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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

下らない与太話

作者: 白ノ宮

夕刻の帰り道。


僕は前を騒がしく歩く高校生に目を向けていた。


何かふざけあって馬鹿笑いしている。


何年か前まで自分も彼らと同じ高校生だったというのに、今ではその光景が眩しく感じた。


高校生時代。


別にクラスで孤立していたわけでもなく、虐められていたわけでもない。


普通に友達はいたし、親友と呼べる人間もいた。


優しいクラスメイトに、頼れる同じ部活の仲間達もいた。


人間関係であれば僕は世間で見ても恵まれた方だっただろう。


しかし、何故だろう。


なんでこんなに虚しいのか。


夕焼け色の空を眺めながら考える。


その答えはすぐに見つかった。


そうだ。今の僕には交友関係というものがないんだ。


これまでメッセージアプリでオープンチャットを用いてそういったものを誤魔化していたつもりだったが、誤魔化せていないようだった。


動画サイトでゲーム実況や大食い動画、ツーリング動画を見て楽しんではいたものの、心に空いた謎の空間は埋まる事なく、むしろ拡大していったような気がする。


些細な事だが、高校から進学してからというもの同世代のリアルな交流を断たれてから趣味の一つであるゲームへの関心が薄れてきたのだ。


逆に関心が強まったものといえばネット小説だろうか。


よく読み漁るようになり、最近は睡眠時間にまで侵食してきている。


ちょっとした憧れもあって執筆活動も始めたんだったか。


3日で飽きたけどね。


ここまでで何が言いたかったかというと僕は恵まれた人間だという事だ。


いつの間にか止まっていた足を再び動かして帰り道を進む。


夕焼けは完全に落ちていて、夜空には月が浮かんでいた。


街灯に照らされた道を歩くのは良いものだ。


別段何かをしているわけではないが、仕事帰りのような気分を味合わせてくれる。


社会に溶け込めているような気にさせてくれるから僕は夜道が好きなんだ。


ただ、贅沢を言ってもいいかな?


ここは住宅街なんだからエンジン音のしないハイブリッド車は歩行者に気を使って欲しい。


せめてヘッドライトを付けようよ。


お陰で全身がとっても痛いし、視界がぼやけてきたじゃないか。


僕の命が尽きるその瞬間まで夜空に浮かぶ月と星々は美しい輝きを放っていた。


日本にもミサイルってあるんですよねー...

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