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ドロスちゃんのほっぺがあまりにも柔らかそうでぷにぷにしたくなって我慢できなくなくなりぷに

超苦労したよー。バックアップ大事。ってことを痛感したよー。


「はい。ここ注目!」


そう言ってモニターの画面をスクロールさせてさっきと違う地点を指揮棒の先でつんつんしているドロスちゃん。そこには火山が見える。まるで阿蘇山のカルデラを見るみたい。違うのは直前の噴火で山頂からフっ飛びマグマが四方に流れだし小さな湖のように溜まっている。火口はモニターの半分を占める。


「ここからドラゴンが出てきて悪さするから撃退しちゃうよ。」


火口から今、数体のドラゴンが飛び立つ。黒い表皮でゴツゴツした鱗が生えている。翼を広げれば体の5倍くらいに見える。


「このドラゴンはね、サンダードラゴンと言う種類なのね。雷のブレスと額の一角からの電撃に注意。」


モニターの画面を悠然と飛ぶドラゴンをスクロールして追う。ドロスちゃんが見ててと言うからモニターを注視する。暫く飛んだドラゴンはとある町の近くに不時着する。執拗にドロスちゃんがドラゴンを攻撃をしてたからだ。指揮棒でなぞるように円を描くとドラゴンの動きが制限されて方向を変える。指揮棒からもくもく煙が出てきてふわふわの雲になり雨が降りだしザアアッと大雨になり嵐に変わる。嵐の中を気合で飛ぶドラゴンに指揮棒からパリパリッと電撃が迸り連続の雷、雷、雷、


「しぶといなあ。ダメなんだからね!」


指揮棒から一際大量の電撃が迸ったかと思うと超特大の!極雷がズドンと突き刺さり、ドラゴンは落ちていく。目算がずれたのか、とある町の近くに。騒ぎになっている。ドラゴンを撃退するために人々は武器を取って戦っているが被害は大きくなる一方で、特にサンダードラゴンの強力無比な一角からの爆雷にはなす術無く何もかも吹っ飛ばされてしまう。


「ほいっ、ここで替わるね。お兄さん、得意でしょ?」


いやいやいや、何が得意だって?あっさりドラゴンや悪魔を撃退出来たのは何周もしたSRPGだからこそ使用キャラも十分に強くなっているし特性も弱点も把握しているからであってだな。今目の前にはサンダードラゴン居るけど俺は初見なわけでさ。


「この人たちは何ができるの?得意な武器は?ドラゴンの弱点はある?知ってる?」

「ぶぶーっ、質問は一回ずつ。わたしが解んないでしょ。」


むぅっとほっぺを膨らませるドロスちゃんのほっぺがたまらないほど、ぷにぷにしたくなって我慢できなくなくなり人差し指をぴたっと頬に当てつんつんしてしまうと、ドロスちゃんのほっぺはとてもぷにぷに。幼女なんだから当然か、赤ちゃんみたいな柔らかい肌。横目で窺うとドロスちゃんはぷんぷん怒った表情で指揮棒をぶんぶんと振りぺちんっと俺を叩く。痛くないけど、痛がってみる。痛くないけど。


「つっ、ドロスちゃん痛いよ。」

「真面目にしようよ、優くん。」


幼女に注意される、幼女に注意されてるよ俺。


「ドロスちゃんのほっぺがあまりにも柔らかそうでぷにぷにしたくなって我慢できなくなくなりぷにぷにしちゃった、ごめんね。」


瞬間、固まったまま俺を視線で追ったものの照れくさそうに俯いて小さなお手手でぺちぺちしてきた。じぃっと直も見詰めるとみるみる内にドロスちゃんのほっぺが朱に染まる。かっわいいなドロスちゃんは。俺と幼女がイチャイチャしている間にモニターの中ではドラゴンに大勢の人々が爆雷で焼き払われたり、ブレスで感電死してると思うと辛いけど。すまんな、コレが人生ってもんさ。lifeってのは自分で切り開くもんだぜ。でもそろそろヤバイんじゃないのか、コレ。そう思ってモニターに視線を戻すと町の外だった戦闘の舞台が町中に突入した。今、丁度。


