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【完結済】不思議な桜が繋いだ縁【仮】  作者: 三愛 紫月
連鎖を止めるには…

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師匠と二条 (一部修正しました)

奈瑞菜(なずな)の痛みに、宝珠が共鳴したのだ。だから、お前に襲いかかってきた。その同情心は、いつか霊体に殺される。宝珠、奴等に同情心をもつな。特に、悪霊には…。お前の心が優しすぎるのは、心配だ。」


隣で、師匠はどす黒い血の塊を吐いた。


「師匠、それは?」


「悪霊を退治すると出てくるものだ。気にするな。奈瑞菜の念を取り込んで、解放してやった。宝珠、今のお前には悪霊退治はできない。黒に染まるからだ。染まると元には、もどらない。二条を見ただろう?」


千川二条(せんかわにじょう)


師匠の愛弟子だった。


左の手の甲に、大きな黒い痣があった。


【手の甲に黒き痣をもつもの、爪の黒きもの、そのものの霊感は鋭く強く。他人にもビジョンを見せる事が出来る。】


そう言われてきた。


二条さんは、私と同じ血が流れていた。


そして、二条さんは、相手にビジョンを見せ、霊体が見せるビジョンに取り込まれていった。


その結果、精神に異常をきたした。


子供がいない師匠夫婦にとって、二条さんは、子供同然の存在だった。



暫くして、二条さんは、治療を終えて元気になって退院した。


しかし、一ヶ月後に死んだ。


それから師匠は、何かに取りつかれたように、霊を退治する事に執念を燃やした。


そんなある日、二条さんは、私の前に現れた。


『宝珠、師匠をとめてくれ』


「直接言うべきではないですか?」


『直接言った。それでも、師匠はやめてくれない。やっと、やっと、私は、苦しみから解放されたんだ。』


「どういう意味でしょうか?」


『精神の中に、5体の霊体が入り込んでいた。私は、異常者に扱われ、薬漬けの日々だった。本体の私は、常に痛みや苦しみを味わい続けた。宝珠、地獄だったんだよ。生き地獄だったんだよ。だから、今救われたんだ。五体の霊体からも解放された。』


私には、二条さんの痛みがわかった。


『宝珠』


そう言って、ビジョンを見せられた。


「わぁぁぁぁぁああぁぁぁ、うわぁああぁぁぁぁぁぁぁ」


とてつもない苦しみと痛みだった。


ボタボタと涎が落ちた。


『わかるだろ?宝珠。』


顔を上げると、二条さんは、泣いていた。


ここまでの苦痛を私は、味わった事がなかった。


『宝珠、師匠に伝えてくれ。私は、幸せだった事を…。死ぬことで、救われる命がある事をわかってくれただろ?宝珠』


「はぁ、はぁ、はぁ」


体を切り刻まれる痛みを味わった。


『宝珠、お願いだ。私の痛みを感じただろう?師匠に伝えてくれ。抹消される魂は、もっと痛いんだよ。』


「魂の抹消とは?」


『今の自分の人格を抹消させられる。かなりの苦痛と痛みを味わう。さっきの痛みの10倍以上だと聞く。宝珠、むやみやたらに魂を抹消させて欲しくない。わかってくれ、宝珠』


「わかりました」


私は、師匠にビジョンを差し出した。


「うるさい、宝珠」


ドカッ…ドカッ…ドスッ


「ゴホッ、ゲホッ…。師匠」


「うるさい、二度とあんなビジョンを見せるな」


私は、この日師匠と決別した。


師匠は、TVに出た私を罵った。


「お前のやり方は、間違っている。お前は、霊にとりこまれて、二条と同じ道にいく。」


師匠は、5年前に他界した。


死ぬ間際にも、私を蔑んだ。


「宝珠、お前は霊に利用される。お前のやり方は間違っている。霊体は、全て抹消しなければいけない。わかるか、宝珠」


そして、死後師匠は、抹消されたのだ。


三番弟子の、三日月糸埜(みかづきいとの)に頼んだのだ。


師匠と共に二条さんも抹消させた。


抹消は、絶対にさせない。


『宝珠、抹消されたくない』


「二条さん」


私は、必死で二条さんを抹消されないようにエネルギーを送り続けた。


『宝珠、わぁぁぁぁぁぁ』


「うわぁああぁぁぁぁぁぁぁ」


体の中から、何かが焼かれている感覚がする。


「二条さーーん、ぁぁぁぁああああああああああああ」


八つ裂きにされる痛みと焼かれる痛みと針を刺されたような痛みと首を締められた痛みと…。


あらゆる痛みが、襲いかかった。


「はぁ、はぁ、はぁ」


二条さんは、消えた。


この世界からの完全なる死。


それは、耐え難い痛み。


私は、うずくまっていた。


ボタボタ、ボタボタと涎が(こぼ)れ落ちた。


死んだのかと思った。


生きていた。


師匠、貴方は間違っています。


私は、やはり魂に悪はいないと信じています。


悪にするのは、人です。


私は、師匠のやり方を真似ません。


だから、五木結斗の申し出は断る。


抹消など、絶対にさせない。




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