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【完結済】不思議な桜が繋いだ縁【仮】  作者: 三愛 紫月
旭川愛梨

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倫との日々

「何、考えてた?」


倫は、私の顔を覗き込んだ。


「さっきの話」


「友人のね」


「結婚したら、挿入だけが目的にかわるのかな?」


「それは、嫌だよね」


「私は、嫌だとは思わない。きっと、私も忙しくなって早く終わってって思ったりすると思うのよ」


「そうかも知れないね」


「離婚は、片方だけが悪いなんてないのよ。って、結婚もしてないのに偉そうよね」


「わかるよ。」


そんな話をしながら、倫の家に着いた。


「ワイン、飲む?」


「うん、まだ飲める」


そう言うと、倫は手を離した。


私と倫は、洗面所で並んで、手洗いうがいをした。


「じゃあ、先に用意してくる」


「うん」


倫の家の洗面台が好き。


倫の匂いが、好き。


お医者さんだから、無香料のものを使ってる。


だけど、せっけんの香りはするの。


倫からも、この家からも…



「出来たよ」


「うん」


私は、リビングのソファーに座る。


倫と並んで、腕を絡ませながら笑い合う。


「乾杯」


「乾杯」


ワインを飲みながら、倫を見つめる。


友人の一人が、結婚をして合わなかったから恋人に戻ったのを知ってる。


人間とは、自分のものになったと思うと急にぞんざいに扱い出す人もいるのだ。


しかし、籍が抜けたら彼は元に戻ったと言う。


婚姻届には、不思議な魔法がかかってるのよ。って笑った。


倫は、どうなのだろうか?


「何を考えてるのかな?」


倫のお気に入りの、四角くて甘いチョコを口に入れられてしまった。


「倫が、好きって考えてたのよ」


「嘘だ。そんな風には思わなかったよ」


「愛してる」


「私もだよ」


倫の私を使うところが好き


「倫、ずっと一緒にいようね」


「うん、いるよ」


こんな約束を平気で出来る私が、私は嫌いじゃない。


「キスしようか?」


「うん」


いちいち聞いてくるところも好き


倫は、ワイングラスを机の上に置いた。


私のも、とって置いてくれる。


唇と唇が、重なり合う。


舌に力を入れて、ゆっくりと舌先で唇をこじ開ける。


これは、最後までする時のキスだ。


大好き、愛してる。


倫以外いらない。


倫だけいれば、それでいい。


「んっつ」


「可愛いね、愛梨。しようか?」


「うん」


ちゃんと聞いてくれる所が、やっぱり好き。


倫は、私の手を引いて寝室に連れて行った。


私と倫は、肌を重ねて一つになった。


「愛してる」


「愛してる」


私は、倫の横に寝転がった。


満たされてる。


「愛梨、もっと医者として頑張るよ。愛梨が、仕事辞めれるぐらい」


「それは、プロポーズ?」


「違うよ、そんなんじゃないよ」


「プロポーズなら、ちゃんとして欲しい」


「わかってる」


「だって、一生に一度だから」


「わかってる」


流れるように言われると、流れるような結婚生活になっていきそうだから嫌なの。


自分勝手でしょ?私



「愛梨」


そう言って、倫は後ろから私を抱き締めてくれる。


「倫」


「私と付き合ってくれてありがとう」


「私の方こそ、倫が選んでくれてありがとうね」


「愛梨、綺麗だよ」


「倫もだよ」


倫が、お医者さんだから好きなんじゃない。


私は、一ノ瀬倫が好き


何も持っていなくても、一ノ瀬倫が好き


一ノ瀬倫といれるなら、他は何もいらないの


幸せになれる


子供も望まない


望むなら、もっと早くに結婚したから…


倫との子供は欲しいよ。


でも、無理してまではいらない。


私にとって、倫が全てだから…


治療して離婚した友達を知ってる


凄く仲良しだったのに…。


言ってはいけない言葉をいうようになったと言っていた。


私は、倫とそうなりたくない。


倫をずっと愛してる。


それ以外、いらないの


パラパラと雑誌を捲るように、時間が動いていく。


静止画のスライド写真が、動いていく。


心の中に、一ノ瀬倫への愛が広がっていく。


愛してるが、広がっていく。


心が、すごく満たされていく。


倫、愛してる


ペラペラと進むページが止まった。

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