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凛々しそうなお姉さんのものまね、上手いかどうか不明……

<迷子な()がいたの?>

「みたいなんだけどね」

 ほっぺたに赤みのある女の子が心外そうに声を出す。

「……れっが……!! ちがっ」

 少し涙声になった女の子、いなくなったのはお姉ちゃんの方なんだって主張してきた。

「わたし迷子じゃないんだもん!! お姉ちゃんこそ私から勝手に離れたんだし!!」


 私はお母さんがおませさんな子なのね~と微笑ましそうにしてそうなのが男の子型携帯から聞こえてくる声質でわかった。

<ふふっ、じゃあそのお姉さんを一緒に探してあげるといいわ>

 アドバイスを貰ったので私は返事する。

「だねーっ」

「!!」

 女の子が男の子型携帯が笑っているのを見て自分より年下っぽい外見のちびっ子に笑われたと勘違いする。


「アナタ!! 笑ったよね!!」

 赤面して怒鳴り声をあげた園児の女の子の剣幕に男の子型携帯がびくっとする。

「あれ、あの……ケータイが笑ったんじゃ……」

 私が誤解を解こうと教えた声は耳に届いていなさそうだった。


 

 ツインテールの女の子が落ち着いてきたかなというタイミングで私はお姉さんを受付に頼んで放送で呼ぼうと提案する。

「じゃあねえ~、お店の人にお願いして呼び出しの放送をしてもらおうよ」

「そっ、それはやめてっ!!」

 恥ずかしそうにしながら女の子が嫌がった。

「何でなのかな?」

 理由がありそうだとは思ったが私は不思議がってみせ、質問してみた。


「その場所で励まされて小さい子扱いされたのが……」

 女の子が前もそうした時があってとその状況を思い出しているのか、微妙な憤りと恥ずかしさで体を震わせている。

(経験済みなのかなあ?)

 私はそう思ったが口には出さなかった。

放送してほしくないなら別の方法を教えてあげるしかないよねと私は考えてこの方法ならどうかと聞いてみた。

「電話なら? あなたのお姉さん、携帯持っているかな? それと番号も」

「うん。番号もわかる……」

「私のケータイ使いなよ!」

「でも」


 男の子型携帯が僕でお役に立てそうならと待機している。

「私のお姉ちゃんの高いレベル、マネ出来るの?」

 疑いの眼差しでおませな女の子が男の子型携帯を見つめる。

「そっ、その心配!?」

 心配している点がズレている女の子の考えに私は少し驚いてしまった。


「番号が書いてあるメモ……」

 女の子がお姉さんまたはお母さんなど保護者のケータイの連絡先が書いてあるメモを見せてくれた。私はそのメモを一時的に預かって男の子型携帯に電話をかける様にお願いする。

「借りるね。それじゃあつなげてみて」

 男の子型携帯が張り切っているようで2、3回うなずく。

<もしもし? どちら様でしょう>

 

 

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