方、小動物のような友人がこちらに向かって飛びかかってくる


「飛びついてくるな!危ないだろ!」


「ハァハァ、この程よく小さいお胸、長く綺麗な銀色の髪、そしてそのまるでサファイアのように光る宝石のような瞳、完璧だ!どこをどう撮っても完璧だよ!つばめちゃん!」


バシッ!そう気持ちのいい音が鳴り響く

頭の上をひっぱたき、何とか引き剥がすことに成功したツバメは、その友人を鋭い目付きで睨みつける


「あいた!なんでそんな酷いことをするのさぁ!」


「うるさい!自分の胸に聞け!」


そういいつけツバメは自分の胸を揉んだ友人を見やる、彼女は自身の胸に手を当てると、その胸を見せつけるかのように弾ませた

ツバメはその行為に対し、先程と同様に暴力で対応しようとするが


「もー、そんなに怒ってたら綺麗なお胸が台無しだゾ!」


ゴツ!平手だったのが握りこぶしに変わる瞬間であった

もう一度天誅をと友人にじりよるツバメに、もう一人の友人が声をかける


「はーいそこまで、これ以上は時間がもったいないよ?」


そう言うと頭を抱え、しゃがみこんでいる彼女に対し手を差し伸べる

その優しさに頭を抱えていた彼女は感謝の気持ちと、もう少し早ければと愚痴をこぼす


「助かったー、でも止めるならつばめちゃんが殴る前に止めてよー」


「それは嫌よ、多数の女性を代表して正しい行為だと思うわよ?それよりそろそろ自己紹介をしましょ?まだこっちの名前知らないんだから」


このような掛け合いができるのは仲が良いからなのだろう

三人はそれぞれ自分のプレイヤー名を教え合うのだった


「じゃあまずは私から、名前はメグよ、少し単純だったかしら?」


薄い青から黄緑になっていくグラデーションの色をしたショートヘアとエメラルドのような瞳をした、メグこと大沢 恵

同級生の女子より少し身長が高く、落ち着いた性格、このグループでは彼女達の保護者役をやっているのだとか


「次は私!名前はアーネ!よろしく!」


背は少し小さめで、金色のツインテールに赤いルビーのような瞳、アーネこと上城 茜

重りを抱えているにも関わらず体力と運動神経がずば抜けて良く、太陽のように明るい性格の持ち主である


「最後は俺か、名前は色々悩んだが結局ツバメにした、まぁ向こうでの言い間違えとかは無くなるから安心だな!」


サファイアのような青い瞳と腰まで届く銀色のロングヘアー、ツバメこと天坂 燕

実は文武両道、体力が高いというわけではないが、どれもそつなくこなすことができ、人望も厚いのだとか


簡単な自己紹介が終わり三人はフレンド登録をする

メニューから確認すると、確かにアーネとメグが追加されていた


「それじゃあまずは冒険ギルドか?」


「そうね、冒険ギルド登録と初期装備を貰いに行きましょう」


そう言うと、三人は和気あいあいと冒険ギルドへと進んで行く

先程と比べ人の数が落ち着いているが、それでもまだかなりの人数が残っている


「さっきはかなりの人だかりだったけど、もうみんな外に行ったのかな?」


「戻ってくる前に冒険ギルドを出れたらいいけど…」


アーネとメグのそんな会話を聞きながら、ツバメはどうゆうことかと首を傾げる


「なんで戻ってくるんだ?さっき冒険ギルドに居たばかりなんだろ?」


「冒険ギルドの登録には討伐、採取クエストを達成する必要があるのよ、報告完了でようやく冒険ギルドの登録完了ね!」


「急がないとさっきの人達が押し寄せてくるよ!」


そんな言葉は直接被害にあったツバメには効果的で、少し汗を流しながら急ぎ足になる


「それは、本当に、嫌だ!」


そんなこともあってか冒険ギルドに着くのは予想より早かった

誤字などがあれば教えてもらえると助かります!

また、感想、ブックマーク、いいねをしてくれると凄く喜びます!


m(_ _)m

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