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【完結済】不思議な桜が繋いだ縁【仮】  作者: 三愛 紫月
三日月宝珠への怨み

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48/199

準備

キスを終えた案内人は、私に話しかける。


「新しいビジョンを見せるのですね」


「ああ」


「何か気がかりが、ありますか?」


「成木さんが、どうなっているかわかっていない」


「私に、見せれますか?」


「やってみようか」


私は、案内人に胸に顔を埋めるように指示をした。


右手で、後頭部に手を当てる。


ドクン……


「カエちゃん、カエちゃん。心配いらないよ」


成木さんは、師匠にまだ抱かれている。


幽体の鍵は、まだかかっている。


だが、半分外した檻がまた繋がっていた。


これでは、いたちごっこではないか…。


「カエちゃん、時間は守らないといけないからね。わかるよね?わかるよね?五木結斗をね、ここにいれるんだよ。わかるよね?カエちゃんは、もう死ぬんだよ」


ニタニタと笑う笑顔に吐き気がして、ビジョンを切った。


.

.

.

.


「三日月さん」


「宝珠でいい」


「宝珠さん」


「どうした?」


「これでは、宝珠さんのエネルギーがなくなってしまいます。」


『その瞬間を待ってるのよ。三日月万珠(みかづきまんじゅ)は…。』


真理亜の言葉に、喜与恵(きよえ)君は、涙をポタポタとたらした。


「気づいたのか?喜与恵」


「その呼び方がいいです。宝珠さんを万珠さんは、殺すつもりなのですね?」


「師匠は、私を死ぬ瞬間も許さなかった。糸埜(いとの)が、抹消しなかったのか?憎しみが強くて生き残ったのか?どちらも今の私にはわからない。けれど、師匠は私と私の愛する魂を抹消しようとしている。そして…」


「1000年続いた、この神社と三日月家の消滅ですね」


案内人は、私の手を握りしめる。


「喜与恵と巫女も、道連れだな」


「構いません。人の姿をした、化け物ですから」


「そんな事ないだろ?」


「そんな事ありますよ。私も巫女もあの方も、半分化け物です。」


「それは、私も同じ事だ」


まだ、体を思うように動かせない。


「何か食べますか?準備をしてきますから、宮瀬歩さんを見せるのですよね?」


「ああ、フルーツが食べたい」


「宝珠さんは、こうなった時はいつも果物ですね。」


『パイナップルとイチゴでしょ?』


「ああ、そうだ」


「ジュースにしましょうか?」


「その方が、いいね」


私は、二人に笑いかけた。


「では、作ってきますね」


喜与恵は、私が小さな頃からよくしてくれた。


『苦しめられてた、宝珠を助けてくれてたのよね?』


「ああ。ビジョンなんて見えなければ人と友達でいれた。」


『そうね。でも、ビジョンが見えたお陰で私は、宝珠といれたわ』


「真理亜が、いれば何もいらない」


『だから、駄目なの。宝珠には、エネルギーが必要。現に、私より喜与恵君のお陰で、力が少しずつもどってきてるじゃない。』


「もう、この人生を終わらせていいんだよ。わかってくれよ。」


『宝珠は、生きなきゃ駄目だよ』


「出来ました」


案内人が、ジュースを持ってきてくれた。


「ありがとう」


三日月糸埜(みかづきいとの)が、来ています」


「えっ?」


案内人は、私に着物を着させる。


「すまない」


ジュースを飲み干した。


「お連れしましょうか?」


「ああ、こっちから行くつもりだったから助かるよ」


喜与恵は、私の衣服を畳んでいる。


「では、連れてきます」


「よろしく」


案内人は、ジュースのカップを持って下がっていった。


まだ、薄暗いのにやってきたと言うことは、糸埜(いとの)も何か気づいたのだろうか?


私は、糸埜が師匠に力を貸してると思っていたが…


こちらに来るということは、違うのだろうか?


「失礼します。連れてきました。」


「ありがとう、喜与恵」


「失礼しました。」


案内人は、下がっていった。


「お前が、真理亜か?」


『はい』


「はしたない格好だな。幽体であっても裸体をさらすな」


『すみません』


真理亜は、消えた。


「宝珠、なんだその傷だらけは…癒されていないものを、身体にいれたようだな」


「前より力が強くなりましたか?」


「二条の血を飲んだからだ」


「えっ?」


私は、糸埜の顔を見つめていた。



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