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あの場所でもう一度君と  作者: ましゅ
1章 出会いの1学期
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第1章14話 環と夢とクラスメイト④

そろそろイチャイチャを増やすべきか…………

「はい、出来たよ」


そう言って机に並べたのは、今日買った材料で作ったグラタン。

それだけではなく、サラダと1口サイズのフライドチキンも並べた。


「「お、美味しそう……」」


姫乃と違い僕の料理を見たことない2人はそんな声を漏らしていた。

もちろん姫乃の目も料理に釘付けだったけど。


「「「「いただきます」」」」


4人で手を合わせ、食べ始める。

亜美と大悟はグラタンを口に入れた瞬間動きが止まった──と思ったらすごい勢いで次から次へと口に運んでいった。


「そんなに急いで食べなくてもなくならないよー」


と姫乃は言うけど、君だってこの前これくらいの勢いで食べてたよね?

それを口にすることはできなかったけど、顔に出てしまっていたようで


「環くん変なこと考えてない?」


と怪しまれてしまった。

適当に誤魔化して僕もグラタンを口にする。

隠し味に少しだけ味噌を使ったことでコクが増している、美味しい。


「にしても環が料理こんなにできるとはなぁ」

「うん、びっくりだよ」

「ありがとう」


褒められて照れくさくなり、照れ隠しにひたすら食べ続けた。


△▲△▲△▲△▲△▲


夜ご飯を食べ終えて、片付けも完了させて休憩──といってもお菓子パーティーに入っているので『休憩』とは言い難いけど──をする。

机の上にいつの間にか色々なお菓子の袋が出ていた。


「結構作ったはずだけど、皆まだ入るの?」

「何言ってんの、甘い物は別腹だよ!」

「太るぞ……痛え!」


大悟の悲鳴は、亜美に殴られたことによるものだ。

雉も鳴かずば何とやら……とにかく僕は何も言っていないし関わっていない。

亜美がこっちを見て「何?」とニッコリ笑って言ってきたのが怖かった。

並んで座る亜美と大悟に向かい合うように姫乃の隣に座る。

せっかくだから、ということで僕もチョコレートに手を伸ばす。

控えめな甘さが体に染み渡った。


「ん、そうだ。コーヒー淹れようか?」

「いいの?」

「うん」


そう言って立ち上がろうとした時、姫乃が慌てたように言った。


「わ、私がやるよ!」


勢いよく立ち上がってキッチンに向かったはいいけど、道具の置き場所知らないよな。

そう思って姫乃に道具がある場所を伝える。

それにしても、姫乃の様子がおかしい。

亜美たちも気味悪いくらいニヤニヤしてるし……


「2人とも姫乃に何か言った?」

「「いや、別に〜」」


これは確実に余計なことを吹き込んでいるな。

まぁ僕が気にすることではないか。

そうして暫く待っていると、姫乃がお盆に4つのカップを乗せて戻って来た。


「はい、どうぞ」

「ありがとう」


素直にお礼を言うと、姫乃はわかりやすいくらいに頬を染めてそっぽを向いた。

驚き半分呆れ半分という気持ちで姫乃にだけ聞こえる声で言う。


「何言われたか知らないけど気にしないでよ」


すると姫乃はぴくりと肩を震わせ、ゆっくりこっちを向いて言った。

頬は真っ赤、そして何故か目は潤んでいた。


「耳元で囁くな!」


遅れてやってきた鈍い痛みに呻く。

お盆で頭を叩かれたようだ。

亜美たちは僕を見て大爆笑している、許すまじ。

というか悪いの僕か?


△▲△▲△▲△▲△▲


1日で色々なことがあったからだろうか、ソファで休んでいると眠気が襲ってきた。

このソファ、なかなかの高級品でとてもフカフカ、座るだけで眠くなってしまう。

ウトウトとしていると体が傾き……何かにぶつかったと感じて、意識を手放した。


-----------------------------------------------------------


『環くん、環くん!』

『泣かないでよ**ちゃん。また会いに行くから』


僕を見て泣く彼女を見ながら、彼女の手を握ってそう声をかける僕。

彼女はそれを聞いてやっと泣き止み、言った。


『約束、だよ……?』

『うん、約束』

『じゃあ、ゆーびきーりげーんまーん──』


自分の小指と握ったままの僕の手の小指を絡め、可愛い約束の証を交わす**。


『──ゆーびきった!』


そして目に飛び込んできたのは、**の満開の笑顔。

子供ながらに少し照れ臭くなり、急いで車に乗る。

窓の外を見ると、**が大きく手を振っているのが見えた。


-----------------------------------------------------------


また夢を見てしまった。

泣いていないといいけれど、そんなことを思いながら目を開けると、姫乃の顔が真上に見えた。


……………………は?

あれ、クラスメイト編ここまで長くなる予定だったっけ?

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