「もういっちょいっくよー。」


ドラゴンに直撃する超特大の極雷。勿論ドロスちゃんの仕業。中の人は突然の雷に『神の御技』とか言って感謝してるけどドラゴンを落としたのもドロスちゃんなんだよな。今の極雷に怯んでドラゴンは町の外へ動いた。ドロスちゃんの様子を窺うとよっしゃ!とガッツポーズをしている。俺の視線に気付くと照れちゃって、


「優くんも。ほら、ビジョンに手入れて。」小さなお手手で『ん!』とモニターの中を指差すドロスちゃん。

「あ、はい。」促され条件反射で頷く俺。

「超念じるの。誰かに伝わるから。」超念じるの、かぁ。

「さっきの質問。この人々は何ができるの?」

「集まって撃退に努力する、だけだけど?」


にこにこしてたドロスちゃんは不思議そうな表情に変わる。その間もドラゴンに雷を落とすのを止めない。

「烏合の衆か、じゃあ・・・」


まずすることはリーダーを決めちゃおう。念じると誰かに声が届くって言ってたし、その人がリーダーで。


「ドラゴン退治の戦法を伝えようと思う。」俺の一挙手一投足を見ていたドロスちゃんは、

「なにそれ?面白そう、採用!」にこにこと手にした指揮棒をピンっと前に突きだしそう言った。


許可が出たのでモニターの中に手をヌヌヌッと入れていく。伝われ!気づけ、気づけ、気づいて、気づけ下さい、気づいてお願い、気づいてお願いだから!ドロスちゃんの言う通り超、超超、念じた。するとモニターの中に動きがある、戦っている男の内の1人が反応する。


「誰だ。」

「俺の名は神田優。お前に今から俺の記憶を送る。」出来るよね?とドロスちゃんを窺うと小さなお手手でサムズアップして、


「採用!」ドロスちゃんの声を聞いてすぐ超!念じる。記憶を流し込むように。ゲーム情報を提供してるだけなんだけどな。


「おお、なるほどこうすれば。感謝します、カンダユーよ!俺の名はランバニクス、必ずドラゴンを撃退して御覧に入れましょう。」

「ランバニックス、お前に与えた戦法で皆を率いて撃退してくれ。」超念じたら伝わったみたいだ。


「ドロスちゃんも1つ質問。この人の得意な武器は?」

「武器ね・・・?知らない。その人に聞いた方が早いよ。」


ドロスちゃんは難しい顔をして悩んでいたがにこにこ笑顔に戻るとそう言った。まあ、そうだよなぁ。知ってるわけ無いっか。




ランバニクスは授けた戦法を実行する為に近隣の町から援軍を仰ぎ、5つの町から援軍が届く。他の町にしたらとある町が被害を受けてる内はいいがもしドラゴンが移動して自分の町に被害が及んだらどうだろう。俺がまずランバニクスに送ったイメージは近隣との連携だった。数少なければドラゴンに歯が立たなくとも力を合わせれば強固な絆となる、その為にもリーダーで指導者は必要だった。ドロスちゃんとも相談して次に俺が打った手はランバニクスにドラゴンを傷付ける事が出来る剣を贈ることである。ランバニクスは剣を強く望んだから。


この剣は周辺に散らばったドラゴンの鱗からドロスちゃんに精製して貰った言うなれば『神の奇跡の剣』。実際は拾った鱗をドロスちゃんの小さなお手手でこねこねした粘土細工(笑)なんだよな。ランバニクスは泣き叫んで感謝していたからホントの事は黙っておこう。さあ、準備は整った。

ドラゴン退治と行こうじゃないか?







ランバニクスの指揮の元ドラゴンの四方から巨大な先の尖った大木を押す光景が見える。ランバニクスは今や神の声を聞く神罰の体現者という大層な役割を任される事になってしまっていた。ランバニクスをゲームの主人公に置き換えれば俺のゲーム情報をそのままに再現している。その大木の切っ先には周辺に散らばったドラゴンの鱗。何物も通さない固い表皮も鱗も自身のゴツゴツの鱗なら弾き返せないだろうという『ドラゴンキラー』からヒントを得た俺のアイデアである。そして最後は、ドロスちゃん、超特大の雷をひとつ。

