死ぬかもしれない
「ど、どういう意味だよ」
「そのままの意味です。身体中に、なぜか刃物や二条の髪の毛がある。考えられるのは、成木さんは器に利用されている。」
「器って?」
「五木結斗をこの肉体に宿すためです。」
「それって、どういう意味ですか?」
上條さんは、三日月さんに聞いた。
「もし、成木さんの身体に五木結斗が入れば、二度とでてこれません。」
三日月さんは、ポケットから小さなノートを取り出して机の上に置いた。
「成木さんの身体の中に、二条の髪の毛が、あるんです。どれだけかは、わかりません。ただ、二条は私と同じだけ強い能力を持っています。今、成木さんの身体の中に五木結斗を閉じ込める檻を作っています。二条の髪の毛でです。」
「それって、どういう意味で」
「大海力は、反省などしていなかった。って事ですよ。ただ、師匠が抹消させ。私もその瞬間を見たのに、何故二条の髪の毛があるのかがわかりません。そんな事より、大事なのは今です。私には成木さんの身体の中が見えているんです。」
そう言って、三日月さんは顎に手を置く。
「後、一週間もあれば檻ができてしまうんです。」
「どうにか、なんないのかよ」
「だから、私とできるか聞いてるんです。」
「三日月さんは、カッコいいけど、愛のないそれは嫌だ。」
「はぁー。残念ですね」
三日月さんは、首を横に振った。
「ならば、私の血を飲めますか?」
「いや、吸血鬼じゃないから」
「それでも、少しでも飲んでもらわなければ、キスしましょう」
「えっ?またかよ。二人が、見てるのにかよ」
「関係ないです」
「三日月さん」
「お気になさらずに」
三日月さんは、やっぱり変わってる人だ。
「少し失礼します。」
また、成木さんの手の甲を舐めた。
今度は、力をいれた気がした。
私は、鏡を渡した。
さっきとは、違って抉るように抜いた。
ボトボトと血が流れ落ちる。
「三日月さん」
「しっ~」
「成木さん、私だけを感じて下さい。柏村さんは、忘れて下さい。」
三日月さんは、成木さんの下半身に右手をあてる。
「口を開けて下さい」
成木さんは、怯えながらも口を開けた。
「嫌だと思いますが、私がやめるまで飲み続けて下さいね」
成木さんは、頷いた。
三日月さんは、成木さんの出した舌に舌を置いていっきにキスをした。
「っんん、ゴクッ、ゴクッんんっ、ん」
成木さんは、一生懸命飲み干している。
「んんっ、ゴクッ、ゴクッ、んんっ」
どれぐらい時間が、経っただろうか?
それは、キスではなかった。
「はぁ、はぁ、はぁ、死ぬから」
「すみません、成木さん。」
「いや、ちょっとヤバかった。」
「いえ、もうなってましたよ」
「言うなよ」
成木さんは、恥ずかしそうに俯いた。
「ウッ」
「吐きそうですか?」
「はい」
「口を開けて」
そう言われて、成木さんは口を開けた。
「失礼します」
三日月さんは、そう言って右手を突っ込んだ。
「ゆっくり、息を吸って吐いてください」
そう言われて、並木さんは息を吸って吐いた。
三日月さんは、黒いものを引っ張っていく。
「ゴホッ、ゲホッ」
「もう、終わりますから」
テーブルの上、半分を黒い塊がしめた。
「これが、髪の毛」
「何か袋は、ありますか?」
「はい」
成木さんは、ビニール袋を渡した。
「三日月さん、持って帰るのですか?」
「はい、案内人にお祓いしてもらいます。」
三日月さんは、また成木さんの手の甲を舐める。
鏡で、刃物を取り出した。
「隙間が出来ましたので、もう一度飲んでもらいますよ」
そう言って、成木さんはさっきと同じ事をされていた。
「はぁ、はぁ。ヤバイ」
三日月さんは、笑った。
「暫く、成木さんの身体はこれで守られます。もし、何かありましたらご連絡を…。それと、ちょっとよろしいですか…。上條さん、宮部さん、待っていて下さい」
三日月さんは、そう言って成木さんとどこかに行ってしまった。




