表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結済】不思議な桜が繋いだ縁【仮】  作者: 三愛 紫月
霊魂うつし

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

90/199

流れる日々

「師匠、もう少し宝珠に優しくしてあげてもらえませんか?」


「私は、優しくしておるよ。二条」


「もう、いいのです。」


いつだって、諦めていた。


.

.

.

.


「師匠、私は、人ではないと言うのですか?」


「いつの世も、お前が人であった瞬間(とき)など存在しないのだよ。宝珠。下らない価値観に、振り回されて、自分の存在意義を忘れるな。私をガッカリさせないでくれ」


私が、存在する理由は鍵として生きる事だけだ。


最初から、人ではなかったのだ。


.

.

.

.

.


糸埜(いとの)は、両親がいるからわからないんだよ。愛されていない私の気持ちなど」


「宝珠、待ってくれ」


「もう、構わないでくれ。私は、糸埜とは違う。」


糸埜の包み込むような愛を、私は、いつだって拒否した。


小学6年の夏休みから、私は、糸埜がくれる。

優しい愛を忌み嫌うようになった。

愛されているものの愛は、愛されてない私にとって辛すぎるだけなのだ。


.

.

.

.

.


豊澄(とよす)が、死んだのですか?」


「あいつは、鍵として立派な最後やったよ。」


「鍵として」


15歳の夏に、愛すべき大切な親戚のお兄ちゃんが死んだ。


私の世界は、どんどんと暗闇に引き込まれっていった。


.

.

.

.

.


「宝珠、辛いなら泣きなさい。私に全て話してください。宝珠をわかるのは、私だけですよ。」


「二条さん、もうやりたくないんです。」


同じ能力を持つものとして、互いに支えあった。


二条の死は、師匠だけじゃなく私も堪えたのだ。


それでも、師匠はわかってはくれなかった。


私の愛する幽体達を、抹消する事しか考えていなかった。


いつしか、師匠に勝つ事しか考えていなかった。


師匠亡き後、生きている意味がわからなくなった。


.

.

.

.

.


「復讐心だけをぶら下げて生き続ける事など不可能ですよ。宝珠」


久しぶりに再会した、千川五条(せんかわごじょう)に言われた。


「生きてるか死んでるかわからない。だから、沢山の人にビジョンを届けに行っている。」


「それが、宝珠の今の生きる糧なのか?」


「そうかもしれない」


「宝珠、あいつを憎み続ければいつかその毒を飲み干してしまう。わかるか?闇に落ち、化け物になってしまうぞ!そしたら、二度と人にはなれぬ」


五条は、私の為に泣いた。


.

.

.

.

.


「うわぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁ」


【完了した。宝珠。良き器じゃ】


「はぁ、はぁ、はぁ」


腐った膿の匂いと、生臭い血の匂いと焼け焦げた肉の匂いに目を開いた。


「宝珠、もう人ではないのだな」


糸埜(いとの)は、正気を取り戻し私の手を取った。


右手は、真っ黒だった。


「宝珠、よく耐えましたね。死なずに生きていてよかった。」


喜与恵(きよえ)に言われ鏡を差し出された。


一気にストレスがかかったせいで、金髪のサラサラヘアーは、白髪に変わっていた。


「おしゃれですね」


眉毛も真っ白に抜け落ちていた。


笑った歯からは、血が滴り落ちていた。


瞳も真っ白に染まっていた。


「カラコンしなければ、気持ち悪いですね」


私は、喜与恵に笑いながら鏡を渡した。


「あの方の血を300も喰らって生きていたのは、能力が強いからですよ。私でも、100しか飲んでいません。この容姿のある程度は巫女の血で戻るかもしれません」


喜与恵は、私を抱き締める。


【宝珠がいなければ生きていけない。普通の幸せを選んで欲しかった。】 


能力が強くなり、まだコントロールが出来ないせいか、喜与恵の心が読める。


「宝珠」


【私は、宝珠を弟に思い生きてきた。いなくなったら、私は、もう何のために生きていけば。二条亡き後、宝珠のみが頼りなのだ】


涙が、とまらない。


愛されているのをわかっていた。


でも、もっと愛されていたのを化け物になってしるなんて…。


それでも、私の一番は幽体だから。


許して欲しい。


そのようにしか、生きる事が出来ぬ私を許して欲しい。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