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【完結済】不思議な桜が繋いだ縁【仮】  作者: 三愛 紫月
冴草健斗

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会わしてあげたい

車に乗り込むと冴草健斗は、座っていた。


「あの、いつもならいないですよね?」


「そうだね」


私は、冴草健斗を見つめる。


『一日でいい、この体の全てに凌平を刻み込みたい。』


「肉体は、もう存在しませんよ。」


『わかってよ、三日月先生。肉体がないのに、苦しいんだよ。痛いんだよ。凌平に会ったら、もっともっと一緒にいたかったんだよ』


「浜井凌平から取り除いた感情を自分に取り込んだのですね。」


私は、冴草健斗の胸に手を当てる。


「三日月さん、どうにかできるのですか?」


宮部さんの言葉に先程思い出した事がよぎった。


糸埜(いとの)に会いに戻りましょう」


「三日月さん、どうにか出来るのですか?」


「わかりませんが、やってみましょう」


そう言って私は、車を出した。


『三日月先生、許してよ。俺を許してよ。』


「私は、冴草さんを怒っていませんよ。お気持ちは、よくわかります。私も、もう一度触()れ合いたい人がいますから。」


『三日月先生』


「大丈夫ですよ。冴草さんの願いを私が叶えますから」


私は、神社の近くの駐車場に車を停めた。


「行きましょうか、宮部さん」


「はい」


宮部さんと神社にもどる。


「あの、三日月さんのもう一度触()れ合いたい人って」


「あぁ、若い時の恋ですよ。」


「亡くなったのですか?」


「そうです。」


そう言って、宮部さんに笑った。


宮部さんを好きな気持ちがあるのに、冴草さんを見ていたら真琴を思い出してしまうなんて…。


一日でも、ここに刻み付けたい。


とても、よくわかりますよ。


「お帰りなさい、宮部さん。三日月さん。」


案内人が、出迎えてくれた。


「案内人」


「はい、何でしょうか?」


「三日月の霊魂(れいこん)うつしの書物が欲しいのですが、持ってきていただけませんか?」


「かしこまりました。すぐに、持ってきます。」


「お願いします。」


私は、喜与恵(きよえ)に頭を下げた。


少々、他人行儀すぎただろうか?


「行きましょう、宮部さん」


「はい」


私は、糸埜(いとの)の元に行った。


「おかえり、宝珠」


「糸埜、調べられましたか?」


「今、念珠(ねんじゅ)さんと美条(びじょう)さんに、調べていただいています。」


「そうですか、わかりました。」


そう言って私は、座った。


「三日月さん、お待たせしました。書物になります。」


「ありがとう」


「失礼致します。」


喜与恵(きよえ)は、去っていった。


「霊魂うつしですか?」


「あぁ、一日で構わない。冴草健斗が浜井凌平を身体に刻み付けたいと言ってきたのだ。」


「肉体など、ありませんよ。それならば、魂に刻みたいのですね。」


「あぁ、浜井さんの痛みを自分に取り込んでしまった。」


糸埜は、霊魂うつしの義を見ながら首を横に振った。


「駄目なのですか?」


宮部さんの言葉に、私を見つめる。


「冴草健斗が、三日以内に戻らなければ、宝珠(ほうじゅ)が死ぬのです。それ程、信頼できる幽体ですか?道影(みちかげ)は、死にましたよ」


宮部さんは、目を見開いて泣いている。


「三日月さんが、死ぬかもしれないのですか?」


「そうです。霊魂うつしは、低い霊力のものでも使用できます。うつすための器と、幽体を閉じ込める檻があれば可能です。冴草健斗を、誰の器にいれるのでしょうか?」


「それは、私だと浮気になってしまうから、やはり上條陸が適任ではないかと思っている。」


「ですがそうなれば、簡単ではありませんよね?道影と同じ方法をとるのですよね?」


糸埜の言葉に私は、何も言えなかった。


「宝珠は、霊魂うつしをするために五木結斗を中にいれたのですね?」


「あれは、入れ替えだ。」


「たいした違いはありません。この霊魂うつしの方が簡単なだけです。もしも、冴草健斗が戻らなければ、上條陸は、助かっても宝珠は二度と戻らないとわかっていますか?入れ替えの場合、強制的に戻せますが…。霊魂うつしは、それが出来ないのをわかっていますか?」  


糸埜の言葉に、私は俯いていた。


私は、それでも冴草健斗のもっと浜井さんを刻みつけたい気持ちを叶えてやりたいのだ。



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