やめて
私は、倫と待ち合わせをしていた。
プロポーズされる。
凄く嬉しかった。
カチ…カチ…カチ…カチ…
【宮部さん、少し離します。】
旭川愛梨さんの嬉しさが、伝わってくる。
「あのお」
「はい」
「これって、どこですか?」
髪の毛をペタッと七三にわけた男が話しかけてきた。
「あー。これは、ここを真っ直ぐ行って」
「あの、途中まで連れて行ってもらえますか?」
【駄目、無視して、嫌な予感がする】
「はい、わかりました。」
待ち合わせ時間に、まだ倫が来ていなかった。
ここから、五分もあればつく場所だった。
嫌な予感がしていたのに、この人からは感じなかった。
凄く、真面目で物腰が柔らかい話し方だった。
ついていっても、大丈夫な雰囲気を醸し出していた。
「すみません。待ち合わせをされていたのに…」
「いえ、大丈夫ですよ」
「最近、この辺りに引っ越してきたので、よくわからなくて」
「そうだったんですね。大丈夫です」
もうすぐ、着く。
安心していた。
「ずっと、決めてたんだ。」
「えっ?」
そう言って、路地裏に連れて行かれた。
「やめて、離して」
「一週間前、嫌、もっと前だったかな。ターゲットで決めてたんだよ」
「やめて、離して」
ハンカチを口に突っ込まれガムテープで押さえられた。
「死んだやつを抱く趣味はないからさ」
「うー、うー」
忘れていた、この場所の路地裏は人が全く来ない。
防犯グッズを買えばよかった。
さっきの道は、人通りがあるから、誰かが、気づいたはずだった。
「愛梨を抱きたいと思ってたんだ」
旭川愛梨さんの痛みが、流れ込んでくる。
腕を後ろに回されて、何かで固定される。
「うー、うー」
一生懸命、嫌だって叫んでるのにうーしか出ない。
抵抗するのに、この人の力の強さに負ける。
「マジで、いい匂い」
ブチンとシャツを引きちぎられた。
胸を触られる。
「うー、うー」
涙が流れて止まらない。
あのニュースは、嘘だった。
犯人は、最初から私を強姦するつもりだった。
やめて、離して、汚い。
そんな事をされたくない。
「愛梨、愛梨、めっちゃいいよ」
嫌、私は倫のもの。
倫がいいの。
叫び声は、うーにしかならなくて抵抗はむなしく力で押さえられる。
犯人の気色の悪い声と息が、耳元にあたる。
「ぁああー。マジで最高だよ。狙ってたかいがあったよ。恨むなら、彼氏を恨めよ。また、遅刻してきただろ?」
腕を固定してた何かをはずされた。
自由になれる。
「おっと、走りだせないよ。愛梨」
壁に体を押しつけられた。
ギリギリと首を締められる。
「殺されたくなかったら言う事きけよ。その目が、そそるわ」
頷くしか出来なかった。
汚れたとしても、倫の元に帰れる。
それならば、条件を飲むと決めた。
ガムテープとハンカチをとられる。
「愛梨」
「んんっ、やっ」
キスをされる。
「そのまま、口開けとけ」
気持ち悪い
口の中をこいつのが、支配する。
【三日月さん、私を一度犯人にいれてくれませんか?】
.
.
.
.
「お帰りなさい、宮部さん」
「三日月さん、聞こえていましたか?」
「ですが、あの方は生きてますからうまくはいれるかわかりませんが、何故はいろうと思ったのですか?」
「旭川愛梨さんを何故狙ったのか、犯人側の気持ちが知りたいんです。」
「そうですか、ですが今戻れば襲っていますよ」
「わかってます」
「わかりました。やってみましょう」
三日月さんは、そういうと私の後頭部に手を当てる。
三日月さんは、苦しそうだ。
「はぁ、はぁ、うっうう」
と三日月さんの苦しそうな声が聞こえる。
犯人にはいることは、三日月さんが苦しむ事なんだとわかった。
「宮部さん、行きますよ」
生きてる人間に、はいる事はとてつもない苦しみを伴うようだ。
「ああああぁぁぁぁあああ」
体が、引き裂かれるような痛みが一瞬だけ襲った。
「うゎぁぁああああああああ」




