(登場人物) 始まりと依頼者
三日月家の人
長男 三日月念珠 (生涯独身)
ただの能力者は、子孫繁栄に貢献する。という、三日月のしきたりを唯一破ったもの。死んでから、霊力は、強くなった。
次男 三日月億珠(三人の子の父)
三男 三日月三珠
長女 三日月サキ
次女 三日月恵
三日月億珠の子供達
長男 三日月万珠(師匠)
ただの能力者は、子孫繁栄と言われていたのだけれど子宝に恵まれず、親戚に馬鹿にされ荒れていた。宝珠を育てた事により周りに感謝され始める。
妻 三日月美紀
長女 三日月ゐ埜
婿養子(夫)三日月春珠(本名春二)
本来は能力者同士でのみの結婚が許されているのだか、ゐ埜は恋愛結婚をする。そのせいで、娘が呪われたと言われている。
↑親子↓
長男 三日月糸埜(三人の父)
ただの能力者は、子孫繁栄のみの権利を与えられる。三日月家のしきたり
長女 三日月美佐埜
前世の罪により骨と結婚した。
次女 三日月美琴
父 三日月礼珠
(本名、三津木礼二)
三津木家も能力者である。婿養子
↓親子↑
長男 三日月宝珠 (黒き爪)
突然産まれた強き能力者。万珠が育てる。
三女 三日月梅
夫 三日月二珠(本名二郎)
↑親子↓
長男 三日月萬斎
二男 三日月蓬莱
三日月家の女は、男を産んだら、三日月に引き渡す決まり。二男の蓬莱が、6歳の時に万珠に引き渡した。しかし、万珠は、宝珠の代わりにする為に数々の仕打ちをし、蓬莱は、精神異常になり入院をしている。三日月家とは、絶縁した。萬斎は、四人の子を持つ父になった。
千川家の人
祖父 千川美条
妻 千川節
二人の子宝に恵まれる。
長男 千川万条
妻 子を置いて男と駆け落ち
↑親子↓
長男 千川二条(黒き痣もち)
強い能力者だった息子が気持ち悪くて、川に流して殺害を計画した妻を止める。万条が引き取るも、二条の能力をコントロール出来ない日々に悩んだ末に自害。
まだ、二歳だった二条を万珠が引き取り育てた。が、宝珠よりも力が強いので殺害する。
娘 千川千野
夫 千川姫野
↑親子↓
長男 千川五条
次男 千川三条
娘 千川美乃
千川美条の弟、千川樹条の息子、千川百条の子供が千川尊である。
外にいる能力者は、二人男を授かれば、一人を三日月家に引き渡す決まり。尊は、二男の為に、6歳の時に万珠の元にいく。宝珠と二条を作り出すために、血を飲ませ続け精神異常になり入院生活をしている。
三男 三日月三珠は、白き能力者の家に婿養子として入る。いわゆる分家である。
関西の田舎町にある、満月家を継いだ。満月みや子と結婚する。三人の父となった。
満月みや子の妹の満月さつきが、息子の能力の強さを嘆き、捨てて出て行く。その為、三珠が満月豊澄を引き取り鍵として育て上げ、関西の田舎町の呪いを封印する鍵になり死亡。
豊澄は、三日月宝珠の理解者だった。
神社の人々
あの方 1000年前から、この場所に住む。神のような存在
巫女 元は、人間だったが、息子を亡くし、あの方の血を飲み化け物になる。そして、この場所の巫女として生きる。万珠による息子の魂の抹消から、復讐を誓い。さらに、あの方の血を飲んだ。
喜与恵 元は、人間だった。孤児だった喜与恵を巫女が案内人として育てる。
宝珠17歳、喜与恵22歳の時に、宝珠が人を亡くす事を恐れているのを感じとり、あの方の血を飲み化け物になる。
宝珠を愛しているが、化け物になる道を選んだ為に、この場所から二度と放れられなくなり、宝珠を永遠に想いながら生き続ける選択をする。
宝珠が、5歳の頃から運命に導かれるように恋におちた。
宝珠の幽体の初体験の相手
澄川真理亜
宝珠が、一目惚れした相手
幽体の中で、一番愛している存在
奈良橋家 (赤き能力者)
三日月家次女、三日月恵が嫁いだ先。
夫、三日月雄珠 (奈良橋雄二)
次男の為、一番強い黒き血の能力者に嫁ぐ。
長男 三日月賀珠
長女 三日月詩織
奈良橋了大
奈良橋家の長男である。赤き能力者を引き継いだ。
長男 奈良橋祐大
次男 奈良橋大竜
長女 奈良橋美江
男が二人産まれたら、三日月に引き渡すきまり、6歳で大竜を渡す。万珠のせいで、大竜が精神異常者になる。万珠を恨んでいる。
能力者の一族は、互いの血を飲むことにより傷を癒したり、能力を強くしてきた。
しかし、二条と宝珠だけが全部の能力者の能力を己の血肉にかえて
力が別格になった。
豊澄も同じ領域までいくも、鍵となり死亡する。
能力の高いもの、黒い痣を持つもの、爪が黒いもの、封印の鍵になる運命。
三日月家と千川家は、150年以上前に出会い共に黒き能力者として同じ家に暮らしている。
