表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/14

デパートでチェンジ?

            ◇

「今日はお休みでしょ。男の子型携帯のその子と一緒に出かけてきたらどうかしら?」

 そう私は母親の発案を受けて、<<ヒューマノイフォン>>のこの子(?)を連れてデパートに行く事にして辿り着いた。

「とうちゃくっだよー」

 私は人が多くて目移りしそうなファッション専門チェーン店に行くつもりだ。この店にそぐわないとか思われたくなかったのでお気に入りの服でオシャレをしたつもり! もちろん男の子型携帯にも着せ替えモードがあると説明書で読んだので私が良いと思った服を着せた。


「行こうか!」

 一緒に連れて来ている男の子型携帯(ヒューマノイフォン)は慣れない服(ワンちゃん着せ替えモード)で動きづらいからかヒザを折って疲れているかのような動作をしていた。それに気付いた私は謝るくらいしか出来ない。

「あ、えっと……動きづらかった? ごめんね」


「動きやすいのに変えるよ」

 私の提案に男の子型携帯がそうして欲しいとばかりに数回うなずく。

男の子型携帯の服を変えるだけだからとデパート内の人通りの少ない通路のベンチの所で私は邪魔にならないように着せ替えようと考えていた。それをする前に私は誰かを不安そうに探している園児っぽい少しでも年を大きく見せたそうな背伸びしているツインテールの女の子に気づく。


(あれ? あの女の子だけでどうしたのかな……)

 私は同性というのもあるし、心配だったので声をかけた。

「迷子になっちゃったの?」

 そう問いかけると、その子は気丈にもそんな訳ないでしょとアピールしてくる。

「なっ!! だっ、誰が迷子なのよっ!! 子ども扱いしな」

 私の優しげな声に振り向いた女の子が男の子型携帯の格好を見て驚いた。

「……って!! コスプレ?」

「こっ、これはメイドさんモードなの……」

 私は男の子型携帯にメイド服を着せた理由を説明した。だけど理解してもらえなかった。

「意味がわからないわ!」


 どうやらツインテールの背伸びしている様子の女の子に私は警戒されずにすんだようだ。男の子型携帯(ヒューマノイフォン)に興味ありそうだったので私はそこから話を広げる。

「人型携帯? 信じられないっ」

「それじゃ試しに私のお母さんに電話するね」

 短縮ダイヤルで私は家に電話をかける。電話に出た瞬間、男の子型携帯がエプロンとおたまを持っている姿にモードチェンジした。


<もしもし~? 何かあった?>

「わっ、大人っぽい声!?」

 電話をかけた私は女の子に尋ねた。こんなのを持っているのは私だけだよって優越感で笑顔になっちゃっているのは否定出来ない。

「信じてくれたかな?」

「わかったけど……」


「……けど?」

 素直に言った事を納得したみたいだけど、女の子が何かを気にしているようにみえる。

「イメージのモードが古典的なママの姿なのね……エプロンとおたま」

「?」

 ちょっと考えて答えに行き着いた。

「そっ、それはそういう仕様で……!!」




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