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【完結済】不思議な桜が繋いだ縁【仮】  作者: 三愛 紫月
荻野美花

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幸せな日々

「出来たよ。食べようか」


「うん、いただきます」


美鶴(みつる)は、私がご飯を食べると物欲しそうな顔をして見つめる。


トロリとするその顔、性欲の対象であるのをマザマザと見せつけられる。


今までの私は、こんな対象にされていなかった。


女であるのを認められる事の幸福。


他人からこのような視線を向けられれば、嫌悪の対象になるのだけれど、愛する美鶴からならこんなにも嬉しくて幸せなのだ。



私が、口に食べ物を持っていくとゴクッと喉を鳴らすのだ。


「はぁ、はぁ、美味しい?」


「うん。美味しい」


息づかいが荒くなり、唇の端にときより涎がでている。


「美鶴、ついてる」


「ごめん」


それを、わざとらしく拭うと美鶴の顔はさらに赤みを増すのだ。


それを見て、こんなにも欲情している自分が情けない。


「ごちそうさまでした」


「はい」


美鶴は、満面の笑みで微笑む。


膨らんだそれをどう処理しているのだろうか?


見つめた私と美鶴の目が合う。


「大丈夫しなくても、いってる」


耳元でドキリとする言葉を言われて、私は美鶴を見つめていた。


心臓が、ちぎれるほどに鼓動を叩く。


人によって、いろんな(へき)があるのは、知っている。


だから、デブ専で働けと言われた事もある。


じゃあ、美鶴のそれはなに?


美鶴は、お皿を下げてカチャカチャと洗っていた。


「美花」


「なに?」


「後で、シャワー浴びるね」


「うん」


そう言うと、またお皿洗いを始めた。


美鶴は、お皿を洗い終わるとマグカップにカフェインレスのコーヒーを二つ注いでもってくる。


「気持ち悪くない?」


下着が、汚れているのではないかと私は気にした。


「大丈夫。美花を見てるだけで、何度もイクから。かえるだけ、無駄」


その笑顔に体の内側から、感じた事のない刺激が走った。


これが、多幸感!なのだろうか?


「涎、でてるよ」


唇の端を拭われた。


「私、変だ。」


コーヒーを飲んだ。


「気にしないでよ。俺の方が変だから…。」


美鶴は、そう言ってコーヒーを飲んだ。


美鶴が、私にキスやその先をしないのは、太っているから?


嫌な思考に持っていかれていった。


その状態で、大学に入った私は、今までよりも酷いいじめに苦しんでいた。


「あー。デブ。クリーニング代、2万円」


「すみません。明日持ってきますから」


私は、美鶴のご飯を口にしなくなった。


美鶴は、常に苦しんでいた。


あの表情を出さなくなった。


苦しみ続けた美鶴は、初めて私と繋がってくれた。


「あぁっ」


やっとだ。


やっと、美鶴が私を抱いてくれた。


それからは、毎日のように美鶴は私を欲しがった。


幸せ



幸せ?


「はぁ、はぁ、美花。綺麗だよ」


あの顔を、しないじゃない。


あの顔を、見せてくれなくなった。



体は繋がり合っているのに…


「んんっ、っっ」


「美花、可愛い。愛してるよ」


言葉も沢山くれるのに…


どうして、こんなに空っぽなの?


「どうしたの?美花」


「ううん、何でもない」


それは、嘘。


大嘘だった。


私は、満たされていない。


美鶴、私は、満たされないの。


肌を重ねれば、重ねるだけ、美鶴を信じられなくなった。


「エッチしたら、幸せになった。前より、好きだって思ったし、信じれるようになったの」


大学の人が、話していた。


そんなのは、嘘だ。


大嘘だ。


私は、美鶴とエッチを飽きる程、毎日のようにしている。


休みの日なんて、丸一日している。


なのに、空っぽは広がっている。


空洞が、広がっていく。


美鶴が、傍にいるのに…。


どうして、満たされないの?


あの日々のような幸せがないの?


あの日々に感じた絶望よりも、数千倍の絶望。


それとともに、初めてきた感情、孤独。


それが、もっと苦しくて死にそうで息が出来ない…。


「美花、大丈夫?悩み事?」


美鶴は、私を抱き締める。


「何でもないよ」


何でもないと言えば言う程に、寂しいや悲しいを口に出せないでいる。


「美花といるの、凄く幸せだよ」


「私もだよ、美鶴」


沢山の言葉をもらってるのに、沢山肌を重ねてるのに…。


空しくて、寂しくて、孤独で


どうしてなのかな?


絶望と孤独の渦の中を、私はグルグルと漂っていた。


それは、抜け出せない泥のような日々



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