「ほいやっ、いっくよー!」目配せするとウインク+ぺろと舌出しした後、ついっとモニターに指揮棒を突っ込んでドロスちゃんは叫ぶ。すると雲間が出来パリパリッと電撃が迸り超特大の極雷がドラゴンに襲い掛かり動きを止める。やりきったと一息吐くドロスちゃんから視線をモニターに移すと


「予定通り、神の奇跡は起こった。突撃の時である、皆のもの掛かれ!」


と御託を宣うランバニクスが居た。すっかりちゃっかり英雄になったようで彼の声を切っ掛けに四方に配置された隊列がドラゴンに大木の切っ先を突き立てる。と、人々の喧騒から一頭の馬が抜け出し単騎でドラゴンに駆けていく。ランバニクスだ。彼の手にはドロスちゃんのこねこね粘土細工(笑)もとい『神の奇跡の剣』が握られている。俺の見せた記憶には主人公が単騎でドラゴンに向かうシーンが有った。そこまで再現しなくても、と思ったがランバニクスは今や神の体現者。自らがドラゴンを退治すると決めていたのだろう。怖いだろうと思う、恐怖に打ち勝って今。ランバニクスはドラゴンの、


爪の生え際に切り掛かった。あ、喉元とかじゃないんだ?そこまでは再現は出来ないか?まあ、そだよな。考えて見たらランバニクスはなんちゃって英雄だもん(笑)飛び上がって喉元に一太刀とか無理だ。それでも十分やってくれた。ドラゴンはまだ健在だけれど、あれが間に合えば。


「ドラゴンは怯んだ!今こそあれを。」


群衆にまで下がったランバニクスが一際大きな声を張り上げ叫ぶ。その声に応じて町側の群衆がパカッと割れるモーセの十戒の海の様に。そこから現れたのはランバニクスに作らせた、ランバニクス達は苦労して作った大きな鏃と発射台。そう、大きなバリスタをランバニクスに作らせてみたのだ。勿論、鏃の先はドラゴンの鱗を何枚も張り付けてある。思ったより、ドラゴンしぶとい。ドロスちゃん、最後にもいっかいだけ超特大の雷をひとつ。


「もう、しょーがないなー。」俺は手を合わせてお願いをする。それを見たドロスちゃんはそう言って疲れも気にせずにこにこ笑顔でモニターについっと指揮棒を突っ込む。


「ラストだー!」


指揮棒の先からパリパリッと迸る電撃が再びドラゴンに襲い掛かる。それを合図にランバニクスはバリスタの発射を命じる。終わった。ランバニクスはドラゴンに勝利したのだ。


その後、群衆は倒れたドラゴンを思い思いに恨み晴らさんとばかりに斬り付ける。勿論、まだ生きているので最後の抵抗でブレスもだし、一角からの爆雷も容赦なく近づく物を焼き付くす。暫くするとその抵抗すらしなくなり、動かなくなる。ドラゴンが絶命したのだ。


「感謝します、神よカンダユーよ。神の名をこの剣に与えましたカンダユークスと言います。後世まで神なる剣と伝えられるでしょう。」


ややあってランバニクスからむず痒い感謝の言葉が届く。いやいやいやそれドロスちゃんのこねこね粘土細工(笑)だから!俺は関係無いし。英雄ランバニクスの名とその剣は100年程続いたこの国が滅ぶとその伝承は途絶えた事を追記しておく。。。


「退治も無事、終わったし。そろそろ帰らせて?」


十分楽しめたがドラゴンも退治したし、人類滅亡は回避されるだろうと、ドロスちゃんを窺うと不思議そうな顔をして、


「ドラゴンはまだ居るし、ふふふ。さっきのは実地訓練みたいな?」悟ったような表情をしたかと思えばころころと声を上げながら両手を広げて笑いながらそう言うドロスちゃん。なに?さっきのは訓練だと!そう言えばドラゴンは数体飛び立ったんだった。


「優くんー。疲れたからご飯作ってよぅ。」


ウインク+ぺろと舌だしして俺を見上げてくるドロスちゃんに静かに俺は頷くしか無かった。

次はドロスちゃんとのお料理回ですかね。ぽろりもある・・・のか?こうご期待。っっっの次話が上がりそうだからそっちが先だけどね。バックアップ前と後じゃ結局話変わってしまった反省汁。

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