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暗黒騎士の享楽  作者: 天鵞絨
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2.案内人

少しの浮遊感と激しい光、妙な音楽が流れたあと、目の前が暗闇に包まれる

元々目を閉じていたので暗闇が戻ってきたと言う方が正しいかもしれないが、燕はゆっくりと閉じた瞼を開く

すると視界には、灰色の毛としっぽの先に青いリボン、アニメ寄りに描かれた可愛いらしい顔のネコが映り、こちらを覗いていた


「始めまして!Different world onlineの世界へようこそ!」


「うわっ!」


急な歓迎に心の準備が出来ていなかったため、燕は驚いた拍子に後ろへと倒れ込んでしまった

真っ黒な空間、しかし決して暗くはなくネコの姿や表情はしっかりと視認できているようだ


「大丈夫かい?驚かせてしまったかな?」


燕を心配そうに眺める喋るネコ、未だに鼓動が落ち着いてくれないようだが何度か深呼吸をし、ネコへの返事をする


「大丈夫だ、少し驚いたが問題は無い」


もちろん少し所では無かったのだが、幸い怪我は無く、そもそも出来もしないため、燕は問題ないと返したのだが


「いやー良かった!君みたいな反応をする子がいると思うと、ついやっちゃうんだよねー!ごめんね、でも大丈夫そうで良かったよ!」


「ちっとも大丈夫じゃねぇよ!このクソネコが!!」


大仏も笑顔でビンタをするであろうこのネコに、見事に燕は翻弄されているようだ


「じゃあ、そろそろ落ち着いきたみたいだし自己紹介を始めようか!僕の名前はテト!ここで案内係をしているAIだよ!」


ペースを完全に持っていかれ、苛立ちを隠せない燕だが自身をAIと名乗るテトに疑問を感じる


「落ち着いてねぇよ!ってAI?」


「そう!純度100%のAI、中に人なんか入っていないよ!」


驚くことに自由気ままなこのネコは、ゲーム会社の運営で人が操作しているのではなくAIなのだと言うのだが、あまりの出来の良さに燕は驚きを隠せないでいた


「噂には聞いていたが、まさかここまで凄いとは思っていなかったなぁ、正直この腹黒さ、人が入っていると思ったんだが」


「嬉しいねぇその反応、まぁ最初は誰でもそう思うよね!この世界の住人たちも喋り方、姿、その全てがリアルなんだ!だからただのNPCだなんて思っちゃいけないよ?」


案内係でこの自由さなのだ、第1の村人が村の名前だけを言って終わることも、同じことを何度も言わされることも、おそらくは無いのだろう


「それじゃあ、さっそく始めようか!まずは名前から聞こうかな?」


漸くと本題に入った様で、燕は少し前に決めた名前を伝える


「俺の名前はツバメ、カタカナでツバメだ」


色々と名前を考えてはいたのだがどれもしっくりこなかったため、諦めてしまったようだ

他にはアマメ、ツバサカ、ツバツバなどの名前が候補に上がっていたのだとか


「了解、ツバメだね!次はキャラメイキングだけど、性別だったり、身長や姿を大幅に変えるなんてことは出来ないんだよね!髪や目、肌の色なんかを変えたり、髪の毛を少しいじることはできるよ!」


「そうか、大幅にいじったりは出来ないのか…」


テトの説明を聞くと少し寂しげにそう呟き、自身のキャラメイキングについて考え始める


「髪の色を銀にして目の色を青くすることは出来るか?」


「それぐらいだったら、ちょちょいのそいさ!」


そう言ってテトが光る粉をツバメにふりかけると、段々と髪と目の色が銀色、そして青色に変わり始めてく

ツバメは光る粉に少し驚いたが、いつの間にかテトが鏡を持ってきたため、そちらの方へ顔を向ける


「意外だな、雰囲気がガラッと変わった気がする、…悪くないな」


「うんうん!いい感じだよ!他に変更がないなら、向こうに着いた後について説明するね!」


ツバメの喜ぶ姿に満足したテトは、この場所でのやることは終わったのか次についての説明が始まった


「向こうに着いたらまずは広場に出る、メニューに地図があるからそれで確認するといいよ!もし用事がないのなら、そのまま冒険ギルドに向かうといい、渡り人である君たちを手厚くもてなしてくれるさ!」


おそらく残りの説明は冒険ギルドがしてくれるのだろう、ツバメは冒険ギルドという言葉に目を輝かせていた

その様子を眺めていたテトは、ゆっくりと目を閉じ、下を向き、今までの軽い口調とは裏腹に少し重みのあるしっかりとした口調でこの世界について語っていくれ


「この世界は神々と真なる竜によって作られた世界

様々な土地があり多くの国や都市がある

そこに住まうは様々な種族、生物、次元の歪みによって生まれた魔物達

この世界で何をするのか、何を成し遂げるかは君次第である

この自由な世界を謳歌し、君の物語を見してくれ!」


テトの言葉を聞き、ツバメは胸が高鳴り、熱く燃えるような気持ちが込み上がっていた

これから始まる新しい世界に、物語に、そして出会いに、想像するだけで心が踊っていた

そんなツバメの様子を見たテトが手を前に出すと、白い扉がゆっくりと現れてくる

この扉の先に、DWOの世界が広がっているのだろう


「ツバメ、君がこの世界を楽しんでくれることを心から願っておくよ」


「ありがとう、行ってくる!」


そう言うとツバメは白い扉に手をかけ、ゆっくりと開いていく

奥から明るい光が差し込み、まるでこの世界がツバメを歓迎しているかのように思える光景だった


「さぁ、冒険の始まりだ!」

誤字などがあれば教えてもらえると助かります!

また、感想、ブックマーク、いいねをしてくれると凄く喜びます!


m(_ _)m

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