二十二・五節 温もり
……ちょっと言いすぎちゃったかな。
けれど、仲間そろって仲良しアピールをされてしまったら、こっちだってうらやましく感じるものだ。だから、まるで八つ当たりみたいになってしまった。
ようするにヤキモチだ。
……まったく、われながらおバカさんだわたし。
「…………」
さっきまでオレンジ色に光っていたお日さまも今ではすっかりしずみ、辺りはだんだんと暗くなり始めていた。
〝精霊〟の魔力者さんの家を出て、夕日に照らされた道を歩き続けたわたしは、無事におばあちゃんの家にとうちゃくする。それで今、ドアの前に立っているわけなのですが……。
「…………」
……どこか気まずくて、なかなかインターホンを押すことができない。
かんたんなことなのだ。そのボタンを一回押して、「ただいま」とか「ごめんなさい」とかおばあちゃんに言えばすむ話なのだ。
かんたんなことのはずなのに……できない。
それどころか、だんだんと、不安がつのっていくのだ。今まで、おばあちゃんにナイショで〝豪腕〟として行動していたのだから、とつぜん帰ってきて、何と言われるだろうかと。
お母さんやお父さんみたいに、わたしのこと、見捨てたりしないだろうか。わたしのこと、キライになったりしていないだろうか。
そんな心配ばかりをしているせいで、一向にボタンを押すことができない。モモちゃんをだっこしている手も、だんだん汗ばんできている。
「どう、しよう……」
わたしは、インターホンを押そうとしていた指をそのまま下ろした。
すると――。
ガチャリ、と音が聞こえた。
その音に反応し、いつの間にかうつむいていた顔を上げる。
その目にうつったのは――。
「――――ッ」
「…………妖夢、ちゃん?」
「…………うん」
「……おかえり、無事で良かったよ……」
――気づいた時にはもう、目の前に温もりと安心するにおいがあった。
わたしは思いっきりだきしめた。
目を涙でにじませながら。
「ただいま……っ、おばあちゃん……!」
すっかり妖夢ワールドに入ってしまう様なお話でした。平仮名表記、中々大変……笑
このお話は、二十二節のその後の妖夢を題材とした物となっております。心に滲みるお話になっていれば幸いです。
……原案では妖夢はもう出ない予定ですが、出来ればまた出したいなぁ……。




