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【完結済】不思議な桜が繋いだ縁【仮】  作者: 三愛 紫月
冴草健斗

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82/199

浜井凌平、冴草健斗

魂の()れ合う最後の場所にやってきた。


「健斗さん」


「凌平、凌平、会いたかったよ」


「健斗さん、愛してる。愛してる。」


「俺も、愛してる。ずっと、愛してるよ。」


冴草健斗は、浜井凌平の頬に手を当てる。


「嫌だよ。行かないでよ。ずっと、僕の傍にいてよ。やっぱり、健斗さんに会うと我慢できないよ。この気持ちを押さえられないよ」


「俺は、死んでる。だから、凌平からは見えない。()れられない。だから、凌平は上條先生と幸せになるんだよ。」


「何で?何で、そんな悲しい事言うの?僕は、ずっとずっと健斗さんを想ってる。忘れた日なんてないんだ。」


「それが、凌平が幸せになるのを邪魔する存在なら…。一日でも、俺を忘れる日を作ってくれ」


「何で?そんな酷い事を言うの?」


「凌平は、あの日に縛られてるんだよ。だから、俺を忘れないんだよ。忘れる日があっていいんだよ。あの日、タクシーを呼ばなかった事、あの道を通った事、逃げなかった事。全部、全部、俺自身の選択だったんだよ」


浜井さんは、泣きながら冴草健斗の頬に手を当ててる。


「俺はね、あの日夜桜を見た事になんの後悔もしていないよ。凌平を庇って殴られた事も…。何もかも後悔なんかしていないんだよ」


冴草さんは、全ての想いを三日月さんにあげた。


だから、今はただ、ただ、穏やかな愛で自分も浜井さんも包める存在に変わったのだ。


「健斗さん、僕を許してくれるの?」


「許すも何もないよ。あれは、俺自身が選んだ選択なんだ。何も、凌平は悪くないよ。だから、凌平は上條先生と幸せになっていいんだよ。」


「辛くないの?健斗さんは?」


「もう、辛いとか悲しいとか痛いとかないんだよ。さっきの人、三日月先生と宮部さんって言ってね。三日月先生が、俺を全部癒してくれたんだ。だから、もう大丈夫だから…」


「健斗さん、それでも僕は、健斗さんとさよならしたくない。まだ、一緒にいたい。」


三日月さんは、何かを思い出したような顔をして微笑んだ。


「凌平、俺だって一緒にいたいよ。だって、俺はこんなにも凌平を愛してるから。」


冴草健斗は、浜井凌平の手を取って胸に持っていった。


赤やピンクやオレンジなどの色が弾けとんだ。


「健斗さん、愛してくれてるんだね。僕だけを愛してくれてるんだね。」


「うん、愛してるよ。一生愛してるよ。」


「そっちで、待っていてくれる?」


「うん、待ってるよ。ずっと、待ってる」


冴草さんは、一瞬目を伏せたけれどすぐに浜井さんを見つめた。


「キスしてもいい?」


「うん、しようか」


何度も何度も、キスを繰り返した。


「凌平、じゃあね」


「健斗さん、またね」


「後、これは、俺がもらってくよ。」


そう言って胸に優しくキスをする。


「今のは何?」


「いつかわかるから。ずっと愛してるよ、凌平」


「僕も愛してる、健斗さん」


そう言って、またキスをした。


ドクン………


.

.

.

.

.


「あの、ありがとうございます。」


「よかったですね」


三日月さんは、ニコッと微笑んだ。


「あの、また健斗さんには会えますか?」


「いえ、これが最後になります。ただ、浜井さんの事は見守っていますよ。いつでも、傍にいるのを忘れないであげて下さい。」


「はい、わかりました。」


浜井さんは、頭を下げていた。


.

.

.

.

.


僕は、頭を上げた。


まさか、健斗さんに会えるなんて思わなかった。


嬉しくて、堪らなかった。


あの、()れ合えた感覚は何だったのだろう?


凄く、幸せな時間だった。


三日月先生と宮部さんが、来てくれなければ健斗さんの気持ちを知る事は出来なかった。


僕は、ずっと勘違いしていたのかも知れない。


許してもらえないと思っていた。


あの場所で、僕だけ無傷で…。


それは、健斗さんが守ってくれたからで…。


許されない罪深き人間だって、思っていた。


僕は、健斗さんを愛って言葉で縛りつけていたたんだ。


三日月先生が、話した通りだった。


足枷を僕は、健斗さんと自分につけていたのだ。


今日、帰ったら陸と話そう。


僕の何かが、少しだけ消えたのを感じた。


涙を拭って歩きだす。


【ありがとう、健斗さん】


風がビューーと通りすぎた。



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