いつかの誰かの話した噂話。
「あそこに行ったらいけないのよ」
「あの桜の木の下を最後に通ったら行けないのよ」
「だって、ほら…。こないだも、殺人事件が起きたじゃない」
「名前が、彫られてるんでしょ?」
「どうやって行くの?」
「さあ、勝手に辿り着くって話」
「あそこには、人喰いがいるのよ。神様なんていない」
「でも、神社でしょ?」
「よく見ると黒の鳥居って話。知ってた?」
「お願いをしたら、命まで奪われるの?」
「だから、駄目だよ。お願いしたら」
「でも…」
「紛れ込んでるんだよ。あいつらは、生け贄を待ってる。自ら来るのを待ってるの」
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「あそこの桜が、寄贈されたんだって」
「ホントに言ってるの?」
「まさか、お願いなんてしないでしょ?」
「したら、最後だもんね」
「うん、うん」
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その神社は、桜の季節にだけ、突然辿り着けてしまうと言う。
ルールは、3つ
そこで、けしてお願いをしてはいけない。
そこの、桜の木の下を通ってはいけない。
そこで、恋愛の願いをかけてはいけない。
守らないものには、死が訪れるという話。
いわゆるオカルト話。
この場所のはずだけど、行き止まりか…
ビューーーと突風が吹いて、そこは現れた。
オカルト記事のライターをしている宮部希海は、不思議な顔をして、それを見上げた。
【恋喰愛喰死巫女】
鳥居に彫られた変な文字。
「何て、読むのかしら?」
神社の名前は、黒すぎて見えなかった。
私は、赤とも黒とも言えない色の鳥居をくぐった。
「こんにちは、探し物ですか?」
「彫られた名前をみたいのですが」
案内人は、やはりいた。
薄汚れた袴を着ている。
「こちらになります。」
「どうも」
私は、木の掲示板を見つめていた。
私は、スクラップした記事を鞄から取り出した。
えっと…。
「五木結斗、あった。」
「こんにちは」
その声に振り返ると、黒いスーツを着た男が立っていた。
さらさらの金髪のボブヘアーが、風になびいている。
「何ですか?」
「初めまして、宮部希海さん」
私に、ゆっくりと近づいてくる。
「だから、何なんですか…」
「貴女は、どうしてそんな依頼を引き受けたのですか?オカルトだから?それとも、少年Aの告白はお金になるからでしょうか?」
優しい声と笑顔で話ながらも、目は、一つも笑っていなかった。
「どういう意味ですか?」
「宮部さんは、五木結斗が事切れる瞬間を知らないから、犯人の協力が出来るわけですね」
「そんなの、貴方も知らないでしょ?」
「私は、知っていますよ」
その人は、黒い手袋を抜いて私の後頭部に手を当てた。
【わぁぁぁぁぁぁ】
叫び声が、響く。
【結斗、何でわかんねーんだよ】
ドンッ、ドンッ、ドンッ
【やめて……】
【俺の気持ちわかってるんだろ?】
ガンッ、ガンッ、ガンッ
頭の中に映像が、流れ込む。
五木結斗が、襲われている。
【ゴホッ…ゴホッ…ウッ、やめて】
【結斗、あいつにどんな風に抱かれてるんだよ】
【ゴホッ…ゴホッ…やめて、やめ
】
その人が、私から手を離した。
「これは、一部です。」
「霊能者ですか?」
さっきの映像が、脳裏にこびりついて涙が流れ続けていた。
「違いますよ。私は、見せられているだけです」
「見せられている?」
「はい、事故、事件、病死、自殺、あらゆる亡くなった人の映像が、頭を流れる。そして、私はそれを誰かに見せてあげる事が出来る。それだけです。」
「さっきのは、五木結斗に見せられていると?もう、30年も前の事件ですよ。」
「引き出しの用に取り出せると言ってもわかりませんかね?それで、貴女は依頼主の為にやってるんですか?30年も前の事件を掘り起こして…。五木結斗が、愛した人を苦しめたいのですか?」
「そんなつもりは、ありません」
「でも、そこに少年Aと不思議な神社って書いてますよね」
その人は、私の後頭部にまた手を置いた。
【陸……ごめんね。陸……僕は愛してるよ。会い…たい…よ。綺麗に…して……でも、もう……感覚が……ない……会い…たい…愛し…て……る】
弱々しくなっていく声。
「それでは…」
その人は、私の後頭部から手を離して去って行こうとした。
「待って下さい」
「はい」
「陸って誰ですか?」
「調べては、どうですか?」
「そうですよね、すみません」
私は、頭を下げた。