墓碑
インターネットが発達してからというもの、死してもなお、自らが生きた証が記せるようになった。
自分が死んでからもなお、データという形で自らの道は残り、そこに誰かが通ってくれるのを待つことになろう。
そのデータが、自分は恐ろしくもあり、また頼もしくもある。
老い先短いことを知ってから、自分は自分のことをインターネットに公表した。
そして、一つの鍵を残す。
自分が持っていた中で、最も金銭的価値が高いものを残した暗号だ。
欲しい人は解くだろう。
欲しくない人も楽しんでもらいたい。
そう、それが自分がこの世界に残す最後の願い。
未来永劫残り続ける、自分の生きた証。