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あの場所でもう一度君と  作者: ましゅ
1章 出会いの1学期
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第1章2話 お出かけ前の朝

(超)短めです。

なかなか時間が取れません。


 約束した日、六月最後の日曜日になった。

 朝のニュースが「梅雨明けした」と伝えている。


 午前5時40分、僕は結城からのメールに叩き起こされた。

 連絡先自体は先日、結城を助けた日に交換していたんだけど、その日から事ある毎にメッセージを送ってくるので少し鬱陶しかった。本人には口が裂けても言えないけど。


『おはよー!今日は8時半にエントランス集合ね』


 集合時間に対して、僕を起こす時間があまりにも早いことに首を傾げながら『了解』と返信する。

 二度寝しようかともう一度ベッドに寝転んだけれど、睡魔が襲ってくることもなかったので諦めて洗面所に向かう。

 顔を洗い、喉を潤してからキッチンへ。


 朝の食欲はあまりないので手軽に栄養補給ができるゼリーとヨーグルト、牛乳という手抜きにも程がある朝食をキッチンで済ませて着替える。

 ちなみに料理が出来ないわけではない。むしろ同年代の男子の中では出来る方だと自負している。それなのに朝ご飯を作らないのは、単に朝の食欲がないのと面倒臭いからだ。


 一応女子と出かけるということで、隣に立っても恥ずかしくない服装を選ぶ。

 ロング丈の半袖Tシャツとデニムスキニーパンツ。上に薄い生地のパーカーを羽織ってから時計を見ると、時刻はまだ午前6時20分。

 時間まで何をしようか、そんなことを考えながらテレビをつけると、突然スマホが鳴った。メールの通知だった、相手は予想通り結城。


『環くん、暇だからそっちに遊びに行っていい?』


 その文面に硬直。

 どうも結城は距離の詰め方というものが尋常ではない。

 しかも女子同士ならまだしも男女でだ。そこが結城を人気者たらしめる理由なのかもしれないけれど、僕には理解の及ばない領域だ。

 それは置いておいて、確かにこのまま一人でいてもすることは無いので、話し相手がいてくれる事はありがたい。そう考えて『いいよ』とメッセージを送った瞬間、インターホンが鳴った。どうやら玄関前で待機していたようだ。


 ドアを開けて結城を招き入れる。その一瞬の間に真っ青な空が見えた。梅雨明けしたというのも頷ける、それくらいに眩しい青空だった。


「おはよう、よく寝れた?」

「まぁ、そこそこかな」


 その後は時間になるまでとりとめのない話を続けるだけだったけれど、僕がどれだけ聞いても、結城が行き先や目的を教えてくれることはなかった。

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